海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第2話では、家族が一堂に集まります。ところが、何のための集まりなのかは人によって受け止め方がばらばらで、それぞれが別のお祝いのつもりで顔をそろえていました。
家族の集まりには、たいてい何かしらの名目があります。お祝いの理由を表す英語、贈り物の費用を分け合う言い方、集まる機会をめぐるアメリカの家庭の習慣を、場面に沿って見ていきます。
「anniversary」か「birthday」か、集まりの名目を表す英語
集まりが始まって間もなく、クレアがプレゼントの話を切り出します。
Claire: So, I got Dad and Gloria’s anniversary present.
(それでね、パパとグロリアの記念日のプレゼント、買っておいたから。)
Claire: You guys both owe me 40 bucks.
(2人とも40ドルずつ払ってね。)
Cameron: Wait.
(待って。)
Cameron: It’s their anniversary? I-I thought it was Gloria’s birthday.
(2人の記念日なの? ぼ、僕はグロリアの誕生日だと思ってた。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
anniversary は「(毎年めぐってくる)記念日」で、夫婦の場合は wedding anniversary(結婚記念日)を指すことが多く、文脈が明らかなら anniversary だけでも通じます。クレアの owe は「借りがある」という動詞で、ここでは「立て替えた分を払って」という意味になります。bucks は dollars の口語です。
きょうだいで親への贈り物を用意するとき、1人がまとめて買い、あとから費用を分け合うやり方は、アメリカの家庭でも見られることが多いと言われます。英語では split the cost(費用を分ける)や chip in(お金を出し合う)といった言い方があります。
一方のキャメロンは、同じ集まりを誕生日のお祝いだと思っていました。I thought it was ~ は「〜だと思っていた」と、自分の思い込みに気づいたときの言い方です。集まりの名目が人によって食い違っていることが、この時点で見えてきます。
「celebrate one of your awards」で、お祝いの理由を確かめる
ジェイはジェイで、別のお祝いのつもりでした。アレックスへの声かけから始まるやりとりがこちらです。
Jay: Congrats, honey.
(おめでとう。)
Jay: Always proud to celebrate one of your awards.
(お前の受賞を祝えるのは、いつだって誇らしいよ。)
Alex: I didn’t win an award.
(賞なんて取ってないけど。)
Jay: Well, then, what are we all doing here? I’m a busy man!
(じゃあ、俺たちはみんなここで何してるんだ? 俺は忙しいんだぞ!)
Lily: Don’t you just golf now?
(今はゴルフしかしてないんじゃないの?)
Jay: I work when it’s raining.
(雨の日は働いてる。)
Jay: Why am I defending myself to you?
(なんでお前に言い訳してるんだ?)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
Congrats は Congratulations を縮めた口語です。Always proud to ~ は I’m を省いた形で、「いつでも〜できて誇らしい」と祝う気持ちを伝えます。What are we all doing here? は「私たちはここで何をしているのか」、つまり「何のための集まりなのか」を確かめる問いです。
続く I’m a busy man! は「俺は忙しいんだ」と、来た意味がないことへの不満をぶつける言い方です。リリーの Don’t you just golf now? の just は「〜だけ」で、「ゴルフしかしていないでしょ」と言い返しています。
アメリカでは、卒業や受賞、昇進といった個人の節目を、家族が集まって祝う家庭も少なくありません。誕生日や記念日のように日付で決まる行事とは別に、こうした出来事そのものが集まる名目になることがあります。ジェイの勘違いも、その種の集まりだと受け止めていたことから生まれています。リリーに軽くからかわれ、ジェイが「なんでお前に言い訳を」と自分に突っ込むところまでが一続きのやりとりです。
「gather for no reason」と「hang out by mistake」
集まりの終わり近く、ジェイが全員に向かって声を上げます。
Jay: All right! It’s come to my attention through a series of assumptions, old e-mails and lazy sheep-like thinking that we may have gathered for no reason!
(よし! 思い込みと古いメールと、羊みたいに人の後をついていく考え方が重なって、俺たちはどうやら理由もなく集まってたらしいと分かった!)
Manny: So it’s not my welcome home party?
(じゃあ、僕の帰宅祝いじゃないの?)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
assumption は「思い込み、前提」です。It’s come to my attention that ~ は「〜ということが分かった」という改まった前置きで、ジェイはこの言い方で種明かしの形をとっています。sheep-like は「羊のような」で、深く考えずに周りに合わせる様子を表します。gather は「集まる」で、for no reason と組み合わせて「理由もなく集まる」になります。
マニーの welcome home party は、長旅などから戻った人を迎える集まりを指します。グロリアはアレックスの受賞祝いだと思っていたことも明かされ、名目は最後までそろいません。
Jay: People, listen up! There are too many actual reasons for us to see each other.
(みんな、よく聞け! 俺たちには、顔を合わせる本当の理由がありすぎるくらいある。)
Jay: We cannot afford to hang out by mistake! I love you all, now go home.
(間違いで集まってる余裕なんかないんだ! みんな愛してる、さあ帰れ。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
cannot afford to ~ は「〜する余裕がない」、hang out は「一緒に過ごす」という口語で、now go home の now は「さあ」と相手を促す働きをしています。大家族では、誕生日や記念日、祝日、節目のお祝いと顔を合わせる機会が多くなりやすく、その頻度は家庭によって大きく異なります。ジェイの言葉は、そうした機会の多さを逆手に取った締めくくりになっています。
まとめ|家族の集まりとお祝いの英語
anniversary と birthday、celebrate one of your awards、welcome home party といった集まりの名目と、owe で費用を分け合う言い方、gather for no reason や hang out まで見てきました。お祝いの理由を確かめる英語がそろっています。
にぎやかな家族の集まりを観ながら、『モダンファミリー』の世界をこれからも味わっていきましょう。
同じ回のほかのコラムでは、相談を持ちかける・受け止める英語や、急に素っ気なくなった相手との会話も取り上げています。


コメント