海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン10第2話では、家族が集まった場で、ヘイリーが叔父のミッチェルとその夫キャメロンに相談を持ちかけます。そのことを知ったクレアは、娘が自分のところに来なかったことを気にします。
相談には、切り出す側の前置きと、聞く側の受け皿づくりの両方が欠かせません。続きを促すひと言から、「責めないから話して」と気持ちをほぐす言い方まで、この回の会話から順に見ていきます。
「Spill」と「just between us」で相談を切り出す
ヘイリーは、ミッチェルとキャメロンに相談があると切り出します。ところが「ほかの人に話したほうがいいかも」と引き下がりかけたところで、2人はこう返します。
Mitchell: No, tell us!
(いや、話してよ!)
Cameron: No! Spill, girl, spill!
(だめだめ! ほら、早く話して!)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
ミッチェルの No, tell us! の No は、ヘイリーが言いかけた「ほかの人に」という考えを打ち消す働きをしています。そのうえで tell us と、自分たちに話すよう促しています。
キャメロンの Spill は、もともと「こぼす」という意味の動詞です。口語では「隠している話の中身をこぼす」、つまり「打ち明ける」の意味でも使われます。命令形の Spill! は「さっさと話して」と続きをせがむ短いひと言で、同じ語を重ねた Spill, girl, spill! では、早く聞きたい気持ちが繰り返しの形に表れています。似た発想の言い方に、秘密をうっかりばらすことを表す spill the beans もあります。
2人に促されたヘイリーは、just between us と前置きしてから話し始めます。「ここだけの話」「私たちの間だけにしておいて」という意味で、聞き手に口外しないでほしいと先に伝えるための前置きです。似た言い方に between you and me があり、相手が1人のときに使いやすい形です。相談の中身に入る前にこのひと言を置くと、聞き手も話の重さを受け止める準備ができます。
「come to me」で、相談されなかった気持ちを伝える
ヘイリーが相談していたことは、クレアにも伝わります。ミッチェルの説明を聞いたクレアの反応がこちらです。
Mitchell: She was just asking for some advice.
(ちょっとアドバイスを求められてただけだよ。)
Claire: Why wouldn’t she come to me? I thought we were finally becoming friends.
(なんで私のところに来ないのよ? やっと友達みたいになれたと思ってたのに。)
Cameron: Well, you know, think about it, Claire.
(まあ、考えてもみなよ、クレア。)
Cameron: All the secrets that you kept from your mom.
(君がお母さんに隠してた秘密の数々をさ。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
ask for advice は「助言を求める」という基本の組み合わせです。ミッチェルは just を入れて「ただ〜していただけ」と言い、大ごとではないという響きを持たせています。
クレアの come to me は、直訳すると「私のところに来る」です。相談や打ち明け話の文脈では、「私を頼って話しに来る」という意味になります。Why wouldn’t she ~? は「どうして〜しないの?」と、相手の行動に納得がいかないときの問いかけで、続く I thought we were finally becoming friends. から、親子でも友達のように話せる仲になりたかったクレアの思いが読み取れます。
キャメロンは think about it と前置きして、クレアに考えるきっかけを与えます。続く All the secrets that you kept from your mom. には動詞の部分がなく、名詞だけを差し出して「それを思い出してごらん」と促す形です。娘が母親に何でも話すとは限らないことを、クレア自身の経験に結びつけて示す返しになっています。
「No judgment」と「I promise」で打ち明けやすくする
別の場面で、クレアはヘイリー本人にこう申し出ます。
Claire: You know, if something was on your mind, I’m an excellent person to confide in.
(ねえ、もし何か気になってることがあるなら、私は打ち明ける相手としては最高よ。)
Claire: No judgment.
(責めたりしないから。)
Claire: God knows I’ve done some stuff I’m not proud of.
(私だって、人に自慢できないようなことはいろいろしてきたんだから。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
on your mind は「気にかかっている」で、if を付けて「もし何かあれば」と控えめに水を向けています。confide in は「信頼して打ち明ける」という意味です。No judgment. は「相手をとがめたり評価したりしない」という約束を、名詞だけで短く伝える言い方です。God knows は「本当に」と後ろの内容を強める口語で、自分の失敗も認めることで相手を話しやすくしています。このあとクレアは、ヘイリーの近況を聞き出したくて話を作っていたと自分で明かします。
物語の後半、クレアはもう一度ヘイリーに声をかけます。
Claire: Oh, come here, honey.
(ほら、こっちにおいで。)
Claire: I’m I’m so sorry, and I know why you didn’t come to me.
(ほんとに、ほんとにごめんね。それに、どうして私のところに来なかったのかも分かってる。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
前半で不満として口にした come to me が、ここでは相談されなかった理由を受け止める言い方として使われています。
Claire: No judgment.
(責めたりしない。)
Claire: I promise.
(約束する。)
Claire: I promise.
(約束するから。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
I promise. を繰り返して、No judgment の約束を重ねて念押ししています。言葉を足すのではなく同じ短い文を重ねる形で、相手の気持ちをほぐそうとする姿勢が伝わってきます。
まとめ|相談を持ちかける・受け止める英語
Spill と just between us で相談を切り出し、come to me で相談されなかった気持ちを伝え、No judgment と I promise で打ち明けやすくする流れを見てきました。話す側と聞く側、両方の英語がそろっています。
家族の会話の行き違いを追いながら、次回も『モダンファミリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じ回のほかのコラムでは、急に素っ気なくなった相手との会話や、名目がばらばらだった家族の集まりも取り上げています。


コメント