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『モダンファミリー』シーズン10第2話では、家族が集まった場で、フィルがジェイに対して急に素っ気ない態度をとります。理由の分からないジェイは、孫のアレックスに理由を尋ねます。
相手の態度が急に変わったとき、何と聞けば角が立たないのかは迷いやすいところです。はぐらかす返事、席を断る口実、理由を探る問い、そして態度のわけを明かす言い方まで、2人のやりとりから順に見ていきます。
「I wouldn’t worry about it」ではぐらかす
家族が集まった場で、笑い声の理由を尋ねるジェイに、フィルはこう返します。
Jay: What are you guys laughing at?
(お前ら、何を笑ってるんだ?)
Phil: Oh, I wouldn’t worry about it.
(ああ、気にしなくていいよ。)
Jay: You said something funny, didn’t you?
(何か面白いこと言ったんだろ?)
Jay: The guy’s a joke machine!
(こいつは冗談製造機だからな!)
— Mm-hmm.
(うん。)
Phil: Oh, someone’s sitting there.
(あ、そこ、人が座ってるんだ。)
Jay: Who?
(誰が?)
Phil: Someone who doesn’t ask a million questions.
(いちいち質問攻めにしない人。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
I wouldn’t worry about it. は直訳すると「私ならそれを心配しない」で、本来は「気にしなくて大丈夫」と相手を安心させる言い方です。ここでは笑いの中身を教えずに話を切り上げる働きをしていて、同じ言葉でも、答えをはぐらかす素っ気ない返事になっています。
ジェイの You said something funny, didn’t you? は付加疑問で「そうなんだろ?」と食い下がる形です。それでもフィルは Someone’s sitting there. と、席が埋まっていることを理由にジェイを座らせません。誰が座るのかと聞かれて返した Someone who doesn’t ask a million questions. は、「質問ばかりする人以外」という皮肉で、a million は「数えきれないほどの」という誇張です。
フィルがこうした態度をとっていたのは、映画『ミーン・ガールズ』を見て思いついた作戦でした。ジェイの側からは理由が見えないまま、冷たくされたことだけが残ります。
「Did I do something?」で理由を探る
戸惑ったジェイは、アレックスに父親のことを尋ねます。
Jay: And why is your father mad at me?
(それと、お前の親父はなんで俺に怒ってるんだ?)
Jay: Did I do something?
(俺、何かしたか?)
Alex: Probably.
(たぶんね。)
Alex: Isn’t that your relationship? He’s always desperate for your approval and you shoot him down?
(それがおじいちゃんたちの関係でしょ? パパはいつもおじいちゃんに認められたくて必死で、おじいちゃんはそれをはねつける。)
Jay: It’s supposed to be, but all of a sudden, he’s, like all cold.
(そのはずなんだが、急に、なんていうか、すっかり冷たいんだ。)
Jay: Wouldn’t let me sit with him.
(隣に座らせてもくれなかった。)
Alex: Ugh, so high school.
(うわ、高校生みたい。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
mad はアメリカ英語の口語で「怒っている」の意味でよく使われ、be mad at ~ で「〜に腹を立てている」になります。Did I do something? は「自分が何かした?」と、原因が自分にあるかを確かめる短い問いです。アレックスの Probably. は、その問いに軽くあしらうように認める返事になっています。
shoot ~ down は「(提案や人を)はねつける」という句動詞です。ジェイの all cold の all は「すっかり」と程度を強める口語で、all of a sudden(急に)と合わせて、態度の変化に戸惑う気持ちを表しています。Wouldn’t let me ~ の wouldn’t は「どうしても〜しようとしなかった」という拒否のニュアンスです。アレックスの話をきっかけに、ジェイもフィルの作戦に気づきます。
物語の終盤、グリルに立ったフィルとジェイの間で、こんな応酬が起きます。
Phil: Oh, yeah, well, everybody’s hungry, and the prevailing opinion is that I’m a better griller than you.
(ああ、そうさ。みんな腹ぺこだし、大方の意見じゃ、俺のほうがジェイより焼くのがうまいってさ。)
Gloria: No.
(うそ。)
Jay: Wow.
(ほう。)
Jay: You must think you’re pretty tough.
(ずいぶん強気じゃないか。)
Phil: Not as tough as your meat.
(ジェイの焼いた肉ほど硬くはないよ。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
tough には「強気な、手ごわい」と「(肉が)硬い」の二つの意味があり、フィルは後者に掛けて、ジェイの肉の焼き方を当てこすっています。
「Since when do you care what I think?」で本心に触れる
ジェイが作った飲み物は、もともとフィルを喜ばせるためのものだったとグロリアが明かします。それを聞いたフィルとのやりとりです。
Phil: Since when do you care what I think?
(いつから俺の考えなんか気にするようになったの?)
Gloria: Always! He thinks that you’re the life of the party.
(ずっとよ! この人、あなたのことをパーティーの盛り上げ役だと思ってるの。)
Gloria: He wants to be more like you.
(あなたみたいになりたいのよ。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
Since when do you ~? は「いつから〜するようになったの?」と、意外さを込めて聞き返す形です。冷たくされてきた側が使うと、「そんなはずはない」という気持ちが前に出ます。the life of the party は「場を盛り上げる中心人物」を表す決まった言い方です。want to be more like ~ は「もっと〜のようになりたい」と憧れを表す形で、ここではジェイ本人ではなくグロリアが気持ちを代弁しています。続けてジェイも、フィルのように楽しめる人をうらやましく思っていたことを口にします。
Phil: I loved those Mint Jay-leps.
(あのミント・ジェイレップ、気に入ってたよ。)
Jay: You did?
(そうなのか?)
Phil: Yeah.
(うん。)
Jay: Did you hear that, Gloria? He did.
(聞いたか、グロリア? 気に入ってたってさ。)
Phil: I only trashed them because of what you called me when I was dancing at the wedding.
(けなしたのは、結婚式で踊ってたときにジェイに呼ばれたあだ名のせいなんだ。)
Modern Family Season10 Episode2 (Kiss and Tell)
trash は口語で「けなす、こき下ろす」という意味の動詞です。I only ~ because … は「〜したのは…だからにすぎない」と、自分の態度の理由を明かす形で、素っ気なくされた側が知りたかった答えがここで示されます。You did? は相手の言葉をそのまま受けて驚きを返す短い聞き返しです。
まとめ|冷たい態度とその理由をめぐる英語
I wouldn’t worry about it ではぐらかし、Did I do something? で理由を探り、Since when do you care what I think? と I only ~ because で本心と理由に触れる流れを見てきました。態度の変化を確かめる表現がそろっています。
2人の駆け引きを観ながら、『モダンファミリー』の会話を追ってみるのも楽しみ方のひとつです。
同じ回のほかのコラムでは、相談を持ちかける・受け止める英語や、名目がばらばらだった家族の集まりも取り上げています。


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