海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
何気ない近況の一言が、そのまま頼みごとの入り口になる。そんな瞬間が、ドラマには時々あります。
近況を伝えながら状況を説明するときに使える「run into problems」を、『モダンファミリー』シーズン7第1話の前半、ミッチェルの以前の職場の相手であるチャーリーに、キャメロンがミッチェルの様子を伝えるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「run into problems」の意味とニュアンス
run into problems
意味:問題にぶつかる、支障が出る
run into problems は、物事を進めている途中で、予期していなかった問題や障害に出くわすことを表す表現です。run は「走る」、into は「〜の中へ」という意味で、走っていって何かにぶつかるイメージがもとにあります。進めていた流れが、思いがけない壁で止まったり、遅れたりする状況に合います。
problems の位置には、difficulties(困難)、trouble(厄介事)、obstacles(障害)なども入ります。計画や作業の途中で壁にぶつかる状況を、軽めの口調でも改まった場面でも伝えられる表現です。
形としては、今回のシーンのように、be running into problems と進行形で使うと、「今まさに壁にぶつかっている最中」という状態を表せます。過去形の ran into problems なら、すでにぶつかった出来事を報告する言い方になります。
なお、同じ run into でも、目的語が人のときは意味が変わります。run into someone は、「人にばったり会う」という意味です。続く語が problems なら、「問題にぶつかる」と覚えておくと取り違えません。
日本語に置き換えるときは、「問題にぶつかる」「支障が出る」「つまずく」「壁に当たる」などの中から、場面に合わせて選びます。計画や作業の途中の話なら「支障が出る」、進行中の状態なら「つまずいている」と訳すと、進行形の感覚も伝わります。
【ここがポイント!】
- 「run into problems」の核は、進んでいる途中で予期しない壁にぶつかるイメージ
- 進行形の be running into problems なら、今まさにつまずいている最中の状態を伝えられる表現
- 続く語が人なら「ばったり会う」、problems なら「問題にぶつかる」と意味が分かれるのがコツ
『モダンファミリー』S07E01のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
チャーリーに「ミッチェルは元気かい?」と尋ねられたキャメロンが、近況を伝える場面です。キャメロンは「元気だよ」と答えたあと、仕事の話がいくつか来ているものの、うまく進まない事情を説明します。今回のフレーズは、その説明の中に出てきます。
Charlie Bingham: Hey, how is Mitchell?
(やあ、ミッチェルは元気かい?)Cameron: He’s fine. Actually, he’s fielding a few job offers right now, and he’s running into problems because he keeps comparing everyone to you.
(元気だよ。実は今、仕事の話がいくつか来てるんだけど、誰を見ても君と比べちゃうせいで、うまく進まないんだ。)— Huh.
(ほう。)Cameron: Sometimes I think the only thing that’s gonna make him feel better is if you offered him another job.
(時々思うんだ。彼が元気になれる唯一の方法は、君がもう一度彼に仕事を出してくれることだって。)Charlie Bingham: What the hell? I’ll do it.
(ええい、まあいいか。引き受けるよ。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
シーン解説と心理考察
キャメロンの答えは、He’s fine という短い返事から始まり、Actually で話の向きを変えて続きます。元気かどうかを尋ねられて、近況を一言で済ませず、仕事の話へ踏み込んでいく流れです。
he’s fielding a few job offers right now は、仕事の話をいくつか受けているという説明です。そのうえで、running into problems の理由として、because he keeps comparing everyone to you と続けます。うまく進まない理由が「誰を見てもチャーリーと比べてしまう」ことにあると伝えることで、話の矛先が自然に聞き手へ向かいます。
短い相づちを挟んだあと、キャメロンは Sometimes I think と、断定を避けた控えめな切り出し方で本題に入ります。彼が元気になれるのは、チャーリーがもう一度仕事を出してくれることだけだ、という内容です。直接頼む言い方ではなく、思うことを述べる形で話を運んでいるのが分かります。
チャーリーの返事は What the hell? に続く I’ll do it です。「まあいいか」という調子の前置きのあとに、引き受ける言葉が来ます。キャメロンが夫のミッチェルのために切り出した話に、その場で答えが出る運びです。
この一連のやり取りでは、running into problems が会話の分かれ目になっています。うまく進まない事情を先に説明したからこそ、そのあとの「もう一度仕事を出してほしい」という話が、無理のない流れで受け止められています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
run into は、道を走っている途中で、目の前に現れた壁にドンとぶつかる様子で覚えられます。前だけを見て走っていたので、壁が見えていなかった。ぶつかった衝撃で、足が止まります。これが「予期しない障害」の感覚です。
キャメロンの言葉にある running into problems の running も、まさに走っている最中の状態です。仕事の話を前へ進めようと走っている途中で、「誰を見てもチャーリーと比べてしまう」という壁にぶつかっている。そう思い浮かべると、進行形で使う意味もすっと入ってきます。
走る、ぶつかる、止まる。この3つの動きを頭に描いておくと、表現が口から出やすくなります。
例文で覚える「run into problems」
進めている途中でつまずく場面で使う run into problems を、3つの例文で確認していきましょう。
We ran into some problems with the schedule, so we need a few more days.
(スケジュールで問題が出たので、あと数日必要です。)
仕事の進み具合を報告する、ビジネスの場面です。過去形の ran into が、すでにぶつかった出来事を伝えています。so のあとに、必要な対応を続ける形です。
I ran into a few problems while setting up my new laptop.
(新しいノートパソコンを設定している間に、いくつか問題にぶつかりました。)
機械の不調を話す日常の場面です。while のあとに、いつ問題にぶつかったのかを添えています。a few が、問題の数を示す役目です。
A: How’s the new app going?
B: Pretty well, but we’re running into problems with the login screen.
(A:新しいアプリはどう?)
(B:かなり順調だけど、ログイン画面で問題にぶつかってるんだ。)
開発の状況を共有する会話です。進行形の running into が、今まさに対応している最中であることを伝えています。with のあとに、問題の場所が続きます。
あわせて覚えたい関連表現
encounter difficulties
(困難に遭遇する)
encounter は、やや硬い書き言葉寄りの動詞です。run into problems は口語の場面にも収まりやすく、「ぶつかる」という動きの感覚が強い言い方です。
hit a snag
(ちょっとした障害にぶつかる)
hit a snag は、進行を妨げる小さな引っかかりを指す口語表現です。run into problems は、問題が複数ある場合にも使えます。
run into someone
((人)にばったり会う)
同じ run into でも、目的語が人になると、偶然会う意味になります。続く語が problems なら「問題にぶつかる」と、続く語で意味が分かれます。
Note|run into・come across・bump into、出くわし方の違い
run into と近い意味で使われる表現に、come across と bump into があります。どれも「出くわす」と訳せますが、何に、どんな形で出くわすのかが少しずつ違います。
run into は、人にも問題にも使える表現です。I ran into Sarah at the station.(駅でサラにばったり会いました)のように人に会う場面にも、We ran into trouble.(厄介なことになりました)のように問題にぶつかる場面にも使えます。bump into は、人にばったり会う場面が中心で、I bumped into an old friend.(昔の友人にばったり会いました)のように使います。体が物理的にぶつかる意味もあり、「ドンと当たる」感覚が残る言い方です。come across は、探していなかったものを偶然見つけるときに使います。I came across an old photo while cleaning.(掃除中に古い写真を見つけました)のように、物や情報を見つける場面が中心です。
キャメロンの running into problems は、探していたものではなく、進めている途中で出くわした障害を指しています。run into が持つ「予期しないものにぶつかる」感覚が、そのまま生きている使い方です。
何に出くわしたのか、どんな出会い方だったのか。この2点を見ると、3つを使い分けられます。
まとめ|進行形で伝える、いまの壁
run into problems は、進めている途中で、予期しない問題や障害にぶつかることを表す表現です。進行形の be running into problems にすると、今まさにつまずいている状況を伝えられます。
仕事の進み具合を報告するときも、機械の不調を話すときも、続く語に problems や trouble を入れるだけで使えます。run into someone との違いを押さえておけば、人に会う話なのか、問題の話なのかを取り違えません。
状況を説明するときに、うまく進まない理由まで添えられる一言です。まずは自分の仕事や暮らしの中で、最近つまずいた場面を思い浮かべてみてください。


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