海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
好きになった相手のことが、遊びなのか本気なのか、周りの目にはどう映っているのか気になったことはありませんか。
そんな場面で耳にする「ready to settle down」を、『モダンファミリー』シーズン7第1話の前半、ヘイリーに向かって母のクレアが少し先のことまで考えてみるよう語りかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「ready to settle down」の意味とニュアンス
ready to settle down
意味:身を固める準備ができている、落ち着いた暮らしに入る気になっている
ready to settle down は、独り身の気ままな暮らしや、あちこち動き回る暮らしに区切りをつけて、結婚や定住、安定した生活へ進む心づもりが整っている状態を表す表現です。settle には「定まる」「落ち着く」という意味があり、ready to は「〜する準備ができている」という意味なので、2つが組み合わさって「腰を据える段階に入っている」という状態を言い表します。
恋愛の話題で使うと、「遊びではなく、結婚や家庭を真剣に考えている」という含みが出ます。一方で、結婚だけに限る表現ではありません。住む場所を一か所に決める、転々としていた働き方を落ち着かせるといった場面でも、「そろそろ腰を据える」という意味で使えます。
形の面では、主語になるのは落ち着く側の人です。今回のシーンでは、a guy who is ready to settle down のように、人を説明する関係詞の節の中に入っています。「落ち着く準備ができている人」という人物の紹介として使える形です。
日本語に置き換えるときは、「身を固める」「腰を据える」「落ち着く」などの中から、結婚の話なのか暮らし全体の話なのかに合わせて選びます。
【ここがポイント!】
- 「ready to settle down」の核は、気ままな暮らしに区切りをつけて腰を据える準備が整っているイメージ
- 結婚だけでなく、定住や生活の安定へ進む場面にも使える表現
- a guy who is ready to settle down のように、人を説明する形で使うのがコツ
『モダンファミリー』S07E01のシーンで見てみよう
ここからは、実際のドラマシーンで確認していきましょう。
ヘイリーと母のクレアが言葉を交わす場面です。ヘイリーは「私たちがどういう関係なのか確かめるチャンスがあってもいいんじゃない?」と、自分の思いを口にします。クレアは21歳という年齢に触れながら、少し先のことまで考えてほしいと語りかけます。今回のフレーズは、その語りかけの締めくくりに出てきます。
Haley: Who knows? But shouldn’t we get a chance to find out what we are?
(さあ、どうなるかなんて分からないでしょ。でも、私たちがどういう関係なのか、確かめるチャンスがあってもいいんじゃない?)Claire: I’m just saying look down the road a little. You’re 21, and that looks like a guy who is ready to settle down.
(私はただ、少し先のことも考えてみてって言ってるの。あなたは21歳でしょ。で、あれはもう身を固める準備ができた男の人に見えるのよ。)Haley: Well, um I guess it’s decided for me. I feel like such an idiot.
(えっと、じゃあ、私が決めるまでもなく決まっちゃったってことね。私、ほんとにバカみたい。)Claire: No. Honey, no, no, no, no, no. You have nothing to be ashamed of.
(そんなことないって。ねえ、ハニー、違うの、違う、違う。恥ずかしがることなんて何もないのよ。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
シーン解説と心理考察
ヘイリーが口にした「どういう関係なのか確かめるチャンス」という言い方には、結論を急がず、まず試してみたいという気持ちが表れています。Who knows? と先のことを言い切らない返事も、その姿勢と重なります。
クレアはそれを頭ごなしに否定せず、I’m just saying と前置きしてから、look down the road a little と続けます。道の先を少し見てほしい、という穏やかな頼み方です。そのうえで、21歳のヘイリーと、身を固める準備ができていそうな男の人とを並べて示します。年齢と相手の心づもりを同じ文の中に置くことで、時間の流れの違いを伝える言い方になっています。
ヘイリーの返事は、it’s decided for me です。自分で選ぶ前に答えが出てしまったという受け止め方で、続けて自分を such an idiot と評します。恥ずかしさが、短い言葉の中ににじみます。
最後のクレアは、No を短く言い切ったあと、no を重ねて打ち消します。Honey と呼びかける言葉と、nothing to be ashamed of という言い方が、娘を責める意図がないことを伝える運びです。忠告の言葉を口にしたあと、気持ちをすぐなだめにいく様子が、母と娘のやり取りの温度を決めています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
settle は、お茶の葉が湯の底へ沈んで、濁っていた水が澄んでいく様子で覚えられます。ふわふわと舞っていたものが底に落ち着いて、動きが静まる。ready to settle down は、その沈んでいく段階に入る準備がもう整っている、という状態です。
クレアが示したのは、21歳のヘイリーの前に、腰を据える段階に入っていそうな相手の姿を置く言い方でした。ふらふらと動いていたものがいつか底に落ち着く、そのイメージを思い浮かべると、「身を固める」という日本語とも結びつきやすくなります。
湯の中を舞う茶葉と、底に沈んだ茶葉。その両方を頭に描いて、どちらの段階の話なのかを考えると、表現が自然に浮かんできます。
例文で覚える「ready to settle down」
身を固める場面にも、定住の場面にも使える ready to settle down を、3つの例文で確認していきましょう。
My brother says he’s finally ready to settle down and buy a house.
(兄は、ようやく身を固めて家を買う準備ができたと言っています。)
家族の人生の節目を話す日常の場面です。ready to settle down のあとに and buy a house を続けて、落ち着いたあとの具体的な暮らしを示しています。
After years of moving from city to city, she’s ready to settle down in one place.
(何年も都市を転々としたあと、彼女は一か所に腰を据える準備ができています。)
住む場所を決める話題で、結婚ではなく定住の意味で使っています。in one place が、どこに落ち着くのかを示す役目です。
A: Do you think Ken will ever get married?
B: I don’t know. He doesn’t seem ready to settle down yet.
(A:ケンは結婚すると思う?)
(B:どうかな。まだ落ち着く気はなさそうだよ。)
友人の恋愛の見通しを話す会話です。否定形の doesn’t seem ready to settle down に yet が付いて、「まだその段階ではない」という含みになります。
あわせて覚えたい関連表現
put down roots
(根を下ろす、定住する)
ready to settle down が結婚や家庭、安定した暮らし全般へ進む気持ちを表すのに対し、put down roots は特定の場所に長く住む、その土地に根づくことに重点があります。
tie the knot
(結婚する)
結婚するという出来事そのものを指す言い方です。ready to settle down は、結婚の前後を含めて落ち着いた暮らしに入る心の準備を表します。
settle down with someone
((人)と落ち着いた関係や家庭を築く)
with someone を足すと、落ち着く相手が示される形になります。ready to settle down は相手を特定せず、状態だけを述べる形です。
Note|同じ「落ち着く」でも向きが違う、settle down と calm down
日本語の「落ち着く」は、気持ちが静まる場合にも、暮らしが安定する場合にも使えます。英語では、この2つが settle down と calm down に分かれる場面があります。
calm down は、興奮や怒り、動揺といった高ぶった気持ちが静まることを表します。Please calm down and tell me what happened.(落ち着いて、何があったか話してください)のように、相手の気持ちを鎮める呼びかけとして使われ、変わる対象は気持ちです。一方 settle down は、気持ちが静まる場合にも使えますが、暮らしや居場所が落ち着くという意味まで広がります。The kids finally settled down and went to sleep.(子どもたちはようやく落ち着いて眠りました)は静まる意味、He wants to settle down and have a family.(彼は身を固めて家庭を持ちたいと思っています)は暮らしが定まる意味です。定住や結婚の話に calm down は使えず、そこに使えるのが settle down です。
クレアの a guy who is ready to settle down は、気持ちの高ぶりを鎮める話ではなく、暮らしが落ち着く段階に入る話でした。同じ「落ち着く」でも、calm down では伝わらない内容を、settle down が引き受けています。
気持ちの話か、暮らしの話か。この向きの違いが、2つの表現を分けています。
まとめ|少し先を見るクレアの一言から
ready to settle down は、気ままな暮らしに区切りをつけて、結婚や定住といった安定した暮らしへ進む準備が整っていることを表す表現です。
人を説明する関係詞の形で使えば、友人や家族の恋愛の見通しも、自分の暮らし方の希望も語れます。結婚の話にも、住む場所を決める話にも使える幅があり、calm down とは向きが違うことも、場面の理解につながります。
ヘイリーに少し先を見るよう語りかけたクレアの一言と、それを受けたヘイリーの返事が、短いやり取りの中に並んだ場面でした。


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