海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第1話では、前のシーズンの終わりに仕事を失ったミッチェルが、思いがけず空いた時間と向き合います。キャメロンは趣味を勧め、ミッチェルは絵を描き始めます。
休みに入るときの言葉と、休みから戻るときの言葉は、同じ「休む」の話でも向きが逆です。この回には、空いた時間の使い方を勧める言い方から、相手の状況を言い当てて切り出す言い方まで、その両方にまつわる英語が順を追って出てきます。
「looks tense」と「that doesn’t not sound like me」
まず登場するのは、リリーとキャメロンの短いやりとりです。リリーが父親の様子を気にかけ、キャメロンがこう答えます。
Lily: Daddy looks tense.
(パパ、ピリピリしてる。)Cameron: He’s just paying bills.
(請求書の支払いをしてるだけだよ。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
tense は「張りつめた、緊張した」という形容詞です。look tense のように look と組み合わせると、本人の気持ちを言い当てるのではなく、外から見た様子として伝えられます。seem tense も近い意味を持ちます。
キャメロンの He’s just paying bills. は、just を添えることで「たいしたことではない」という響きが加わります。子どもに心配をかけない説明として、短い一文が働いている場面です。I’m just ~ing. の形は、何をしているのか聞かれたときの返事としても使えます。
続く会話で、キャメロンはミッチェルに、いずれまた堅苦しい事務所勤めに戻るのだからと話し、念を押します。
Cameron: Am I right?
(そうだろ?)Mitchell: Well, that doesn’t not sound like me.
(まあ、僕が言いそうにない、とは言えないね。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
Am I right? は自分の話への同意を求める一言です。ミッチェルの doesn’t not は否定を2つ重ねた形で、「そうだ」と素直に言わずに、しぶしぶ認める響きになります。否定の重ねは回りくどく聞こえるため、日常では冗談めかした場面で使われることが多いと言われます。
「take this chance」と「find a hobby」
キャメロンはここから、空いた時間の使い方を具体的に勧めます。
Cameron: Exactly, so why don’t you take this chance
(だろ? だからさ、この機会に)Cameron: to do something fun, find a hobby? You know, every time we go to a gallery, you always say, “I could paint something that stupid.
(何か楽しいことをしてみたら? 趣味を見つけるとかさ。ほら、ギャラリーに行くたびに、いつも「あんなくだらない絵なら僕でも描ける」って言ってるじゃないか。)Cameron: Well, prove it.
(だったら、証明してみせてよ。)Mitchell: You know what? I have.
(あのさ、実はそうなんだ。)Mitchell: I’ve always wanted to paint.
(ずっと絵を描いてみたかったんだよ。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
why don’t you ~? は「〜したらどう?」と軽く提案する形です。take this chance to ~ は「この機会に〜する」で、思いがけず生まれた時間を前向きに捉え直す言い方と言えます。chance の代わりに opportunity を使うと、少し改まった印象を与えます。
find a hobby は「趣味を見つける」です。have a hobby(趣味がある)と違い、これから探すという動きが入ります。pick up a hobby も「趣味を始める」という近い意味で使われる言い方です。
every time we ~, you always say ~ は、相手の口癖を持ち出して背中を押す組み立てです。そこに prove it を重ねると、からかい半分の励ましになります。prove it は本来「証明して」という強めの言葉ですが、親しい間柄では挑発まじりの後押しとして響くのが面白いところです。
ミッチェルの I’ve always wanted to ~ は「ずっと〜したかった」と、前から抱いていた願いを打ち明けるときに使われます。always が入ることで、思いつきではないことが伝わります。
「You know what’s happening here, don’t you?」と切り出す
別の場面で、家族が集まった場にいるミッチェルに、ジェイはこう言います。
Jay: You know what’s happening here, don’t you? You’re having a mid-life crisis.
(どういうことか分かってるだろ? お前、人生半ばの危機ってやつだ。)Mitchell: Oh, my god.
(なんてことだ。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
You know ~, don’t you? は、文末に don’t you? を添えた付加疑問の形です。「〜は分かっているよね」と、相手もすでに気づいている前提で話を進めるため、これから言いにくいことを告げる前置きとして働きます。what’s happening here は「ここで起きていること」で、目の前の状況全体を指してまとめる言い方です。
続く You’re having ~. は進行形で、「今まさに〜の最中だ」という一時的な状態を表します。I’m having a bad day.(今日はついていない)のように、have を進行形で使うと、ずっと続く性質ではなく今の出来事として伝わります。ジェイの言葉自体は、人生の節目の迷いを指す言い回しです。
ミッチェルの Oh, my god. は、驚きや困惑をひと言で受け止める感嘆です。長い反論ではなく短い一言で返すことで、ジェイの指摘をどう受け取ったかは、続く会話に委ねられています。
その後のやりとりで、ミッチェルは本音を打ち明けます。
Mitchell: Yeah, I-I’ve just been working so hard for so long.
(うん、僕はずっと長いこと必死に働いてきたから。)Mitchell: And now that I’ve stopped, I’m
(いざ止まってみたら、なんていうか)Mitchell: I’m having a hard time starting again.
(もう一度動き出すのが難しくて。)Modern Family Season7 Episode1 (Summer Lovin’)
働きづめのあとで止まると、かえって再開しにくいという気持ちが、ここではミッチェル自身の言葉で語られています。
まとめ|休むときと戻るときの英語
take this chance や find a hobby で空いた時間を前向きに捉え直す言い方と、You know ~, don’t you? で相手の状況を言い当てて切り出す言い方が、ひとつの回の中で対になっていると言えます。
これからも『モダンファミリー』の家族の会話を手がかりに、気持ちを伝える英語を集めていきましょう。
キャメロンが遠回しに働きかける場面や、プレスクール探しの英語は、同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事で扱っています。


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