海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン5第24話は、ミッチェルとキャメロンの式の当日を描いた回です。一帯に避難の指示が出るなど、段取りどおりに進まない場面が続き、そのたびに式を取り仕切るペッパーが場を収めようとします。
「何とかしよう」と「大丈夫だよ」は、日本語ではどちらも相手を安心させる言葉ですが、英語では向いている場面が少し違います。今回は、時間を交渉する場面、欠員に気づく場面、人があふれそうな場面の3つから、その違いを見ていきます。
「We can make that work!」は条件を引き受ける一言
式の準備の最中、一帯に避難の指示が出ます。ミッチェルは消防士にこう頼みます。
Mitchell: Wait, wait, wait, wait, wait.
(待って、待って、待って、待って、待って。)Mitchell: If you’re evacuating the whole area, can’t you just do us last?
(この一帯を避難させるなら、僕たちを最後に回してもらえませんか?)Fireman: I don’t think you realize how close you are to actual flames.
(炎がどれだけ近くまで来ているか、分かっていないようですね。)Modern Family Season5 Episode24 (The Wedding (Part 2))
can’t you just ~? は否定疑問に just を添えて、「〜してもらうだけでいいんですが」と頼みのハードルを下げる形です。do us last の do は「対応する・処理する」の意味で、順番の最後に回してほしいと頼んでいます。消防士の返事は、それどころではないという警告になっています。
続いてキャメロンが時間を求め、話は具体的な数字の交渉に移ります。
Cameron: Can we please have an hour?
(1時間だけもらえませんか?)Fireman: I can give you 30 minutes.
(30分ならいいでしょう。)Pepper: We can make that work!
(それで何とかしよう!)Modern Family Season5 Episode24 (The Wedding (Part 2))
Can we please have ~? は please を挟んで頼みを丁寧にする形で、I can give you ~ は「〜なら出せる」と譲れる範囲を示す返し方です。ペッパーの We can make that work! は、示された30分という条件をそのまま受け入れ、「その枠の中でやりくりする」と引き受ける一言です。make ~ work は「〜をうまくいく形にする」という意味で、予算や日程などの制約を前にしてよく使われます。直後からペッパーは段取りの指示を出し始めます。
日常の会話でも、相手の都合に合わせて予定を組み直すときに同じ形が使えます。
- A: I can only meet you for 20 minutes tomorrow.
(明日は20分しか会えないんだ。) - B: That’s fine. We can make that work.
(いいよ。それで何とかしよう。)
欠員を受け流す「Of course they are.」
場所を移った後も、思わぬ欠員が出ます。ペッパーは演奏者の人数に気づきます。
Pepper: Why am I seeing only half a quartet?
(どうして四重奏が半分しかいないんだ?)Cellist: Ed and Jim are volunteer firemen.
(エドとジムはボランティアの消防士なんです。)Pepper: Of course they are.
(そりゃそうだろうね。)Pepper: Try to play in front of a mirror.
(鏡の前で演奏してみたら。)Modern Family Season5 Episode24 (The Wedding (Part 2))
Why am I seeing only ~? は「なぜ〜しか見えないのか」という形で、足りないものを指摘する言い方です。返ってきた理由に対する Of course they are. は、「やっぱりね」「そう来ると思った」という、あきれ半分の受け止め方を表します。they are の後には直前の volunteer firemen が省略されていて、相手の言葉を受けて短く返す、英語らしい受け答えと言えます。
最後の Try to play in front of a mirror. は、鏡に映せば人数が倍に見える、という冗談とも受け取れます。ここでのペッパーは相手を励ますというより、欠員を嘆いて止まらずに次へ進むための一言を返しています。Try to ~ は「〜してみて」と軽く提案するときに使われます。
Of course + 主語 + be動詞・助動詞 の短い返しは、相手の言葉の続きを省いて「当然そうなるよね」と受ける形で、主語や動詞を変えて応用できます。
- A: The printer is out of ink again.
(プリンター、またインク切れだよ。) - B: Of course it is.
(そりゃそうだよね。)
「It’s going to be fine.」は気持ちをなだめる一言
その後も場所が変わった場面で、ペッパーはこう言います。
Pepper: It’s oh, it’s going to be fine.
(大丈夫……ああ、大丈夫になるさ。)Mitchell: Yeah, yeah, yeah, yeah, yeah, yeah.
(うん、うん、うん、うん、うん、うん。)Pepper: Although we may need to sit some of the overflow guests upstairs.
(ただ、入りきらないお客さんの何人かは、上の階に座ってもらうことになるかもしれない。)Mitchell: Oh, we don’t we don’t own the upstairs.
(ああ、上の階は……上の階は僕たちのものじゃないんだ。)Pepper: Really? I always assumed there was a nicer part you weren’t showing me.
(本当に? てっきり、見せてもらっていない素敵な部屋があるんだと思ってたよ。)Modern Family Season5 Episode24 (The Wedding (Part 2))
It’s going to be fine. は、今ある条件をどう処理するかではなく、「この先はうまくいく」と見通しを請け合って、相手の気持ちを落ち着かせる言葉です。ミッチェルが Yeah を重ねて返すところは、なだめる側となだめられる側のやり取りとも読み取れます。
続く we may need to ~ は「〜する必要があるかもしれない」と、言いにくい提案を控えめに切り出す形です。上の階は自分たちのものではないと返すミッチェルに、ペッパーは I always assumed ~(てっきり〜だと思っていた)を使ったからかいで応じています。
| 表現 | 主な働き |
|---|---|
| We can make that work! | 示された条件を受け入れ、その中でやりくりすると引き受ける |
| It’s going to be fine. | 先の見通しを請け合って、相手の不安をなだめる |
| Of course they are. | 予想どおりの悪い知らせを、あきれながら受け止める |
| We may need to ~ | 言いにくい提案を控えめに切り出す |
同じ「大丈夫」でも、条件や段取りが話題なら make that work、気持ちが話題なら going to be fine と考えると使い分けやすくなります。
- A: I’m so nervous about the presentation.
(プレゼンがすごく不安なんだ。) - B: Don’t worry. It’s going to be fine.
(心配ないよ。きっとうまくいくよ。)
まとめ|条件を引き受ける言葉と、気持ちをなだめる言葉
We can make that work! は示された条件を引き受ける言葉、It’s going to be fine. は先行きへの不安をなだめる言葉です。Of course they are. のような受け流しも含めて、ペッパーの言葉からは、崩れた予定を前に場を止めない言い方が分かります。
これからも『モダンファミリー』の会話を観ながら、場面に合った英語を拾っていきましょう。
式の当日のほかの場面の英語は、同じ回のコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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