海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン9第3話では、フィルが毎朝の験担ぎに失敗し、その日は悪いことが起きると身構えます。一方のクレアは、それを「ただの迷信」と言って最初から取り合いません。
験担ぎを信じる側と信じない側の会話には、相手の言葉を拾って言い返す形や、落ち着いて事実を指摘する形がそろっています。二人のやりとりを順に追いながら、使える英語を見ていきます。
「Ridiculous? Let’s review.」で言い返す
フィルには、毎朝欠かさない習慣があります。本人はそれをこう説明します。
Phil: Every morning, before I shower, I kick off my underwear.
(毎朝シャワーの前に、パンツを足で蹴って脱ぐんだ。)Phil: If I catch it, it’s gonna be a great day.
(それをキャッチできたら、最高の一日になる。)Modern Family Season9 Episode3 (Catch of the Day)
kick off は「蹴って脱ぐ」という句動詞で、靴を脱ぎ捨てるときの kick off my shoes でもおなじみです。If I catch it, it’s gonna be a great day. は、条件の if 節で一日の運勢を決めてしまう言い方です。If it rains on my birthday, it’s a bad sign.(誕生日に雨が降ったら悪い兆しだ。)のように、ジンクスを説明するときにそのまま応用できます。
この朝、フィルはキャッチに失敗します。原因が分からないフィルと、それを聞いたクレアの会話がこちらです。
Phil: I don’t know what happened.
(何が起きたのか分からないよ。)Phil: It was a strong kick, ankle flick was on point.
(キックは強かったし、足首のひねりも完璧だったのに。)Claire: It is just a ridiculous superstition.
(ただのばかげた迷信でしょ。)Phil: Ridiculous? Let’s review.
(ばかげてる? じゃあ、おさらいしようか。)Modern Family Season9 Episode3 (Catch of the Day)
superstition は「迷信」、just a ~ superstition で「ただの迷信にすぎない」と相手の心配を小さく扱う響きになります。フィルの返しは、クレアの使った ridiculous をそのまま疑問形で聞き返し、Let’s review.(おさらいしよう)と反論に入る形です。相手の言葉を拾って問い返すと、「本当にそう言い切れる?」という含みが生まれます。Impossible? Let’s see.(無理だって? じゃあ見てみよう。)のように、別の形容詞に入れ替えても使える型と言えます。
「self-fulfilling」と「a little dramatic」で冷静に指摘する
迷信を信じない側の言い方として、クレアの見方も参考になります。クレアはフィルについて、こう語ります。
Claire: It’s self-fulfilling.
(自己成就ってやつなの。)Claire: Phil believes something bad is gonna happen, so he makes it happen.
(フィルは何か悪いことが起きるって思い込んでるから、自分でそれを起こしちゃうのよ。)Modern Family Season9 Episode3 (Catch of the Day)
self-fulfilling は、self-fulfilling prophecy(自己成就的予言)を短くした形で、「そうなると思い込むことで、実際にそうなってしまう」状態を指します。クレアは続く文で believes something bad is gonna happen, so he makes it happen と言い換えていて、用語の意味をそのまま説明している点が分かりやすいところです。
クレアの話には、フィルが紙で切ったときのやりとりも出てきます。
Phil: Ow! Paper cut.
(痛っ! 紙で切った。)Phil: Of course, today.
(やっぱりな、今日だもんな。)Claire: Seriously? Is this part of the underwear prophecy? Aren’t you being a little dramatic?
(本気? それもパンツの予言の一部ってわけ? ちょっと大げさなんじゃない?)Modern Family Season9 Episode3 (Catch of the Day)
Of course, today. は「よりによって今日か」というぼやきで、悪いことが起きると決めつけている気持ちが短い言葉に表れています。
クレアの prophecy は「予言」という重い語で、それを下着と組み合わせることで冗談めかしています。Aren’t you being a little dramatic? は「ちょっと大げさじゃない?」と、相手の反応の大きさを指摘する形です。being を入れた進行形にすると、「今のあなたは」と一時的なふるまいを指す響きになり、人柄そのものを責める言い方より角が立ちにくくなります。
「connect the dots」と「coincidences do happen」
フィルの身に起きることについて、クレアは回想のあとでこうも語ります。
Claire: Little bit harder to connect the dots on that one.
(あれはさすがに、点と点をつなげるのはちょっと難しいかな。)Claire: But coincidences do happen.
(でも、偶然って起きるものだしね。)Modern Family Season9 Episode3 (Catch of the Day)
connect the dots は、点を線で結んで絵を完成させる子どもの遊びから、「ばらばらの情報を結びつけて全体像をつかむ」という意味で使われます。ここでのクレアは、出来事どうしを結びつけるのは難しいと言ったうえで、それを偶然という言葉で受け止めています。
続く coincidences do happen の do は、動詞を強調する助動詞です。Coincidences happen. でも意味は通じますが、do が入ると「偶然って、実際に起きるものなんだから」と、起きたこと自体は認めつつ理由づけには乗らない響きになります。Mistakes do happen.(ミスは誰にでもあるものだよ。)のように、相手を責めずに事実を受け止める場面にも応用できます。
否定する側にも、just a superstition と言い切る形と、coincidences do happen と幅を持たせる形があることが分かります。同じクレアの口から両方が出てくるので、場面に合わせて否定の強さを選ぶ様子も見えてきます。
まとめ|迷信をめぐる会話の英語
just a ridiculous superstition と否定し、Ridiculous? Let’s review. と言い返すやりとりに加えて、信じない側にも self-fulfilling や coincidences do happen のように強さの違う言い方があります。
フィルとクレアの掛け合いを観ながら、言い返し方と受け流し方の両方を拾ってみると、会話の幅が広がっていきます。
同じ回のほかのコラムでは、非を認めない相手との会話や、扱いの差の理由を聞く英語を取り上げています。


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