晴れの日の主役を持っていかれたら、英語で何と言う?|『モダンファミリー』S09E10で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 晴れの日の主役を持っていかれたら、英語で何と言う?|『モダンファミリー』S09E10で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第10話では、クレアが率いるジェイの会社が、国際的なクローゼットの展示会の最終候補に選ばれます。その晴れの日に、創業者のジェイと社長のクレアのあいだで、誰の功績なのかという小さなすれ違いが起きます。

自分が主役のはずの場面を人に持っていかれたときの一言と、相手の働きを認める一言は、どちらも言い方ひとつで角が立ちます。2人の会話から、その両方の言い回しを順に見ていきます。

目次

「Rock? Foundation?」感謝の言葉に自分の名前がないとき

最終候補入りを祝う会社の場で、クレアはスピーチをします。その中でクレアは、会社を支えてくれた人を our rock, our foundation(私たちの支え、私たちの土台)と呼び、ジョージーという人物の名前を挙げます。それを聞いたジェイの言葉がこちらです。

Jay: Rock? Foundation? Josie? Who is that?!
(支え? 土台? ジョージー? 誰だそれは?!)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)

rock は「岩」から転じて、どんなときも揺るがない支えになる人を指します。You’re my rock.(あなたは私の心の支えだ。)のように、家族や友人への感謝の場面でもよく耳にします。foundation は「土台」「基礎」で、組織の出発点を築いた人や物事を表すときに使います。

ジェイの台詞は、相手の言葉を疑問の調子で一語ずつ繰り返し、最後に Who is that?! と問い返す形です。言葉そのものを繰り返すことで、「その呼び名は自分のことではなかったのか」という驚きがにじむ言い方と読み取れます。英語では、聞き捨てならない言葉を Rock? のように短く繰り返すだけで、驚きや不満を伝えられます。

その後ジェイは、その場の全員に向けて As founder of this company(この会社の創業者として)と切り出し、自分の歩みを紹介する映像まで用意していました。As ~ of … は「〜の立場として」と肩書きを名乗ってから話し始める形で、スピーチの冒頭でよく使われます。

「let me have my day」と「make it all about ~」で主役を取り戻す

ジェイの映像を見たあと、クレアはその日のことをこう振り返ります。

Claire: He just couldn’t let me have my day.
(私の晴れの日を、そっとしておいてくれなかったのよ。)
Claire: He had to make it all about him.
(全部自分の話にしなきゃ気がすまないの。)
Claire: It was disgusting.
(ほんと、うんざり。)
Claire: Although the scene of him playing his father denying him a startup loan? Surprisingly powerful.
(でも、自分の父親役を演じて、自分への起業資金の融資を断る場面? あれは意外とぐっときた。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)

let me have my day は「今日くらい私を主役にさせて」という意味で、my day が誕生日や受賞の日など「自分の晴れの日」を指します。make it all about ~ は「何でも〜の話にしてしまう」で、Why do you always make it all about you?(なんでいつも自分の話にするの?)のように、話題や注目を独り占めする相手への不満を表します。

クレアは不満を言い切ったあとで、映像の一場面だけは認めています。不満と評価を並べる組み立ては、本音を言いながら相手を全否定しない言い方として参考になります。

ジェイに直接伝えるときのクレアは、言い方を少しやわらげます。

Claire: So, that was a fun movie, Dad.
(それで、楽しい映画だったわ、パパ。)
Claire: Kind of made it all about you, though.
(ちょっと自分の話ばっかりだったけどね。)
Jay: Nonsense.
(ばかを言え。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)

先にほめ言葉を置き、Kind of ~, though. で苦言を後ろに足す組み立てです。kind of は「ちょっと」とぼかす働き、文末の though は「〜だけどね」と軽く付け足す働きをします。対するジェイの Nonsense. は「ばかな」「そんなことはない」と一語で否定する返しで、相手の指摘をまともに取り合わないときの言い方です。

「Do you know how long ~?」と功績を認める言葉

子どもたちの商売をめぐる言い合いを経て、ジェイは自分と会社の長い関わりを持ち出します。

Jay: Do you know how long I’ve been with this company? Seven presidents.
(俺がこの会社にどれだけいると思ってる? 大統領が7人代わったんだぞ。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)

Do you know how long I’ve been ~? は答えを求める質問ではなく、「どれだけ長いか分かっているのか」と経験の長さを強調する言い方です。期間を年数ではなく大統領の人数で数えるところに、ジェイらしい言い回しが出ています。クレアは、その話はもう映像で見たと返します。

2人の言い合いはしばらく続き、やがてジェイに向けて、こんな言葉が出てきます。

Claire: Dad, if it weren’t for you, we wouldn’t be where we are today.
(パパがいなかったら、今の私たちはなかった。)
Claire: All of your hard work laid the foundation for our success.
(パパの努力が、私たちの成功の土台を築いてくれた。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)

if it weren’t for ~ は「〜がなかったら」という仮定の形で、後ろの we wouldn’t be where we are today と組み合わせると「今の私たちはない」という感謝の決まった言い回しになります。lay the foundation for ~ は「〜の土台を築く」です。スピーチでほかの人に向けられた foundation が、ここではジェイの働きを指す言葉として使われています。

まとめ|主役の座と功績を言葉にする英語

let me have my day や make it all about ~ で晴れの日を取られた気持ちを伝え、Kind of ~, though. で苦言をやわらげ、if it weren’t for you や lay the foundation for ~ で相手の働きを認める流れを見ました。

『モダンファミリー』の親子のやりとりを観ていると、同じ「功績」をめぐる英語にも、ぶつかる言い方と歩み寄る言い方があることが見えてきます。

同じ回のほかのコラムでは、子どもたちの靴の商売をめぐる英語や、家の弱点を前向きに伝える英語も取り上げています。

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