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『モダンファミリー』シーズン9第10話では、自分の不動産会社を始めたフィルが、初めての売買をまとめようと奮闘します。ところが売りたい家には気がかりな噂があり、買い手はなかなか決めきれません。
売り手が家の弱点をどう言い表すかは、言葉の選び方がそのまま印象を左右する場面です。迷う相手への声かけ、弱点の言い換え、欠陥を疑われたときの否定の3つを、フィルの台詞から順に見ていきます。
「cold feet」と「address your concerns」で迷う買い手に向き合う
フィルは、今の状況をこう振り返ります。
Phil: My new real-estate company is this close to its first sale.
(俺の新しい不動産会社は、初めての売買まであと一歩なんだ。)
Phil: A sale we really need! Not just to prove my old partners wrong, but also to pay the bills.
(どうしても必要な売買だ! 前のパートナーたちを見返すためだけじゃなく、生活費を払うためにもね。)
Phil: Unfortunately, my client has developed a case of cold feet.
(あいにく、お客さんが尻込みし始めちゃってね。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)
this close to ~ は「〜まであとこれだけ」と、残りのわずかな距離を強調して「〜まであと少し」を表します。prove ~ wrong は「〜が間違っていたと証明する」、つまり「見返す」です。pay the bills は文字どおりの請求書だけでなく、「生活費をまかなう」の意味で広く使われます。フィルの台詞の Not just to ~, but also to ~ は「〜のためだけでなく〜のためにも」と、理由を2つ並べる形です。
get cold feet は「足が冷える」から、直前になって怖じ気づく様子を表す言い回しです。フィルはこれを develop a case of cold feet と、病気にかかったような言い方で表しています。結婚式の前の迷いにもよく使われる表現です。
その買い手に対して、フィルはグロリアを紹介します。
Phil: Oh, this is Gloria.
(あ、こちらがグロリアです。)
Phil: She’ll be addressing your concerns.
(ご心配な点には、彼女が対応いたします。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)
address は「話しかける」のほかに「問題に取り組む」という意味があり、address someone’s concerns で「相手の心配ごとに対応する」になります。接客や会議で、不安を受け止める姿勢を示す丁寧な言い方です。
「no dumps」と「fixer-uppers」で弱点を言い換える
家にまつわる幽霊の話が、買い手の不安の種になっていきます。買い手のグラハム夫人は、フィルにこう尋ねます。
Mrs. Graham: Is there something you’re not telling me about this house?
(この家について、私に話していないことがあるんじゃない?)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)
Is there something you’re not telling me? は「何か隠していない?」と、相手の説明に抜けがないかを確かめる聞き方です。後ろに about ~ を足すと、何についての話かを絞り込めます。売り手の側から見れば、弱点を聞かれる前に伝えておくかどうかが問われる一言でもあります。
買い手の不安が下がるどころか上がっていると気づいたフィルは、グロリアに言い方を工夫してほしいと頼みます。
Phil: How about this? Just just spin it a little.
(こうしよう。ちょっとだけ、うまく言い換えてくれ。)
Gloria: What are you asking me to do?
(私に何をしろって言うの?)
Phil: In real estate, there are no dumps.
(不動産の世界に、ぼろ家なんてものはない。)
Phil: There are fixer-uppers.
(あるのは、手を入れがいのある家だ。)
Phil: A small house is cozy.
(小さい家は、こぢんまりして居心地がいいんだよ。)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)
dump は「ごみ捨て場」から転じて、荒れた場所や古びた家を見下して言う語です。fixer-upper は fix up(修理する、手を入れる)に由来し、「手直しが必要な家」を前向きに言う不動産の言葉です。同じ古い家を指していても、dump には見下す響きが、fixer-upper には手直しの余地を感じさせる響きがあります。
| 弱点 | 遠回しな言い方 | 伝わる印象 |
|---|---|---|
| 古くて傷んでいる | fixer-upper | 手を入れれば良くなる |
| 狭い | cozy | こぢんまりして居心地がいい |
同じ家を指していても、語の選び方で受ける印象が変わることを、フィルは短い2文で示しています。cozy は本来「暖かくくつろげる」という意味で、ここでは狭さを居心地のよさとして言い表しています。
「faulty wiring」と「I would never ~」で欠陥を否定する
後の場面で、フィルとグロリアのあいだで、壁が温かいという話になります。その直後のやりとりがこちらです。
Phil: Oh!
(うわっ!)
Gloria: What was that?
(今の何?)
Gloria: Faulty wiring, Phil?!
(配線の不具合じゃないの、フィル?!)
Phil: How dare you? I would never sell a house with faulty wiring! You can hear that, right?
(失礼な! 配線に不具合のある家なんて、俺は絶対に売らないぞ! 今の、聞こえるよな?)
Modern Family Season9 Episode10 (No Small Feet)
faulty は「欠陥のある」で、faulty wiring(配線の不具合)は住まいのトラブルを話すときに出てくる組み合わせです。faulty brakes(ブレーキの欠陥)のように、機械や設備の不良にも使えます。
How dare you? は「よくもそんなことを」という強い抗議の言葉ですが、ここでは大げさな抗議として使われています。続く I would never ~ は「私なら絶対に〜しない」と、自分の信条として否定する形で、売り手としての誇りを示す言い方になっています。最後の You can hear that, right? で、2人とも何かの音を聞いていることを確かめています。文末の right? は「〜だよね?」と相手に同意を求める、短い確認の形です。
壁の中にいたのは、蜂でした。家の弱点を言い換える言葉も、欠陥を否定する言葉も、売り手の立場から語られている点が共通しています。
まとめ|売り手の言葉で家の印象を変える英語
get cold feet や address your concerns で迷う買い手に向き合い、fixer-upper と cozy で弱点を言い換え、faulty wiring を I would never ~ で否定する流れを見ました。言葉の選び方で家の見え方が変わる様子が分かります。
『モダンファミリー』でフィルの営業トークを追いかけると、ものの印象を言葉で動かす英語に気づけます。
同じ回のほかのコラムでは、子どもたちの靴の商売や、晴れの日の主役をめぐる英語も取り上げています。


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