海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
家族や身近な人の持ち物や趣味を、ことあるごとに冷やかされ続けた経験はありませんか。
そんなときの「ずっと目の敵にされている」という感覚を表す「gun for」を、『モダンファミリー』シーズン4第6話、フィルのストリートストライダーをめぐって家族が次々に言葉を投げ合う場面から、一緒に見ていきましょう。
「gun for」の意味とニュアンス
gun for
意味:(人を)狙う・目の敵にする、(地位や賞を)手に入れようと狙う
gun for は、ある人や物に狙いを定めて追いかける動きを表す表現です。gun は名詞では「銃」ですが、ここでは動詞として「銃を向ける」ような動きを表し、for が「〜をめざして」という向かう先を示します。銃口を標的へ向ける姿が、そのまま「狙いを定める」という意味につながっています。
目的語が人のときは、「その人をやっつけよう、失脚させよう」と狙うという敵対的な意味になります。目的語が地位や賞のときは、「それを手に入れようと本気で狙う」という意味です。同じ gun for でも、目的語が何かで、目の敵にするのか、手に入れようとするのかが分かれます。
日本語の「狙う」は中立的に使えますが、gun for を人に向けると、敵意や競争心がはっきり出ます。特定の相手を「標的にしている」と感じたときの言い方として、覚えておくと便利です。逆に、地位や賞に向けて使うと、努力や意欲を表す前向きな響きになります。
【ここがポイント!】
- 「gun for」の核は、銃口を標的に向けるように、狙いを定めて追う動き
- 目的語が人なら「目の敵にする」、地位や賞なら「手に入れようと狙う」で意味が分かれる
- have been gunning for の形にすると、「ずっと狙い続けてきた」という継続が表せる
『モダンファミリー』S04E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィルが「俺のストリートストライダーの何がそんなに気に入らないんだ?」と問いかけると、アレックス、ルーク、クレアが順に反応します。最後にフィルが、クレアの挙げたパンツを「君が最初の日からずっと目の敵にしてきたもの」だと言い返します。その言い返しに gun for が使われているのが見せ場です。
Phil: What’s, uh, what’s your beef with my streetstrider?
(なあ、俺のストリートストライダーの何がそんなに気に入らないんだ?)Alex: Even I think it’s nerdy, and I’m fluent in elvish.
(エルフ語がペラペラの私でも、それはオタクっぽいと思うわ。)Phil: It’s not nerdy. Luke, back me up.
(オタクっぽくなんかないぞ。ルーク、味方してくれ。)Luke: I hope you mean into the garage, because I have friends on this street.
(ガレージの中に、って意味だといいんだけど。だってこの通りには友達がいるんだから。)Claire: Honey, you finally found something less cool than those pants that zip off into shorts.
(ねえ、あなた、ついに見つけたわね。ジップで外すと短パンになるあのパンツより、かっこ悪いものを。)Phil: My shants, which you have been gunning for since day one.
(俺のションツ(shorts と pants を合わせたフィルの言い方)だぞ。君が最初の日からずっと目の敵にしてきたやつだ。)Modern Family Season4 Episode6 (Yard Sale)
シーン解説と心理考察
フィルの問いかけに対して、アレックスは自分の得意分野を引き合いに出しながら「オタクっぽいと思う」と答えます。フィルが否定して味方を求めても、ルークの返しは「ガレージの中に、って意味だといいんだけど」で、back me up を車をガレージにバックで入れることに取ったダジャレになっています。頼みにそのまま乗る様子はありません。フィルの持ち物に対して、家族の反応が次々に否定的な方向へ重なっていく流れです。
クレアの言葉は、ストリートストライダーを「ジップで外すと短パンになるパンツ」よりかっこ悪いものと位置づけています。ここで、あのパンツが比べる基準として出てくる点が見どころです。フィルはすぐにそのパンツを「ションツ」と呼び、クレアが最初の日から目の敵にしてきたものだと言い返します。
フィルの言葉には、クレアが持ち出したパンツを、自分への長年の攻撃の証拠として受け止め直す動きが表れています。have been gunning for since day one と現在完了進行形を使うことで、今日の一言だけでなく、ずっと狙われ続けてきたという積み重ねをフィルが訴えています。クレアの挙げた材料をそのまま切り返しに使う、という会話の温度の変化が伝わってきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
gun(銃)を構えて、標的にぴたりと照準を合わせる姿を思い浮かべましょう。標的が「人」なら目の敵にして狙い続け、標的が「地位や賞」なら手に入れようと狙い定める、と目的語で意味が決まります。
フィルの言い分では、クレアがフィルのパンツを最初の日から標的にしてきた、と考えると、have been gunning for の「ずっと狙い続けている」感じがつかめます。銃口が一度向いたら動かない、という絵を重ねておくと、現在完了進行形の継続のニュアンスまで一緒に頭に残ります。
例文で覚える「gun for」
人を狙う場合と、地位や賞を狙う場合の両方を、3つの例文で確認していきましょう。
I think my boss has been gunning for me since I missed that deadline.
(あの締め切りに間に合わなかった時から、上司は私を目の敵にしている気がする。)
職場での人間関係の愚痴を話す場面です。gun for のあとに人(me)が来ると、「標的にされている」という敵対的なニュアンスになります。
Everyone on the team is gunning for the top spot this year.
(今年はチーム全員が首位を狙っている。)
チームの目標を語る場面です。目的語が the top spot のように地位や順位のときは、敵意ではなく「手に入れようと狙う」という意味になります。
A: Why does he keep criticizing my ideas?
B: He’s been gunning for your job since spring.
(A:どうして彼は私の案ばかり批判するんだろう?)
(B:春から彼は君のポジションを狙ってるんだよ。)
同僚の言動の理由を推測する会話です。since spring のような期間を添えると、狙いが続いてきた様子が伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
go after
((人・物を)追いかける、狙う)
go after は、目標や人を追いかけて手に入れようとする、幅広い言い方で、好意的にも敵対的にも使えます。gun for は、敵対的な標的として、またはポジションなど競争で狙う場面に寄った言い方です。
have it in for someone
((人)に恨みを持っている)
have it in for someone は、相手への恨みや悪意を前提にした言い方です。gun for は、その人を狙って追い落とそうとする行動面に焦点があります。
be out to get someone
((人)をやっつけようとしている)
be out to get someone は、相手に害を与えようとしている状態を言います。gun for は、狙う対象が人以外の地位や賞にも広がる点が違います。
Note|gun forの目的語で変わる意味と、have been gunning forの形
gun for は、目的語に何を置くかで意味が変わる表現です。使い方の型を整理しておくと、場面ごとの意味を取り違えずにすみます。
目的語が人のときは、「その人を倒そう、追い落とそう」と狙う意味になります。He is gunning for me.(彼は私を狙っている)のように使い、狙われる側の緊張感が出ます。目的語が地位や賞のときは、She is gunning for the title.(彼女はタイトルを狙っている)のように、手に入れようと本気で狙う意味です。この場合は、相手を敵視する意味は含まれません。gun は短母音と子音字で終わる語なので、gunning のように語尾が変わるときは n を重ねて書く点も、綴りとして押さえておくと安心です。
今回のセリフ「My shants, which you have been gunning for since day one.」は、have been gunning という現在完了進行形と、since day one(最初の日から)が組み合わさった形です。この形は、過去に始まった動作が今も続いていることを表し、「最初の日からずっと狙い続けている」という長い時間の流れを一言で言えます。また、which の先行詞 My shants が gun for の目的語にあたり、for のあとの目的語が前に出た形になっています。
型を知っておくと、gun for を聞いたときに、誰が何を狙っているのかを落ち着いて読み取れます。
まとめ|「ずっと狙われてきた」を一言で
gun for は、人を目の敵にする、地位や賞を手に入れようと狙う、という意味を持つ表現です。目的語が人か、地位や賞かで、敵対的なのか、目標に向かって本気なのかが分かれます。
have been gunning for のように現在完了進行形にすると、「最初の日からずっと」という長い狙いも表せるので、職場の愚痴からスポーツの目標まで、幅広い場面で使えます。
クレアの挙げたパンツを逆手に取ったフィルの切り返しには、家族の言葉を受けても言い返そうとする様子が表れていました。狙う側、狙われる側、どちらの視点でも使えるので、表現の引き出しに加えてみてください。


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