「need some space」の意味と使い方|『モダンファミリー』S06E13で学ぶ英会話

「need some space」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

家族や友人のことは大切に思っているのに、少しだけひとりの時間がほしい、と感じる日があります。

そんな気持ちを角を立てずに伝えられる「need some space」を、『モダンファミリー』シーズン6第13話の後半、フィルとルークが、アンディのことをきっかけに言葉を交わす場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「need some space」の意味とニュアンス

need some space
意味:少し距離を置きたい、ひとりの時間が必要だ

need some spaceは、人との間に、ほどよい距離やひとりの時間がほしいと伝える表現です。spaceは「空間」という意味ですが、この表現では、部屋の広さではなく、人と人との間のすき間を指しています。

相手を責める言い方ではないのが特徴です。「今は近づきすぎないでほしい」という気持ちを、やわらかく伝えられます。恋人、家族、友人といった、近い関係のなかで使われる表現です。

形は、need + some spaceです。I need some space.(少し距離がほしい)のように、自分が求める側の言い方になります。反対に、相手に距離を与える側の言い方はgive someone spaceで、She looked upset, so I gave her some space.(彼女は動揺しているように見えたから、そっとしておいた)のように使います。

シーンでは、seemed like you needed some spaceと、過去形の形で出てきます。「相手には少し距離が必要そうに見えた」という意味で、自分が距離を取った理由を説明する使い方です。見出しの現在形と同じ表現で、時制だけが違います。過去形では、needがneededになるだけで、some spaceの部分はそのままです。

【ここがポイント!】

  • 「need some space」の核は、人との間のすき間がほしいという気持ち
  • 相手を責めずに、距離を求める気持ちを伝えられる言い方
  • 自分が求めるならneed、相手に与えるならgive、と向きで使い分ける

『モダンファミリー』S06E13のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィルがルークに「どうかしたのか、相棒?」と声をかけると、ルークが「アンディがどうの」という不満を口にします。フィルが自分の行動の理由を説明するところが今回のフレーズで、その返しまで注目です。

Phil: Is something up, buddy?
(どうかしたのか、相棒?)

Luke: I said “No” one time. And suddenly it’s all “Andy this” and “Andy that.
(一回「いやだ」って言っただけなのに。急に「アンディがどうの」「アンディがこうの」ばっかりだ。)

Phil: Well, I didn’t mean anything by it. It just seemed like you needed some space, so I gave it to you. I get it. You’re at that age when you want to separate.
(いや、他意はなかったんだ。ただ、お前には少し距離が必要そうに見えたから、そうしたんだよ。わかってるさ。離れたくなる年頃なんだよな。)

Luke: Yeah, I separate from you, not the other way around. Maybe I don’t want to do dumb stuff with you all the time, but That doesn’t mean you get to replace me.
(うん、離れるのは僕のほうで、逆じゃないよ。父さんとしょうもないことをいつもやりたくないかもしれないけど、それは僕の代わりを見つけていいって意味じゃない。)

Modern Family Season6 Episode13 (Rash Decisions)

シーン解説と心理考察

フィルの「どうかしたのか、相棒?」は、様子をうかがう声かけです。ルークは、「一回『いやだ』って言っただけなのに」と、自分が断ったことを先に挙げます。そのあとに、「急にアンディがどうの、ばっかりだ」と続けます。断ったことと、アンディの話が増えたことが、ルークの中で結びついていることが伝わってきます。

フィルはこれに対して、「他意はなかった」と説明し、続けてneeded some spaceを使います。「お前には少し距離が必要そうに見えたから、そうしたんだよ」という、自分の行動の理由です。距離を置いたのは相手のためだった、という筋立てで、seemed likeが「そう見えた」という推測の形を作っています。

そのあとのフィルの「離れたくなる年頃なんだよな」は、ルークの状態をまとめる言葉です。ところがルークは、「離れるのは僕のほうで、逆じゃない」と返します。距離を取るのは自分の側であって、フィルの側が離れていくことではない、という切り分けです。

さらにルークは、「父さんとしょうもないことをいつもやりたくないかもしれないけど、それは僕の代わりを見つけていいって意味じゃない」と続けます。距離がほしいという気持ちと、自分の代わりを見つけられてしまう寂しさが、一つの発言のなかに同居しています。need some spaceという言葉が、二人の受け止め方の違いを浮かび上がらせている場面です。

この流れでは、同じ「距離」という言葉が、二人の間で別の意味を帯びています。フィルにとってのspaceは、相手のために置いたゆとりです。ルークにとっては、自分で決めたい線引きであり、それを他の人に置き換えられることとは別の話です。一つの表現を挟んで、父と息子の見ている景色が少しずれている点が、この場面の見どころと言えます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

need some spaceは、二人掛けのソファに座る二人と、その間に置かれたクッションの絵で覚えられます。

座る二人が近づきすぎると、窮屈になります。そこで、間にクッションを一つ置くと、ほどよいすき間ができます。このすき間がspaceにあたります。自分から「クッションがほしい」と伝えるのがneed some space、相手のために黙って置いてあげるのがgive someone spaceです。

フィルが「距離が必要そうに見えたから、そうしたんだよ」と話したのは、クッションを置いてあげた側の説明でした。ルークの返しは、自分がクッションを置くかどうかを決めたいという、置く側の主張として読めます。この絵を頭に置いておくと、needとgiveの向きが、場面と一緒に思い出せます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「need some space」

人との距離を求める気持ちを表すneed some spaceを、3つの例文で確認していきましょう。

I love you, but I need some space right now.
(愛してるけど、今は少し距離が必要なの。)
恋人に距離を置きたいと伝える場面です。I love you, butと前に置くと、相手を責めていない気持ちが伝わります。

She looked upset, so I gave her some space.
(彼女は動揺しているように見えたから、そっとしておいた。)
相手を気遣って距離を取った経緯を語る場面です。give her some spaceの形で、与える側の言い方になります。

A: Are you mad at me?
B: No, I just needed some space after the meeting.
(A:私に怒ってる?)
(B:いや、会議のあとで少しひとりになりたかっただけだよ。)
誤解を解く会話です。justを添えると、深い意味はないという気持ちが加わります。

あわせて覚えたい関連表現

give someone space
(〜をそっとしておく)
give someone spaceは、相手に距離を与える側の言い方です。need some spaceが自分が求める側なのに対し、こちらは、相手のために距離を置く側になります。

keep one’s distance
(距離を保つ)
keep one’s distanceは、物理的にも心理的にも近づかない動作です。警戒して避ける意味にもなります。need some spaceは、相手を責めないやわらかい表現です。

take a step back
(一歩引く)
take a step backは、状況から少し離れて見直す意味が中心です。need some spaceは、人との距離に重点があります。

Note|need some spaceとgive someone spaceは、主語の向きが逆

need some spaceは、誰が誰に距離を渡すのかを、主語と目的語の向きで言い分けられる表現です。ここでは、作中の一文を使って、その向きを整理します。

フィルのIt just seemed like you needed some space, so I gave it to you.では、二つの文が並んでいます。前半のyou needed some spaceは、主語がyouで、距離を求める側の言い方です。後半のI gave it to youは、主語がIで、距離を与える側の言い方です。itは、前半のspaceを受けています。

つまり、need some spaceの主語は、距離を求める人になります。give someone spaceの主語は、距離を与える人で、目的語のsomeoneが、距離を受け取る人です。

日本語に訳す際は、spaceを「空間」とそのまま訳さずに、「距離」や「ひとりの時間」と訳し分けると、意味が通ります。

主語の向きを確かめる習慣があれば、自分が求めているのか、相手に与えているのかが、文の形から読み取れます。距離感を伝える場面で、言葉の選び間違いを防げます。

まとめ|相手との間に、ほどよいすき間を置く

need some spaceは、人との間に、ほどよい距離やひとりの時間がほしいと伝える表現です。相手を責めずに気持ちを伝えられるので、近い関係のなかで、やわらかく使えます。

give someone spaceとの主語の向きの違いを押さえておくと、自分が求める側なのか、与える側なのかを、言い分けられます。

フィルの説明とルークの返しは、同じ距離の話でも、受け止め方が食い違うことを見せていました。自分が距離を求めたくなる場面や、相手に距離を渡したくなる場面を思い浮かべながら、この表現を使ってみたい場面を探してみてください。

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