海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
冗談のつもりの一言を、相手が笑って流してくれるかどうか。人柄の評価にもなるその違いを、英語では短い一言で言い表せます。
そんなときに使える「take a joke」を、『モダンファミリー』シーズン8第11話で、フィルとグロリアが子どもたちへの接し方を話す場面から、見ていきましょう。
「take a joke」の意味とニュアンス
take a joke
意味:冗談を笑って受け流す、冗談が通じる
take a joke は、からかいや冗談を、怒ったり傷ついたりせずに、笑って受け止めることを表す表現です。take は「受け取る」、joke は「冗談」で、「冗談を受け取る」という組み立てが、そのまま意味になっています。
大事なのは、冗談を言う側ではなく、受け取る側の動きだという点です。冗談を言うなら tell a joke や make a joke を使います。take a joke は、飛んできた冗談を受け止める力や度量に目を向けた言い方です。
この表現は、can や can’t を前に置いて、人柄の評価として使うのが基本です。He can take a joke. なら、「彼は冗談が通じる」、He can’t take a joke. なら、「彼は冗談が通じない、冗談を真に受ける」という意味になります。相手を責める場面では、Can’t you take a joke? のように、疑問の形で使われます。
「身につける」という流れで使うこともできます。learn how to take a joke なら、「冗談を受け流すやり方を身につける」という意味です。受け止める側の力は、生まれつきの性格だけでなく、学んで変えられるものとして描かれます。
【ここがポイント!】
- 「take a joke」の核は、冗談を言う側ではなく、受け取る側の動き
- can や can’t を前に置いて、冗談が通じるか通じないかを評価する形
- learn how to のあとに置いて、受け流すやり方を身につける形
『モダンファミリー』S08E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィルのルークへの励まし方をめぐって、グロリアが意見を述べます。やり取りの終わりで、グロリアが息子のマニーに望むことを言い切る一言に、「take a joke」が出てきます。
Gloria: Maybe there is such a thing as too much cheerleading. You tell him he can do anything, and when he can’t, he feels like he’s disappointing you.
(応援しすぎ、ということもあるのかもしれないわね。あなたが「何でもできる」って言うと、できなかったときに、がっかりさせてるって感じちゃうのよ。)Phil: Luke knows I’d never be disappointed in him.
(ルークは、俺が彼にがっかりすることなんて絶対ないって分かってるさ。)Gloria: Does he? Luke is very sweet, but he doesn’t know a lot of things.
(本当にそう? ルークはとてもいい子だけど、分かってないことも多いのよ。)Phil: So I’m supposed to pump him up, but not so much that he’s afraid to let me down. It’s ironic that I’m struggling with this since my greatest cheerleading move was threading the needle. It’s when your seven cheermates make hoop arms
(つまり、俺は彼を盛り上げなきゃいけないけど、俺を失望させるのが怖くなるほどやりすぎちゃいけない、ってことか。皮肉だな、俺の最高のチアの技は「糸通し」だったのに、こんなことで悩んでるなんて。チア仲間7人で腕を輪にして……)Gloria: I don’t care. I just want Manny to learn how to take a joke.
(どうでもいいわ。私はただ、マニーに冗談を笑って受け流せるようになってほしいだけ。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
シーン解説と心理考察
グロリアは、応援しすぎ、ということもあるのかもしれない、と切り出します。there is such a thing as too much は、「〜しすぎ、ということもある」と、行き過ぎが実際にあり得ることを認める形です。そのうえで、「何でもできる」と言われ続けると、できなかったときに相手をがっかりさせたと感じてしまう、と理由を添えます。
フィルは、ルークは自分ががっかりしないと分かっている、と返します。グロリアは Does he? と疑問の形で確かめ、ルークはいい子だけれど分かっていないことも多い、と続けます。強く否定するのではなく、事実を一つずつ並べる言い方で、意見の違いが静かに示されています。
そのあとフィルは、盛り上げすぎずに励ますという難しさを口にし、自分の最高のチアの技の説明へ入っていきます。腕を輪にする話の途中で、グロリアが I don’t care. と入り、話題を切り替えます。続く台詞では、just が「ただ〜だけ」の意味で、望むことを一点に絞っています。want のあとに人と to learn を置く形は、「その人に身につけてほしい」という意味です。
ルークの励まし方の話から、マニーの話へ。話題が切り替わる一点に、take a joke が置かれています。受け流す力を「学ぶもの」として望んでいる点が、台詞の組み立てから読み取れます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
take を、キャッチャーミットで球を受ける動きに重ねて覚えます。飛んできた冗談を、ミットでパシッと受け止められれば、笑って返せます。取り損ねると、怒りや傷つきというケガになる、という像です。
can take a joke は「受け止められる」、can’t take a joke は「取り損ねる」と、セットで頭に置くと、評価の形をすぐに作れます。グロリアの台詞のように learn how to を前に付ければ、受け止め方を練習して身につける、という意味に広がります。ミットを構える練習、と考えると、learn how to と組み合わせる理由が見えてきます。
例文で覚える「take a joke」
友人の性格、冗談を言ったあとの会話、職場の雰囲気を例に、take a joke の形を見ていきます。
He can’t take a joke, so we try not to tease him.
(彼は冗談が通じないので、からかわないようにしています。)
友人の性格を話す例です。can’t を前に置くと、冗談を受け止められない人だ、という評価になります。
A: Sorry about the nickname.
B: It’s fine. I can take a joke.
(A:あだ名の件はごめんね。)
(B:大丈夫、冗談くらい平気だよ。)
冗談を言ったあとの会話です。can を使った一言で、気にしていないことをやわらかく伝えられます。
A good manager knows how to take a joke.
(よい上司は、冗談を笑って受け流すすべを知っています。)
職場の雰囲気づくりを話す例です。knows how to のあとに置くと、受け止め方を心得ている、という意味になります。
あわせて覚えたい関連表現
laugh something off
(〜を笑い飛ばす)
laugh something off は、からかいや失敗を、笑ってやり過ごす行為そのものを指します。take a joke は、冗談を受け止める力に目を向ける点が違います。
be a good sport
(負けやからかいを気持ちよく受け入れる人である)
be a good sport は、負けや不都合を気持ちよく受け入れる態度を表し、冗談に限りません。take a joke は、冗談やからかいの場面に絞った言い方です。
lighten up
(気楽に構える、肩の力を抜く)
lighten up は、深刻に受け止めすぎる相手に、気楽にするよう呼びかける言い方です。take a joke は、冗談を受け止める力そのものを指します。
Note|can と can’t で人柄の評価になる。take a joke の形と learn how to の言い方
take a joke は、前に置く語によって、評価にも、学ぶ目標にも変わります。グロリアの台詞の形を手がかりに、使い方を整理します。
まず、can と can’t を前に置く形です。He can take a joke. は「冗談が通じる人だ」という好意的な評価になり、He can’t take a joke. は「冗談を真に受ける人だ」という評価になります。同じ形を疑問文にした Can’t you take a joke? は、冗談を言った側が、反応した相手に向けて投げかける形です。聞き手を責める響きが出るので、使う相手と場面を選びます。
次に、learn how to を前に置く形です。how to のあとに動詞を置くと、「〜のやり方」という意味になり、learn と組み合わせると「やり方を身につける」になります。グロリアの台詞は、want のあとに人と to 不定詞を置く形で、「その人に〜してほしい」という意味です。冗談を受け流す力を、学んで変えられるものとして扱っています。性格を決めつける can’t の評価とは、見ている方向が違います。
日本語にするときは、「冗談が通じる」「冗談を受け流す」「ノリがいい」のように、場面に合わせて選びます。冗談を言う側ではなく受け取る側の話なので、「冗談を言う」と訳さないよう注意します。グロリアの台詞は、「冗談を笑って受け流せるようになってほしい」と訳すと、学ぶ目標としての意味が残ります。
前に置くのは can か can’t か。learn how to か。この二つの形を見分けると、take a joke が評価なのか目標なのかが分かります。
まとめ|冗談を受け止める力を、息子に望む一言
take a joke は、冗談を言う側ではなく、受け取る側の動きを表す表現です。can や can’t を前に置けば、人柄の評価になり、learn how to のあとに置けば、受け流すやり方を身につける目標になります。
日本語では、「冗談が通じる」「冗談を笑って受け流す」と場面に合わせて訳し分けます。冗談を言う意味の tell a joke とは向きが逆になる点を押さえておくと、取り違えを防げます。
ルークの励まし方を話し合うなかで、I don’t care. と話を切り替え、マニーのことを口にするグロリア。話題が切り替わる一点で、take a joke が、受け流す力を学んでほしいという望みを運んでいます。


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