海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
子育てで役割分担がいつも自分ばかり厳しい側に偏っていると感じて、思わず不満を漏らしたくなった経験はありませんか。
そんな気持ちの延長で語られる「walk someone down the aisle」を、『モダンファミリー』シーズン1第11話の終盤、負傷したミッチェルがキャメロンに子育ての役割分担について本音を打ち明ける場面から、一緒に見ていきましょう。
「walk someone down the aisle」の意味とニュアンス
walk someone down the aisle
意味:(結婚式で花嫁に付き添って)バージンロードを一緒に歩く
walk someone down the aisleは、結婚式で花嫁に寄り添いながら祭壇まで一緒に歩く行為を指す定番表現です。直訳すると「(人)を(someone)通路(the aisle)に沿って歩かせる(walk down)」となり、教会や式場の中央を進む、あの厳かな一場面をそのまま言い表しています。
伝統的には父親が務める役割として語られることが多く、「将来誰にこの役目を頼むか」という話題は、親としての存在感や信頼関係を象徴する言い回しとしても使われます。結婚式の準備や思い出を語る場面、誰が花嫁に付き添うかを話し合う場面などで頻繁に登場する表現です。
主語をwhoにした疑問文の形で使われることが多いのも特徴で、Who’s going to walk you down the aisle?のように尋ねること自体が、結婚式の話題を切り出す定番の切り口になっています。
【ここがポイント!】
- 「walk someone down the aisle」の核は、花嫁と並んで祭壇まで進む厳かな一歩
- 伝統的には父親の役目とされてきた、家族の信頼関係を象徴する言い回し
- 「誰に頼むか」という話題自体が、親子の絆の強さを測る物差しになる
『モダンファミリー』S01E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
くるぶしを負傷したミッチェルを気遣うキャメロンとの会話から始まる場面です。いつも自分ばかりが厳しい役を引き受けていることへの不満を、ミッチェルが打ち明けていきます。
Mitchell: I-I know it’s my issue, but she can’t grow up with one huggy, happy, cuddly dad and one frowny, lesson-teachy dad. Because guess which one she’s gonna ask to walk her down the aisle.
(これは僕の問題だって分かってるよ。でも、あの子がハグ魔で明るくて優しい父親と、しかめっ面で説教ばかりの父親の二人で育つわけにはいかないんだ。だって、将来あの子が誰にバージンロードを一緒に歩いてほしいと頼むと思う?)Cameron: Uh- Y- Okay, you know what? I can be the bad cop sometimes. I’ll always make her eat her vegetables.
(えっと……そうだな、分かったよ。僕だって時には厳しい役になれる。野菜はちゃんと食べさせるようにするよ。)Mitchell: Okay. Dentist.
(よし。歯医者ね。)Cameron: Deal.
(決まりだ。)Mitchell: Good.
(よかった。)Modern Family Season1 Episode11 (Up All Night)
シーン解説と心理考察
負傷したミッチェルが「これは僕の問題だって分かってるよ。でも、あの子がハグ魔で明るくて優しい父親と、しかめっ面で説教ばかりの父親の二人で育つわけにはいかないんだ」と切り出す言葉には、感情豊かなキャメロンとのバランスの中で、自分ばかりが「嫌われ役」になっているのではという不安がにじんでいます。「誰にバージンロードを一緒に歩いてほしいと頼むと思う?」という問いかけは、その不安を象徴的に言い表した一言です。
キャメロンは「分かったよ。僕だって時には厳しい役になれる。野菜はちゃんと食べさせるようにするよ」と歩み寄り、二人は「歯医者ね」「決まりだ」と役割分担を具体的に決めていきます。深刻になりかけた話し合いを、最後は軽い合意で着地させるこのやり取りからは、対等に子育てを分担しようとする二人のパートナーシップが伝わってきます。「野菜係」「歯医者係」と一つずつ役目を挙げていく流れそのものが、二人なりのバランスの取り方をよく表している場面です。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
(人)を(someone)通路(aisle)に沿って歩かせる(walk down)、という直訳イメージそのままに、結婚式で花嫁に寄り添いながら祭壇まで一緒に歩く様子を思い浮かべてみましょう。長い通路をゆっくり進むあの一歩一歩に、これまで積み重ねてきた信頼が込められています。
ミッチェルが心配していたのも、まさにその「一緒に歩く相手」に選ばれるかどうかでした。将来の一場面を思い浮かべることで、日々の役割分担の積み重ねが何につながっているのかが見えてくる、そんな覚え方ができる表現です。
例文で覚える「walk someone down the aisle」
結婚式の場面でよく使われるwalk someone down the aisleを、3つの例文で確認していきましょう。
Her father was too sick to walk her down the aisle, so her brother did it instead.
(父親は病気でバージンロードを歩けなかったので、代わりに兄が付き添いました)
結婚式の思い出を語る日常会話です。too…to構文を使うことで、事情があって役目を果たせなかった状況を自然に伝えられます。
It’s becoming more common for both parents to walk the bride down the aisle together.
(両親そろって花嫁のバージンロードに付き添うのが、最近では珍しくなくなってきています)
結婚式の慣習の変化を紹介する場面です。It’s becoming more common forの形で、社会的な傾向を語る表現として使えます。
A: Have you decided who’ll walk you down the aisle?
B: My mom and dad both will.
(A:誰にバージンロードを歩いてもらうか決めた?)
(B:両親どちらにも頼むつもり。)
結婚式の準備を相談する友人同士の会話です。whoを使った疑問文にすることで、役目を誰に頼むかという話題を自然に切り出せます。
あわせて覚えたい関連表現
give someone away
((結婚式で花嫁を)新郎に引き渡す)
walk someone down the aisleが「歩く行為」に焦点を当てるのに対し、give someone awayは花嫁を新郎に「引き渡す」という儀式的な役割に焦点がある表現です。
tie the knot
(結婚する)
tie the knotは結婚そのものを指す表現で、walk someone down the aisleのような結婚式中の一場面を切り取った表現ではありません。
best man / maid of honor
(新郎/新婦の付添人)
best manとmaid of honorは結婚式での「役割・立場」を指す名詞表現で、walk someone down the aisleのような動作を表す表現とは品詞も用法も異なります。
Note|「誰が花嫁に付き添うか」という慣習の重み
walk someone down the aisleという表現が結婚式の場面で繰り返し語られるのは、この役目が単なる形式以上の意味を持っているからです。
伝統的な結婚式では、花嫁の父親がこの役目を務めるのが一般的とされてきました。その背景には、花嫁を家族から新しい家庭へと「送り出す」という象徴的な意味合いがあります。長い通路を並んで歩くという行為そのものが、それまで重ねてきた親子の時間を最後にもう一度確かめる時間として機能しているとも言えます。近年では、両親そろって付き添う形や、母親や兄弟姉妹が務める形も見られるようになっており、この役目を誰が担うかという選択自体が、その家族なりの関係性を映し出す出来事になっています。父親が体調を崩していれば兄が代わりを務めることもあれば、育ててくれた両親どちらにも頼むという選択をする人もいます。決まった正解があるわけではなく、誰に頼むかを決める過程そのものに、日頃の関わり方がそのまま自然と反映されていくものです。
今回のシーンでミッチェルが不安を口にしたのも、この役目が単なる形式ではなく、積み重ねてきた関係性の結果として選ばれるものだと理解していたからでしょう。だからこそ、日々の役割分担のバランスに敏感になっていたとも読み取れます。
誰に頼むかを尋ねること自体が、これまでの関わり方を振り返るきっかけにもなります。一つの儀式の中に、家族としての歩みそのものが重ねられているのかもしれません。
まとめ|積み重ねた時間の先にある、一緒に歩く一歩
walk someone down the aisleは、結婚式で花嫁に付き添いながらバージンロードを一緒に歩くことを表す、結婚式にまつわる定番の表現です。
誰がこの役目を務めるかという話題を通じて、家族の慣習の変化や、それぞれの家庭ならではの関係性を語ることもできる、奥行きのある言い回しでもあります。
役割分担への不安を率直に打ち明け合い、最後は軽い合意で着地させたミッチェルとキャメロンのやり取りからは、対等な子育てを目指す二人の姿勢が伝わってきます。将来の一場面を思い描きながら、表現の引き出しに加えてみてください。


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