「wrap one’s head around something」の意味と使い方|『モダンファミリー』S03E20で学ぶ英会話

「wrap one's head around something」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

すぐには受け入れがたい状況を、頭の中で何とか整理しようとした経験はありませんか。

そんなときにぴったりの「wrap one’s head around something」を、『モダンファミリー』シーズン3第20話の後半、マールとジェイが息子たちについて率直に語り合う場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「wrap one’s head around something」の意味とニュアンス

wrap one’s head around something
意味:(難しいことを)理解する、飲み込む、把握する

wrap one’s head around somethingは、複雑だったり、すぐには受け入れがたい事実を頭の中で整理し、理解しようとするプロセスを表す表現です。wrapは「巻きつける」、headは「頭」という単語の組み合わせで、直訳すると「何かの周りに頭を巻きつける」という形になります。日常の困りごとから込み入った説明まで、幅広い場面で使われる口語的な言い回しです。

この表現は、予想外の知らせを消化しようとする場面や、新しい状況に適応しようとする場面でよく使われます。can’tのような否定形と一緒に使われることが多く、「どうしても理解が追いつかない」という気持ちを表すときに向いている言い回しです。

すぐには飲み込めない複雑な出来事や、気持ちの整理が必要な場面によく合う表現です。

【ここがポイント!】

  • 「wrap one’s head around something」の核は、頭で全体を包み込んで理解しようとするイメージ
  • すぐには受け入れがたい事実を消化しようとする場面で使われる表現
  • can’tなどの否定形と組み合わせて使われることが多いのがコツ

『モダンファミリー』S03E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

マールの息子キャメロンとジェイの息子ミッチェルはパートナー同士で、二人の父親であるマールとジェイが、それぞれの受け止め方について率直に言葉を交わす場面です。マールが胸の内を打ち明けたことに、ジェイがどう応じるのか、そのやり取りに注目です。

Merle: Yeah. Yeah. I know that in my head. It’s just that it makes me feel a tiny bit better to think that the person he’s spending his life with is a tiny bit of a woman.
(ああ。ああ。頭では分かってるんだ。ただ、あいつが人生を共にしている相手が、ほんの少しでも女性らしいと思うと、少し気が楽になるんだよ。)

Jay: I get it. Every time I start to feel comfortable with this thing, some new part comes up I gotta wrap my head around.
(分かるよ。この件に慣れてきたと思うたびに、また新しい部分が出てきて、それを飲み込まなきゃならないんだ。)

Merle: Yeah, I guess we got no choice.
(ああ、仕方ないんだろうな。)

Jay: Yep. We got two sons, and they’re gay for each other.
(そうだな。俺たちには息子が二人いて、二人は同性同士で付き合ってるんだ。)

Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)

シーン解説と心理考察

マールは、息子キャメロンの相手であるミッチェルについて「少しでも女性らしい存在だと思うと気持ちが楽になる」と打ち明けます。ジェイは「分かるよ」と理解を示し、自分にも同じような戸惑いがあったことを認めます。

ジェイは「この件に慣れてきたと思うたびに、また新しい部分に向き合わなければならない」と語り、マールが「仕方ないんだろうな」と応じると、ジェイは「息子が二人とも、同性同士で付き合っている」という事実を改めて口にします。ここで描かれているのは、二人の父親がそれぞれの受け止め方に気づき、率直に言葉を交わしている過程そのものです。一度で片付く話ではなく、少しずつ言葉にしながら向き合っていく様子が、二人のやり取りから伝わってきます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

大きくて複雑な物のまわりに、両腕を伸ばしてぐるりと巻きつけ(wrap)、なんとか全体を抱え込もうとする様子を思い浮かべてみましょう。頭(head)でそれをやろうとするイメージが、「なんとか理解しようとする」という意味につながります。

ジェイが口にした「また新しい部分が出てきて、それを飲み込まなきゃならない」という一言も、慣れてきたと思うたびに新しい気づきが増えていく様子をそのまま言い表したものでした。慣れたと思うたびに新しく理解すべきことが出てくる、という状況にこの表現がぴたりとはまっています。何度も頭に巻きつけ直すようなイメージを持っておくと、この表現の粘り強さがより伝わってきます。

例文で覚える「wrap one’s head around something」

すぐには受け入れがたい状況を理解しようとする場面で使われるwrap one’s head around somethingを、3つの例文で確認していきましょう。

I still can’t wrap my head around how expensive rent has become.
(家賃がこんなに高くなったなんて、いまだに頭が追いつかない。)
物価の変化に驚く日常会話の場面です。stillという言葉が、時間が経ってもまだ理解が追いついていない様子を伝えています。

It took me a while to wrap my head around the new software system.
(新しいソフトウェアのシステムを理解するのに、しばらく時間がかかりました。)
新しいツールの導入について話すビジネスの場面です。took me a whileという表現が、理解に時間がかかったことを具体的に示しています。

A: Can you wrap your head around what happened yesterday?
B: Honestly, not yet.
(A:昨日起きたこと、頭の中で整理できた?)
(B:正直、まだできてないよ。)
衝撃的な出来事について話すカジュアルな会話です。Honestly, not yetという率直な返答が、まだ気持ちの整理がついていない状態を伝えています。

あわせて覚えたい関連表現

come to terms with something
((困難な状況などを)受け入れる)
wrap one’s head around somethingが知的な理解のプロセスに重点を置くのに対し、come to terms withは感情的な受容のプロセスに重点を置いた表現です。

get used to something
(何かに慣れる)
wrap one’s head around somethingが「理解しようとする」一時的な思考の動きを表すのに対し、get used toは時間をかけて慣れるという、結果に近い状態を表す言い方です。

make sense of something
(何かを筋道立てて理解する)
wrap one’s head around somethingが「難しくて頭がついていかない」というニュアンスを含むのに対し、make sense ofはより中立的に意味や筋道を理解することを指す言い方です。

Note|wrap(巻きつける)とhead(頭)が「理解する」を表す理由

wrapという単語は、もともと「巻きつける」「包む」という意味を持つ動詞です。布や紙で何かを包む場面、腕を何かに巻きつける場面など、物理的な動作を表すときに使われてきました。

その「巻きつける」という動作のイメージが、wrap one’s head around somethingという表現の中では、頭を使って物事を包み込むように理解しようとするプロセスの比喩として使われています。複雑な出来事の周りに頭を巻きつけて、その全体を抱え込もうとする感覚が、この言い回しの土台になっています。似た働きを持つcome to terms with something(受け入れる)という表現は、termsという「条件・折り合い」を表す語を使い、包み込むイメージではなく、折り合いをつけるという交渉に近いイメージを使っています。get used to something(慣れる)になると、usedという「使い慣れた」状態を表す語が使われ、理解のプロセスそのものよりも、時間をかけてなじんでいく結果に焦点が移ります。同じ「受け入れる・理解する」という意味でも、包み込むか、折り合いをつけるか、慣れていくかという比喩の違いが、それぞれの表現の焦点の違いを生んでいます。

このように、wrapとheadという二つの単純な単語の組み合わせは、頭という限られた場所で物事を包み込むように理解しようとする過程を、生き生きと言い表しています。マールとジェイが交わした会話も、すぐには整理しきれない気持ちに、少しずつ向き合おうとするやり取りだったと言えます。

構成語の意味をこうして分解してみると、理解が一度では終わらないという感覚が、より実感しやすくなります。

まとめ|少しずつ理解を広げていく一言

wrap one’s head around somethingは、頭を使って物事を包み込むように理解しようとする過程を表す表現です。理解が一足飛びに進まないときこそ、この言い回しがしっくりくる場面です。

予想外の知らせや新しい状況に向き合うとき、すぐには飲み込めない気持ちを言葉にする一言として使うことができます。

マールとジェイが率直に交わした言葉には、慣れてきたと思うたびに新しい部分と向き合わなければならないという、理解が少しずつ広がっていく過程が表れていました。そんな気持ちに出会ったとき、表現の引き出しに加えてみてください。

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