海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第19話から、console と comfort の違いを取り上げます。落ち込んだエイミーをどう慰めればいいのか分からないシェルドンが、レナードとペニーに相談する場面で、この2語が続けて出てきます。
どちらも辞書では「慰める」と訳されることが多い語ですが、何を指しているのかには差があります。台詞の中での使われ方から、その差を確かめていきます。
「console」は慰めようとする働きかけ
シェルドンは、エイミーを慰めようとしたがうまくいかなかったと打ち明けます。
Sheldon: I tried to console her, but nothing seemed to work.
(彼女を慰めようとしたが、何も効果がなかったようだ。)Leonard: Okay, when you say you consoled her, what exactly does that mean?
(えっと、慰めたって言うけど、具体的には何をしたの?)Sheldon: I took a walk, I came back, she was still upset, so I came here.
(散歩をして、戻ってきたら、彼女はまだ動揺していた。だからここに来た。)TBBT Season12 Episode19
console は、悲しんだり落胆したりしている人に、言葉や行動で働きかけて気持ちを軽くしようとする動詞です。やや改まった響きがあり、try to console のように「慰めようとする」という形でよく使われるとされます。シェルドンの台詞も、I tried to console her と「試みた」ことを言っています。
ところがレナードが中身を聞くと、シェルドンがしたのは散歩をして戻ってきたことだけでした。console は働きかけの動作を指す語なので、何をしたのかを聞き返されると、その中身が問われます。ここでは、それがほとんど空っぽだったという点が笑いどころです。
名詞は consolation(慰め)で、consolation prize(残念賞)のように「負けた人への慰め」の意味でも使われます。console が「落ち込んだ相手」と結びつきやすい語であることが、この派生語からも分かります。
シェルドンは続けて I don’t know how to help.(どうすれば助けになるのか分からない)と言い、レナードは Maybe you can’t.(できないのかもね)と答えています。
「comfort」は安らぎそのものも指す
その後、ペニーが「エイミーがいつもあなたの世話をしているから、どうすればいいか分からないのかも」と言うと、シェルドンは独自の結論を出します。
Penny: Sheldon, maybe you don’t know what to do because Amy’s always taking care of you.
(シェルドン、エイミーがいつもあなたの面倒を見てるから、どうしたらいいか分からないのかもよ。)Sheldon: Of course. And by calming down, I’ve taken away the one thing that gives her comfort: caring for me.
(そうか。僕が落ち着いたことで、彼女に安らぎを与える唯一のものを奪ってしまったのだ。僕の世話をすることだ。)Penny: That’s what you heard?
(そういうふうに聞こえたの?)TBBT Season12 Episode19
ここでの comfort は名詞で、「安らぎ・心の支えになるもの」を指しています。give someone comfort は「〜に安らぎを与える」です。comfort は動詞でも「慰める」と使えますが、console と違って、人の言葉だけでなく物や習慣、そばにいることそのものが安らぎになる、という広い意味を持ちます。comfort food(ほっとする食べ物)や comfortable(快適な)と同じ仲間の語だと考えると、イメージしやすい語です。
シェルドンは「世話をすることがエイミーの安らぎ」と受け取りましたが、ペニーの返しを見ると、ペニーの意図とは違う解釈だったことが分かります。
| 語 | 指しているもの | 劇中での形 |
|---|---|---|
| console | 落ち込んだ人への働きかけ | I tried to console her |
| comfort(名詞) | 安らぎ・支えになるもの | gives her comfort |
| comfort(動詞) | 慰める・ほっとさせる(広い意味) | (劇中では名詞のみ) |
この話の前半には、シェルドンが自分の苛立ちについて self-soothe(自分で自分を落ち着かせる)という語を使う場面もあります。また後の場面で、シェルドンはエイミーに I know you’re upset, but I don’t know how to make it better.(動揺しているのは分かるが、どうすればよくなるのか分からない)と率直に伝えています。
まとめ|「働きかけ」の console、「安らぎ」の comfort
今回は、落ち込んだ人に働きかける console と、名詞で安らぎそのものも指せる comfort の違いを見てきました。誰が何をするのかを言いたいのか、何が心の支えになるのかを言いたいのかで、選ぶ語が変わります。
うまく慰められないシェルドンの不器用さが、語の違いを際立たせている場面です。次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
同じ回の別の切り口は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。


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