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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン6 第19話に登場する、気遣いへの決まり文句を額面通りの意味で切り返すやりとりです。ハワードとバーナデットの家での夕食会で、バーナデットが手間をかけて用意した手料理と、シェルドンがすでに持参していたテイクアウトが鉢合わせし、社交辞令のはずの一言が皮肉な応酬に変わっていく場面が描かれています。
気遣いへの決まり文句を額面通りに返す言い方から、隠していた事実が明るみに出て形勢が逆転する言い方まで、順番に見ていきます。
気遣いへの決まり文句を、額面通りの意味で切り返す言い方
ハワードとバーナデットのアパートで開かれた夕食会。シェルドンとレナードが到着すると、バーナデットは手間をかけて作った手料理のことを切り出します。
Bernadette: Thanks. And, Sheldon, I know tonight’s the night you eat Thai food, so I went to the Asian market, got all the ingredients and made it from scratch.
(ありがとう。それとシェルドン、今夜はあなたがタイ料理を食べる日だって知ってたから、アジア食品店まで行って材料を全部揃えて、一から作ったのよ。)Sheldon: Oh, you shouldn’t have.
(ああ、そんなことをする必要はなかったのに。)Bernadette: Oh, it’s my pleasure.
(あら、喜んでやったことだもの。)Sheldon: No, you really shouldn’t have. I brought my own.
(いや、本当にする必要はなかったんだ。自分の分は持ってきたからね。)TBBT Season6 Episode19 (The Closet Reconfiguration)
you shouldn’t have は、贈り物や気遣いを受けた時に返す決まり文句で、本来は「そんなことしなくてもよかったのに」という感謝の裏返しです。バーナデットの Oh, it’s my pleasure. は、この決まり文句を素直に受け止め、喜んで手をかけたことを伝える自然な返し方だと分かります。
ところがシェルドンは、この定型句を字義通りの意味で使い直します。No, you really shouldn’t have. に続く I brought my own. で、感謝の言葉ではなく「本当に不要だった」という事実確認へと切り替えていく様子が伝わってきます。相手の好意を無下にするつもりはなくても、言葉の裏にある社交的な含みを読み取らないところに、このキャラクターらしさが表れています。
隠していた事実が明るみに出て、形勢が逆転する言い方
シェルドンの一言に、バーナデットは思わず事情を問いただします。
Bernadette: You stopped and got him takeout?
(途中でこの人のテイクアウトを買ってきたの?)Leonard: I had no choice. He kept kicking the back of my seat.
(仕方なかったんだよ。ずっと後ろから僕の座席を蹴ってきたから。)Bernadette: Sheldon, I’ve been cooking all day.
(シェルドン、私は一日中料理してたのよ。)Sheldon: Well, now don’t you feel silly.
(それなら、間抜けな気分になっただろう。)TBBT Season6 Episode19 (The Closet Reconfiguration)
You stopped and got him takeout? は、驚きと非難の両方を込めて事実を確認する疑問文です。責める気持ちが強いほど、主語を省かず具体的に問い詰める言い方になるところが見どころです。レナードの I had no choice. は、状況のせいで仕方なかったと弁明する定番の言い回しで、責任を自分から状況側へずらす働きをしています。
締めくくりのシェルドンの一言、Well, now don’t you feel silly. は、相手をやんわり茶化す時に使う修辞疑問文です。本来なら気まずくなるはずの場面で悪びれず突き放すように使われているところに、皮肉のつもりのない皮肉という奇妙な効果が生まれているのが分かります。
まとめ|決まり文句は、額面通りに返すと皮肉になる
気遣いへの決まり文句を額面通りに切り返す言い方と、隠れていた事実を問い詰める言い方を見てきました。you shouldn’t haveやI had no choiceのような表現は、社交辞令と本音の境目を意識すると、日常会話でも使い分けの幅が広がりそうです。
何気ない一言のやりとりの中に、キャラクターらしさが表れる回でした。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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