海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第17話、サンフランシスコの学会に向かう移動手段を巡る場面です。飛行機のほうが7倍早いと分かっていながら、多数決はあっさり覆り、一行は列車に乗り込みます。
なぜわざわざ時間もお金もかかる列車を選ぶのか、シェルドンが誇らしげに紹介する設備とあわせて見ていきます。
一票が通ってしまう、飛行機より不便な移動手段
出発前、4人は移動手段をめぐって短いやり取りを交わします。
Howard: Yeah, cool. Seven times as long as flying, and costs almost twice as much.
(へえ、いいね。7倍時間がかかって、値段もほぼ2倍だけどな。)Penny: Well, then why are you doing it?
(だったら、何でそれにするの?)Leonard: Well, we had a vote. Three of us voted for airplane, Sheldon voted for train, so we’re taking the train.
(まあ、投票で決めたんだ。3対1で飛行機だったのに、シェルドンの1票で列車になった。)TBBT Season2 Episode17 (The Terminator Decoupling)
Seven times as long as flying, and costs almost twice as much. という一言のとおり、時間もお金も不利だと分かった上で列車が選ばれています。3対1で飛行機が多数だったのに、結局は列車が採用されたのも見どころです。理由は劇中で明かされませんが、アメリカには Amtrak(全米旅客鉄道公社)による景観重視の長距離路線があり、移動を楽しむ層に選ばれることがあります。
名物路線として語られる車両とその設備
車内でシェルドンは、乗っている列車がどういうものかを力説します。
Sheldon: Gentlemen, this is the Coast Starlight, one of the great American trains operating on one of the classic American routes. On this side, you’ll see panoramic ocean vistas inaccessible to any other form of transportation, while on your side, you’ll be treated to 350 miles of CostCos, Jiffy Lubes, and cinderblock homes with above-ground pools.
(諸君、これはコースト・スターライト号だ。アメリカの名物路線を走る、名だたる列車のひとつだよ。こちら側からは、他の交通手段では見られないオーシャンビューが見える。そして君たちの側からは、350マイルにわたるコストコとジフィー・ルーブ、地上プールつきのブロック造りの家々が拝めるわけだ。)TBBT Season2 Episode17 (The Terminator Decoupling)
one of the great American trains operating on one of the classic American routes という紹介の仕方には、特定の路線を「名物」として語る言い回しが表れています。海側のオーシャンビューと、反対側のロードサイド風景(コストコやジフィー・ルーブ、コンクリートブロック造りの家々)の対比も、車窓の左右で景色がまったく違う長距離列車ならではの見せ方です。
展望車両という、移動中の社交スペース
続けて、車内の設備についても説明を加えます。
Sheldon: Interesting that you ask. The Coast Starlight recently added the refurbished Pacific Parlour Car. Built in 1956 and originally known as the Santa Fe Lounge Car, the lower level is a theater…
(それは興味深い質問だね。最近、改装されたパシフィック・パーラーカーが加わったんだ。1956年に建造され、もとはサンタフェ・ラウンジカーと呼ばれていた車両で、下段は劇場になっている…)Raj: Yeah-yeah, which way?
(はいはい、どっち行けばいいの?)Sheldon: and the upper level is a bar that offers wine tastings if you’re going as far as Portland.
(そして上段はバーで、ポートランドまで行く客にはワインテイスティングも提供されるんだ。)TBBT Season2 Episode17 (The Terminator Decoupling)
the refurbished Pacific Parlour Car は、下段が劇場、上段がワインバーという二段構えの展望車両として紹介されています。座席車両とは別に社交スペースを連結することがあり、列車旅らしい設備です。なお、建造年や旧称は劇中の紹介であり、現在とは運行状況が異なる可能性があるため、劇中の描写として扱っておくのが無難です。
まとめ|移動そのものを目的地にする列車旅
飛行機より不利だと分かっていながら列車を選ぶ場面には、車窓や車内設備を楽しむ長距離列車旅の性格が表れています。名物路線の紹介や、パーラーカーのような展望車両も、その性格を裏付けています。
同じエピソードのフレーズ記事やまとめとあわせて読むと、この回の列車旅の英語がより立体的に見えてきます。


コメント