「get it over with」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E10で学ぶ英会話

「get it over with」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

気が進まない用事を前に「もう、さっさと終わらせてしまいたい」と思った経験はありませんか。

その心境にぴったりの「get it over with」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン4第10話、Penny にある行動を促された Sheldon が、渋々ながら決心するランドリールームのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「get it over with」の意味とニュアンス

get it over with
意味:(気の進まないこと・嫌なことを)さっさと済ませてしまう、片付けてしまう

避けたい、面倒だ、気が重い、そんな物事を先延ばしにせず、早く終わらせて楽になりたいときに使う表現です。歯医者の予約、苦手な報告、気まずい謝罪など、「やりたくないけれど、やらねばならないこと」を対象にします。

ポイントは、ただ「終わらせる」のではなく「終わらせて解放される」という心理的なニュアンスを含むことです。嫌なことを抱えている状態から早く抜け出したい、という気持ちが言葉ににじみます。間に挟む語は it や this が定番で、get it over with / get this over with の語順が固定されています。Let’s get it over with(さっさと済ませよう)、I just want to get it over with(もう終わらせてしまいたい)のように、決心や願望とともに使われることが多い表現です。

【ここがポイント!】

  • ただ終えるのではなく「終わらせて解放される」気持ちがこもる表現
  • 対象は「気が進まないけれど、やらねばならないこと」が定番
  • get it over with の語順は固定、間に挟むのは it か this と覚えておくのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S04E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

Amy の様子の変化について Penny に相談していた Sheldon は、Penny から遠回しにある対処を促されます。気乗りしない様子を見せつつも、避けられないと悟った Sheldon が、覚悟を決めるのがこの場面です。

Penny: I’m suggesting there might be something you could do about Amy’s urges?
(あなたにできることが、何かあるんじゃないかって言ってるの。)

Sheldon: Well, I was hoping to avoid this. But I might as well get it over with.
(まあ、避けたかったんだが。もう、さっさと済ませてしまったほうがいいな。)

The Big Bang Theory Season4 Episode10(The Alien Parasite Hypothesis)

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シーン解説と心理考察

Sheldon の I was hoping to avoid this(避けたかった)という前置きが、get it over with の本質をそのまま映し出しています。気乗りしない、できれば触れたくない、けれど逃げられない、その諦めにも似た覚悟が一文に詰まっています。続く might as well(どうせなら〜したほうがいい)との組み合わせも絶妙で、「乗り気ではないが、いっそ片付けてしまおう」という消極的な決断のトーンを強めています。理屈で物事を処理しようとする Sheldon が、本人にとっては不本意な「対処」を義務のように引き受ける姿に、このキャラクターらしい生真面目さがにじむと言えます。嫌なことを前にした人間の心理を、get it over with という一語がすくい取っているのが伝わってきます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

肩に重い荷物を背負ったまま立っている自分を想像してみてください。get it over with は、その荷物を「えいっ」と頭の上を越えさせて(over)、後ろにどさっと下ろし、きっぱり手放す(with)動きです。over で「乗り越えて終わらせ」、with で「それと片を付ける」。背負っていた重さから解放される、あの身体的な軽さこそ、このフレーズの感触です。Sheldon が「避けたかったが済ませよう」と覚悟したのも、抱えていた重荷を下ろす瞬間でした。荷物を越えさせて手放す動作で、二つの前置詞の役割ごと覚えてしまいましょう。

例文で覚える「get it over with」

「やりたくないけれど、やらねばならないこと」を前にした場面で力を発揮します。3つの状況で感覚をつかみましょう。

I hate going to the dentist, but let’s just get it over with.
(歯医者は嫌いだけど、もうさっさと済ませちゃおう。)
気の進まない予定に踏み切る場面です。「嫌だけど終わらせて楽になりたい」という典型的な心理を表します。

If you have to apologize, get it over with before it gets more awkward.
(謝らなきゃいけないなら、気まずくなる前にさっさと済ませて。)
気まずい用事を先延ばしにしないよう促す場面です。早く片付けるほうが楽だ、という助言のニュアンスが出ます。

A: I’m dreading this presentation all week.
B: Just get it over with. You’ll feel so much better afterward.
(A:今週ずっとこのプレゼンが憂うつでさ。)
(B:さっさと済ませちゃいなよ。終わったらすごく楽になるから。)
友人を励ます会話です。get it over with が「終えて解放される」という前向きな後押しとして機能しています。

あわせて覚えたい関連表現

get something done
(〜を済ませる、完遂する)
物事を終わらせるという点で重なりますが、get something done は「やり遂げる」という達成寄りの中立的な表現です。get it over with にある「嫌なことから解放される」という心理的な含みはありません。

bite the bullet
(覚悟を決めてやる、歯を食いしばってやる)
つらいことや避けたいことに思い切って取り組む、という意味で近い表現です。get it over with が「早く終えたい」に重心があるのに対し、bite the bullet は「覚悟を決める瞬間」に焦点があります。

put off
(先延ばしにする)
get it over with とは逆方向の表現で「やるべきことを後回しにする」ことを指します。対になる表現として一緒に覚えておくと、「先延ばしにせず、さっさと済ませる」という対比で理解が深まります。

Note|なぜ over と with が重なるのか

get it over with を初めて見たとき、over と with という前置詞が2つ続く形に戸惑った人も多いのではないでしょうか。一見すると文法的に不自然に見えるこの構造には、それぞれの語が果たす役割があります。

まず get it over の部分は、「それ(it)を越えた状態にする」、つまり物事を終わった側へ送り出す、という意味を作ります。over には「終わって」という完了の感覚があり、The meeting is over(会議は終わった)の over と同じ働きです。ここに with が加わることで、「それと(with it)きっぱり片を付ける」という、対象との関係を断ち切るニュアンスが重なります。over だけでも「終わらせる」は表せますが、with を添えることで「それを抱えている状態から解放される」という心理的な決着が強調されるのです。つまり over が「完了」を、with が「対象との手切れ」を担い、二つが重なって「嫌なことを終わらせて、それから解放される」という独特の感触が生まれています。

文法的な余剰に見えて、実は二つの前置詞がそれぞれ別の仕事をしている、よくできた構造なのです。この役割分担を知れば、語順が固定されている理由も腑に落ちます。

冗長に見える形こそ、感情を運ぶ器だったのです。

まとめ|重荷を下ろして前へ進む一言

get it over with は、気の進まないことを単に終わらせるのではなく、「終わらせて解放される」という心の動きまで含んだ表現です。over と with、二つの前置詞がそれぞれ完了と手切れを担っている、と捉えると構造ごと記憶に残ると言えます。

歯医者、謝罪、苦手な発表、誰にでもある「やりたくないけれど避けられないこと」に踏み切るとき、この一語が背中を押してくれます。先延ばしにしている用事を思い浮かべながら、表現の引き出しに加えてみてください。

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