「for crying out loud」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E10で学ぶ英会話

「for crying out loud」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

相手のもたつきや的外れな言い分に、思わず「もう、いいかげんにしてよ」と声をあげたくなったことはありませんか。

その苛立ちをやわらかく包む「for crying out loud」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン4第10話、Howard と Raj がレスリングの開始でいつまでも揉めている、ジムのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「for crying out loud」の意味とニュアンス

for crying out loud
意味:いいかげんにしろ、まったくもう、勘弁してくれ

苛立ち、呆れ、もどかしさを表す感嘆表現です。相手の言動にうんざりしたとき、物事が思うように進まないとき、感情を込めて口にします。「冗談じゃない」「何やってるんだ」といった気持ちを一言に乗せられます。

軽い罵り表現の一種ですが、下品な単語を含まないため、幅広い場面で使えるのが特徴です。怒りというより「呆れ・じれったさ」の色合いが強く、深刻な対立ではなく日常のちょっとしたいら立ちを表すのに向いています。文頭に置いて Oh, for crying out loud!(ああ、もういいかげんにして!)と感嘆符とともに使われることが多く、独立した叫びとしても、文の前置きとしても機能します。家族や友人、同僚との砕けた会話でよく耳にする、感情の温度がそのまま伝わる表現です。

【ここがポイント!】

  • 怒りというより「呆れ・じれったさ」がにじむ感嘆表現
  • 下品な単語を含まないので、幅広い場面で安心して使える
  • 文頭で Oh, for crying out loud! と叫ぶ形が定番の使い方

『ビッグバン★セオリー』S04E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

Howard と Raj が「どちらが主役でどちらが脇役か」をレスリングで決めようとするものの、開始の合図すら決まらず堂々巡り。挙句に Raj が「外は寒いから上着が要る」と言い出し、Howard が呆れ果てて発するのがこの場面です。

Raj: No, it’s chilly outside. Didn’t bring my jacket.
(やだよ、外は寒いし。上着持ってきてないんだ。)

Howard: Oh, for crying out loud. What kind of superhero needs a jacket?
(ああ、もういいかげんにしろよ。上着が要るスーパーヒーローがどこにいるんだ?)

The Big Bang Theory Season4 Episode10(The Alien Parasite Hypothesis)

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シーン解説と心理考察

スーパーヒーロー対決という設定に大真面目に乗っていた Howard が、Raj の「上着が寒い」という現実的すぎる言い分に一気に脱力する、その落差がこのシーンの可笑しさです。for crying out loud は本気の怒りではなく、「お前ねえ…」という呆れと脱力をまとった一言として放たれています。直後の What kind of superhero needs a jacket?(上着が要るヒーローがどこにいる)という畳みかけが、苛立ちというよりツッコミに近いトーンを作っているのが見どころと言えます。Howard の短気でテンポのよい性格と、Raj のマイペースでズレた言い分、この二人の噛み合わなさが、感嘆表現一つで鮮やかに浮かび上がっているのが伝わってきます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

天を仰いで「あー、もう!」と声を漏らす瞬間を思い浮かべてみてください。crying out loud は文字どおり「大声で叫ぶ」こと。やりきれない気持ちが胸にたまり、思わず声になってあふれ出る、その身体的な動きがこの表現の正体です。Howard が Raj のズレた言い分に天を仰ぐ姿が、そのままフレーズの絵になります。怒鳴りつけるのではなく、こらえきれずに「もう!」と漏らす、あの脱力混じりの叫び。声が外へ出ていく動きと、呆れて天を仰ぐポーズをセットで思い浮かべれば、使うべき場面の温度感ごと記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「for crying out loud」

日常のちょっとした「もう!」という瞬間に幅広く使えます。3つの場面で温度感をつかみましょう。

For crying out loud, just make a decision already!
(もういいかげんに、さっさと決めてよ!)
相手のもたつきにじれったくなる場面です。「早くして」という催促に呆れの色を添える、典型的な使い方です。

I’ve told you three times. For crying out loud, are you even listening?
(三回も言ったよね。まったくもう、ちゃんと聞いてる?)
何度言っても伝わらない相手への呆れを表す場面です。怒りというより「もうやめてよ」というじれったさが前面に出ます。

A: I think I left the tickets at home.
B: Oh, for crying out loud. We’re already at the station!
(A:チケット、家に忘れてきたかも。)
(B:ああ、もう勘弁してよ。もう駅に着いてるのに!)
友人同士の慌てた会話です。予想外のミスに脱力する「もう!」という感情が、自然な叫びとして表れています。

あわせて覚えたい関連表現

for God’s sake
(後生だから、いいかげんにしてくれ)
苛立ちを表す点で重なりますが、God(神)を直接含むため、for crying out loud より強く、人によっては不敬と受け取られます。for crying out loud はその角を取った、より安全な言い換えです。

give me a break
(勘弁してよ、いいかげんにして)
相手の言動に呆れて「やめてくれ」と返す表現です。for crying out loud が独白的な叫びなのに対し、give me a break は相手に向けた反応として使われる点が違います。

come on
(おいおい、よしてくれ)
軽い呆れや抗議を表す万能表現です。for crying out loud より穏やかで、苛立ちの度合いが低い場面で使えます。トーンの強さで使い分けると表現に幅が出ます。

Note|神の名を避けた「言い換えの罵り」

for crying out loud をよく見ると、不思議な表現です。「大声で叫ぶことのために」という直訳からは、なぜこれが苛立ちの叫びになるのか、すぐには見えてきません。その答えは、この言葉の成り立ちにあります。

英語にはもともと for Christ’s sake や for God’s sake のように、神やキリストの名を引き合いに出して感情を強める表現がありました。しかし宗教的な配慮から、神聖な名をみだりに口にするのを避けたい場面は少なくありません。そこで、最初の音の響きを残したまま、後半を当たり障りのない言葉にすり替えた言い回しが生まれました。for crying out loud は、for Christ’s sake の出だしの「Cr-」の音をなぞりつつ、続きを無害な言葉へ逸らした表現です。こうした「きつい言葉や神の名を避けたマイルドな言い換え」は、英語で minced oath(婉曲化された罵り)と呼ばれます。Jesus を Jeez、God を Gosh と言い換えるのと同じ仕組みで、for crying out loud はその句としての代表例です。for goodness’ sake の goodness も God の言い換えとして生まれた同じ仲間です。なお for Pete’s sake の Pete は、聖ペテロ(St. Peter)を指すとされていますが、もともと for pity’s sake(お願いだから)の pity と音が似ていたために人名の Pete が当てはめられた、という説もあります。これらの言い換えは、神の名を避けつつ、苛立ちの感情だけはしっかり乗せる、その絶妙なバランスを支えています。この表現がアメリカで広まったのは1920年代のことでした。

つまり for crying out loud は、感情を吐き出したいけれど品位は保ちたい、という話し手の配慮から生まれた言葉なのです。だからこそ、下品にならずに幅広い場面で使えるのだと分かります。

角を丸めた一言に、言葉を選ぶ心遣いが隠れていました。

まとめ|品よく感情を吐き出す一言

for crying out loud は、苛立ちや呆れ、じれったさを、下品にならずに吐き出せる感嘆表現です。本気の怒りというより「もう、いいかげんにして」という脱力混じりのトーンで使えるのが、この言い回しの使いやすさと言えます。

神の名を避けた言い換えという成り立ちのおかげで、家族にも同僚にも気兼ねなく使えます。物事が思うように進まないとき、相手のズレた言い分に脱力したとき、Howard のように天を仰いで一言、表現の幅を広げてみてください。

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