「run something past someone」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S08E04で学ぶ英会話

「run something past someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

何かを決める前に、まず身近な人へ「ちょっと聞いてほしいんだけど」と切り出したくなること、ありますよね。

そんなときに役立つ「run something past someone」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン8第4話の、レナードが投資の話を婚約者ペニーに相談する階段のシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「run something past someone」の意味とニュアンス

run something past someone
意味:(決める前に)〜に話してみる、意見を聞く、確認を取る

run something past someone は、アイデアや計画を最終決定する前に、まず相手に伝えて反応を見る、という意味の表現です。「相手の前を一度通して、どう思うか見てもらう」という発想が下敷きになっています。

このフレーズの魅力は、命令でも事後報告でもない、協調的なトーンにあります。「あなたの考えをひとまず通しておきたい」という、相手を立てる柔らかさがあるのです。ビジネスでは上司や同僚への打診として、日常では家族やパートナーへの相談として、幅広く使えます。アメリカ英語では run something by someone とも言い、past と by はほぼ同じように使われます。決定の前段階で、軽く意見や承認を求めたいときの定番表現です。

【ここがポイント!】

  • run past の核は「アイデアを相手の前を通して反応を見る」イメージ
  • 命令でも事後報告でもない、相手を立てる協調的な打診の表現
  • by に置き換えて run something by someone とも言える一言

『ビッグバン★セオリー』S08E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

レナードが、仲間たちとスチュアートのコミック店へ投資しようと考えています。決める前に、婚約者であるペニーの意見を聞いておこうと、階段で切り出す場面です。

Leonard: There’s something I wanted to run past you.
(ちょっと相談しておきたいことがあるんだ)

Penny: What’s up?
(どうしたの?)

Leonard: The guys and I were thinking about investing in Stuart’s comic book store. Is that okay?
(僕とみんなで、スチュアートのコミック店に投資しようかと思ってて。いいかな?)

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シーン解説と心理考察

レナードが There’s something I wanted to run past you と切り出すところに、彼とペニーの対等な関係性が表れています。お金にまつわる決定を、勝手に進めるのでも事後報告するのでもなく、決める前にきちんと共有しようとしているのです。

run past you という柔らかな言い回しが、その協調的な姿勢を裏づけています。「相談しておきたい」という前置きから始めることで、ペニーに意見を述べる余地を残しているのが伝わってきます。常識的でバランス感覚のあるレナードらしい、丁寧な切り出し方と言えます。続く Is that okay?(いいかな?)にも、相手の同意を待つ気づかいがにじみます。決定を一方的に下すのではなく、パートナーの反応をうかがいながら進めようとする姿勢が、この短いやり取りによく表れています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

自分のアイデアを一台の車に見立ててみてください。その車を、相手の家の前(past someone)をゆっくり走らせて、「これ、どう思う?」と眺めてもらう——そんな場面を想像すると、run something past someone の核心が体に残ります。

大事なのは、車をそのまま納車してしまうのではなく、まず「前を通して反応を見る」段階だということです。劇中のレナードは、投資という大きな車を、決定する前にペニーの前へ一度走らせて意見を求めました。この「通して見てもらう」イメージと結びつけておくと、相談・打診の表現としてすっと引き出せるようになります。

例文で覚える「run something past someone」

決定の前に相手の反応を見たいとき全般に使えます。ビジネスでもプライベートでも活躍する表現です。

Let me run this past my manager before we confirm.
(確定する前に、これを上司に相談させてください)
社内で承認を得る前のひと声、というフォーマルな場面です。before we confirm が「決定の前段階」であることをはっきり示しています。

I wanted to run the plan past you before the meeting.
(会議の前に、その計画をあなたに見てもらいたかったんだ)
同僚への事前共有の場面です。before the meeting と組み合わせることで、「根回し」的なニュアンスが自然に出ています。

A: Can I run an idea past you real quick?
B: Sure, what is it?
(A:ちょっとアイデアを聞いてもらってもいい?)
(B:いいよ、何?)
気軽に相談を持ちかける会話の入り口です。run an idea past you は、会話を切り出すときにそのまま使える便利な言い回しです。

あわせて覚えたい関連表現

run something by someone
((決める前に)〜に話してみる、確認する)
past を by に変えただけで、意味はほぼ同じです。アメリカ英語では by のほうもよく使われ、両者は自由に置き換えられます。

check with someone
((〜に)確認を取る)
check with は「許可や情報を確かめる」事務的なニュアンスです。run past が「意見や反応を見る」相談寄りなのに対し、こちらは確認そのものに重心があります。

bounce an idea off someone
((人に)アイデアをぶつけて意見をもらう)
bounce off は、壁打ちのように意見を交わして考えを練り上げるイメージです。run past が「一度通して承認や反応を得る」点に重心があるのに対し、こちらは双方向のやり取りを表します。

Note|run past / run by に共通する「通す」という発想

run something past someone と run something by someone は、past と by が入れ替わるだけで、ほとんど同じように使えます。なぜこの二つが同じ意味になるのか、共通する発想を見てみましょう。

鍵になるのは、past も by も「〜のそばを通って」という空間的な意味を持つ点です。past は「〜の前を通り過ぎて」、by は「〜のそばを通って」と、どちらも「対象の近くを何かが通過する」イメージを表します。そこから、自分のアイデアを「相手のそばを通して」見てもらう、つまり「相手の目の前を一度通過させて反応をうかがう」という比喩が生まれました。アイデアを相手の視界に通すことで、賛否や意見という反応を受け取る——この「通す」という共通の発想があるからこそ、past でも by でも同じ「相談する・打診する」の意味になるわけです。地域や個人の好みで使い分けられますが、意味の差はほとんどありません。

劇中のレナードが run past you を選んだのも、投資というアイデアをペニーの前に「通して」反応を見たかったからだと読み取れます。

前置詞の持つ空間イメージを知ると、似た表現どうしのつながりが見えてきます。

まとめ|決める前のひと声を、さらりと

run something past someone は、何かを決める前にまず相手へ伝えて反応を見る、という協調的な相談の表現でした。命令でも事後報告でもない柔らかさが、相手を立てながら話を進めたい場面でよく働きます。

この一言を知っておくと、「相談がある」と硬く切り出す代わりに、「ちょっと聞いてほしい」というニュアンスをさりげなく添えられるようになります。レナードのように、大事な話を角を立てずに切り出す表現として、表現の引き出しに加えてみてください。

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