海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン3 第10話に登場する、恋人や親子の間で使われる甘い呼びかけ語です。ハワードがバーナデットにかける軽い呼びかけと、ハワードの母親が息子にかける愛称が、思わぬところで重なって聞こえてくる回でもあります。呼びかける相手が変わることで、同じ言葉の響き方がどう変化するかにも注目したいところです。
まずは、大学のカフェテリアでのやりとりから見ていきます。
恋人への軽いお願いに添える呼びかけ語
ハワードが友人たちにバーナデットを紹介した、大学のカフェテリアでの場面です。会話がひと段落し、バーナデットが席を立つ間際、ちょっとしたお願いとお礼が交わされます。
Howard: Could you grab me another napkin, sweetie?
(ナプキンをもう一枚取ってきてくれないかな?)Bernadette: Sure.
(いいわよ。)Howard: Thanks, honey.
(ありがとう。)TBBT Season3 Episode10 (The Gorilla Experiment)
sweetie も honey も、恋人や配偶者へのちょっとしたお願いやお礼に添えられる呼びかけ語です。日本語には直訳しにくい響きですが、文の最後に一言添えるだけで、頼みごとやお礼の言葉が一段柔らかくなります。呼びかける相手を選ぶ表現なので、親しい間柄で使うのが基本です。友人たちが同席する場でも不自然に響かないのは、恋人同士のやりとりとして定着した言い回しだからでもあります。お願いの一言には sweetie、お礼の一言には honey と、同じ場面の中でも呼びかけ語を言い換えているところにも注目したい部分です。どちらも決まり文句というより、話し手の気分でそのつど選ばれる自然な相槌のような言葉で、会話の端々に軽やかに差し込まれます。
母から子、そして恋人へ受け継がれる愛称
場面は変わり、ハワードの寝室でくつろぐ二人のもとに、フィットネス教室から帰ってきたばかりの母親の声が別室から響きます。台所に立つ気配もないまま、ハワードが好物のシチューをねだると、母親は食材を買いにもう一度出かける支度をしながら答えます。
Howard’s Mother: Oh, I can’t say no to my little tushy face.
(あら、うちの可愛いトゥーシー・フェイスのお願いは断れないわねえ。)TBBT Season3 Episode10 (The Gorilla Experiment)
tushy face は、直訳すると「お尻ちゃん顔」のような、幼い子どもに向けた甘え全開の愛称です。息子が成人した今も変わらず使われているところに、母から見た子ども扱いの根強さがうかがえます。
この愛称は、エピソードの終盤、まったく別の相手の口からもう一度飛び出します。ハワードとバーナデットが仲直りする場面の締めくくりです。
Bernadette: Come here, tushy face.
(こっちにいらっしゃい、トゥーシー・フェイス。)Leonard: Tushy face, that is going on Twitter right now.
(トゥーシー・フェイスか、それは今すぐTwitterに投稿だな。)TBBT Season3 Episode10 (The Gorilla Experiment)
母親専用だったはずの愛称を、バーナデットが仲直りの言葉として使ってみせる場面です。レナードの反応にもあるとおり、成人男性が母親から呼ばれる幼い愛称が、恋人の口から出てくることで違った響きを持つのが面白いところです。
まとめ|甘い呼びかけ語は相手との距離を映す
sweetie、honey、tushy face。英語の甘い呼びかけ語は、それぞれ誰から誰に向けられるかによって、伝わる距離感が変わってきます。同じ言葉が親子の間と恋人の間を行き来する場面からは、呼びかけ語の持つ響きの幅が見えてきます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードのフレーズ記事やエピソードまとめでも、このやりとりに関連する表現を扱っています。


コメント