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表に出ない仕事を黙々と続けている人が、周りからなかなか認めてもらえない場面があります。
そんな人を称えるときの「get the credit he deserves」を、『モダンファミリー』シーズン6第7話の後半、キャメロンがミッチェルの仕事ぶりを語る場面から、一緒に見ていきましょう。今回のシーンでは、否定の形の doesn’t get the credit he deserves が使われています。
「get the credit he deserves」の意味とニュアンス
get the credit he deserves
意味:当然受けるべき評価(功績の認知)を受ける
get the credit he deserves は、努力や成果に見合った認知や称賛を受けることを表します。credit は、お金の信用ではなく、「功績を認められること」を指します。deserve は「〜に値する」という意味で、全体では「彼が値するだけの評価を得る」という意味です。
否定形の doesn’t get the credit he deserves は、「当然の評価を受けていない」となり、陰で努力しているのに正当に評価されていない人を称える言い方になります。今回のシーンでも、この否定形が使われています。
the credit のあとの he deserves は、credit を説明する部分で、the credit (that) he deserves の that が省かれた形です。he の部分は、評価される人に合わせて変わります。she なら she deserves、they なら they deserve、自分自身なら I deserve のように、主語と動詞の形を合わせて使います。
使われる場面は、縁の下の力持ちをたたえるとき、チームの成果を称えるとき、表に出ない仕事を評価するときなどです。評価されるべき人に光を当てる言い方なので、称える気持ちを伝える場面によく合います。一方、自分自身について使うときは、努力が報われていないという不満や、当然の評価を求める気持ちを伝える言い方にもなります。
【ここがポイント!】
- 「get the credit he deserves」の核は、努力や成果にふさわしい評価を受けること
- 否定形にすると、正当に評価されていない人を称える一言になる
- he の部分は、評価される人に合わせて she、they、I などに入れ替わる
『モダンファミリー』S06E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
キャメロンとミッチェルが同じ場にいる場面です。取材に答える形で、キャメロンがミッチェルの仕事ぶりを称え、doesn’t get the credit he deserves という言葉を使います。称賛の途中で、ミッチェルが言葉を返す掛け合いにも注目です。
Cameron: He’s an attorney who is the voice for people without one. He is a-a real hero who doesn’t get the credit he deserves. Today, I went down and I watched him in the courtroom.
(彼は、声を持たない人たちの声になる弁護士です。正真正銘のヒーローなのに、それにふさわしい評価を受けていない。今日、僕は裁判所まで行って、法廷にいる彼を見ました。)Mitchell: I knew that was you. I recognized your ringtone.
(あれが君だって分かってたよ。着信音で気づいたんだ。)Cameron: I’m building to something. You know, yeah, I get a lot of attention, you know, coaching this game. But this man right here quietly defends the rights of real people with real problems. Homeless people forced to get jobs.
(話を盛り上げていくところなんだよ。ほら、僕はこの試合のコーチをして、注目を集めることが多いよね。でも、ここにいる彼は、現実の問題を抱えた本当の人たちの権利を、静かに守っているんです。働くことを強いられたホームレスの人たち。)Mitchell: No, that’s not it.
(いや、違うよ。)Modern Family Season6 Episode7 (Queer Eyes, Full Hearts)
シーン解説と心理考察
キャメロンは、ミッチェルを「声を持たない人たちの声になる弁護士」と呼び、続けて「正真正銘のヒーローなのに、それにふさわしい評価を受けていない」と称えます。doesn’t get the credit he deserves は、この称賛の中心にある言葉です。さらに、今日は法廷まで行って、ミッチェルの仕事ぶりを見たと続けます。
その話を受けて、ミッチェルは「あれが君だって分かってたよ。着信音で気づいたんだ」と返します。称賛の話とは別の角度からの一言で、キャメロンは「話を盛り上げていくところなんだよ」と、続きがあることを伝えます。
キャメロンは、自分が注目を集める立場にあることに触れたうえで、ミッチェルは静かに、現実の問題を抱えた人たちの権利を守っていると対比を作ります。そこに「働くことを強いられたホームレスの人たち」という具体的な言葉が続きます。この語りに、ミッチェルは「いや、違うよ」と言葉を挟みます。
称える側のキャメロンと、それを受けるミッチェルとで、話の進み方の温度が合っていない様子がにじむ場面です。キャメロンは称賛を積み上げる方向へ、ミッチェルは短く区切る方向へと、それぞれ違うテンポで話が進んでいきます。称賛の言葉が語られるたびに、ミッチェルの短い一言が入り、話の勢いが区切られていきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
映画のエンドロールに名前が載るように、その人の働きが誰のものか認められる場面を思い浮かべてみましょう。名前が載って初めて、その人の働きが認められます。get the credit は、その「名前が載る」感覚に近い表現です。
ミッチェルの場合、法廷で人々の権利を守る仕事をしていても、キャメロンから見れば、その働きにふさわしい名前が画面に載っていない状態にあたります。doesn’t get the credit he deserves は、載るべき名前が載っていない、という不足を指しています。
そのため、この言葉を口にするキャメロンの語りは、抜けている名前を書き足していく作業に重なります。
doesn’t get the credit he deserves は、認められるべき働きが認められていない状態を、エンドロールの空白に重ねた言い方です。
例文で覚える「get the credit he deserves」
評価されるべき人に光を当てるget the credit he deservesを、3つの例文で確認していきましょう。
She never gets the credit she deserves for keeping the team together.
(彼女は、チームをまとめている功績にふさわしい評価を受けていません。)
同僚の働きを上司に伝える場面です。she に合わせて deserves の形が she deserves になり、for のあとに評価される理由が続きます。
I think teachers don’t get the credit they deserve.
(先生たちは、当然受けるべき評価を受けていないと思います。)
身近な職業への敬意を語る場面です。teachers は複数なので、they deserve と、動詞の形が変わります。
A: He fixed the whole system over the weekend.
B: He really doesn’t get the credit he deserves.
(A:彼は週末のうちにシステム全体を直したんだ。)
(B:彼は本当に、ふさわしい評価をされていないね。)
裏方の仕事に感謝する会話です。really を添えると、評価が足りていないという気持ちが強く伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
take the credit for
(〜を自分の手柄にする)
take the credit は、自分から手柄を取りにいく動作です。get the credit は、周りから評価が与えられる受け身の形になる点が違います。
give credit where credit is due
(称えるべきところは称える)
give credit where credit is due は、評価する側が使う言い方です。get the credit he deserves は、評価される側に焦点を当てる点が違います。
be underappreciated
(正当に評価されていない)
be underappreciated は、一語で評価の不足を表します。doesn’t get the credit he deserves は、功績を認められる動きを具体的に描く言い方です。
Note|credit を「クレジット」と訳して外れる理由
get the credit he deserves の credit を「クレジット」とそのままカタカナにすると、意味がずれます。ここでは、credit がもつ複数の意味を整理します。
credit には、いくつかの意味があります。ひとつは、クレジットカードの credit のように、代金を後から払う約束を信用して取引する「信用貸し」の意味です。もうひとつは、大学の授業で得る「単位」の意味です。映画やテレビ番組の最後に流れる、制作に関わった人の名前の表示を、credits(クレジット)と呼ぶこともあります。覚え方のコツでは、この名前が載る場面を手がかりにしましたが、語義としては別のものです。これらとは別に、「功績を認められること」という意味があり、get the credit he deserves の credit はこれにあたります。
この意味の credit は、get credit for(〜の功績が認められる)、take credit for(〜を自分の手柄にする)、give credit to(〜の功績を認める)のように、for や to と組み合わせて使います。お金の信用でも、単位でもなく、「誰の働きか」を認める側面が中心にあります。
キャメロンが言った doesn’t get the credit he deserves も、ミッチェルの働きに見合う認知を得ていない、という意味でした。credit を「クレジット」と訳すのではなく、「功績を認められること」と訳すと、文全体の意味がつかめます。
同じ credit でも、一緒に使う語によって、指すものが変わります。
まとめ|表に出ない働きに光を当てる一言
get the credit he deserves は、努力や成果にふさわしい評価を受けることを表す表現です。he の部分は she、they、I などに入れ替えられ、否定形の doesn’t get the credit he deserves は、正当に評価されていない人を称える言い方になります。
縁の下の力持ちをたたえるとき、チームの成果を称えるとき、表に出ない仕事を評価するときなど、評価されるべき人に光を当てたい場面で使えます。評価される側は get the credit、手柄を取る側は take the credit for、評価する側は give credit where credit is due と、立場ごとに表現が分かれています。
ミッチェルの働きを称える言葉が、キャメロンの語りのなかで積み上がっていく場面でした。会話のレパートリーに加えてみてください。


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