海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
会話の途中で、ふと引っかかる点に気づいて、思わず相手を止めたくなる場面があります。
そんなときに使える「wait a second」を、『モダンファミリー』シーズン6第16話の後半、画面越しにつながった家族の会話の中で、ヘイリーが何かに気づく場面から、一緒に見ていきましょう。
「wait a second」の意味とニュアンス
wait a second
意味:ちょっと待って、待てよ
wait a secondは、相手の話や動きを止めて、「ちょっと待って」と伝える口語表現です。直訳は「1秒待って」ですが、実際に1秒だけ待つという意味ではなく、「少しの間」を表す言い方です。wait a minuteやwait a momentとほぼ同じ意味で使えます。
使い方は大きく二つに分かれます。一つは、相手に少しの間待ってもらうときです。電話や窓口で、Could you wait a second?(少し待っていただけますか)のように、依頼の形でも使えます。
もう一つは、何かに気づいた瞬間の合図としての使い方です。Wait a second. That doesn’t add up.(待って。それは辻褄が合わないよ)のように、話の中の引っかかりに気づいて、相手を止めるときに文頭に置きます。合図を出したあとで、気づいた内容を続けるのが基本の流れです。
同じ言葉でも、待ってもらうための一言なのか、気づきの合図なのかは、続く内容と、その場の状況で決まります。
【ここがポイント!】
- 「wait a second」の核は、「ちょっと」と間をおいて相手や流れを止めること
- a secondは実際の1秒ではなく、「少しの間」を表す言い方
- 引っかかった点に気づいたときの合図としても使える
『モダンファミリー』S06E16のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
「ほっとした」という一言に続いて、ヘイリーが話を止めます。自分のフェイスブックのページに、どうやって入ったのかを問いかけ、アレックスが理由を明かすと、ヘイリーはさらに次の疑問を投げかけます。「ちょっと待って」の一言のあとに、どんな質問が続くのかに注目です。
— I’m so relieved.
(ほっとした。)Haley: Wait a second. How did you get on to my Facebook page? I unfriended you.
(ちょっと待って。どうやって私のフェイスブックのページに入ったの? 友達から外したのに。)Alex: She’s Brody Kendall.
(ママがブロディ・ケンドールなんだよ。)Haley: Oh, my God. Gross. I’ve been playing Candy Crush with my mother. How did you track my phone?
(うそでしょ。最悪。ママとキャンディークラッシュやってたなんて。どうやって私の携帯を追跡したの?)Modern Family Season6 Episode16 (Connection Lost)
シーン解説と心理考察
冒頭の「ほっとした」は、安堵を伝える一言です。その一言に続けて、ヘイリーの「ちょっと待って」が入ります。安堵の空気が流れかけたところで、ヘイリーが引っかかった点を取り上げているのが、この場面の入り口です。
ヘイリーが挙げる疑問は、二つの点に絞られます。一つは、「どうやって私のフェイスブックのページに入ったの?」という問いです。I unfriended youは、相手をフェイスブックの友達から外した、という意味で、外したはずの相手がページに入ってこられるのはおかしい、という引っかかりを、そのまま言葉にしています。
アレックスが「ママがブロディ・ケンドールなんだよ」と答えると、状況が一変します。ブロディ・ケンドールは、フェイスブック上のアカウント名です。その名前の正体が自分の母だと分かって、ヘイリーは「うそでしょ。最悪」と声を上げ、母とキャンディークラッシュをしていたことに反応します。そこで終わらず、「どうやって私の携帯を追跡したの?」と、もうひとつの疑問を重ねます。
wait a secondは、相手を止めるだけでなく、何かに気づいた瞬間の合図としても働きます。ヘイリーの「ちょっと待って」は、その合図としての役割をはっきり果たしていて、この一言を境に、疑問が立て続けに出てきます。合図がなければ流れてしまったかもしれない点を、ここで一度立ち止まって取り上げているのがヘイリーの動きです。
短い一言のあとに、質問が連なっていく展開が、会話の温度を変えています。合図と質問がセットになっている点は、この表現を使うときの参考にもなります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
時計の秒針がひとつ進むあいだ、手を前に出して「ストップ」と止めている姿を思い浮かべてみましょう。「1秒(a second)だけ待って(wait)」という短い間が、「ちょっと待って」という意味につながります。
シーンのヘイリーの言葉は、この「ストップ」の絵にそのまま重なります。安堵の一言に続く会話の流れに、ちょっと待ってと割り込み、引っかかった点を取り上げる。そのあとに質問が続く形になっています。
止めるための一言と、そのあとに続く質問を一緒に覚えると、wait a secondを使う場面も浮かびやすくなります。「待って」のあとに何を言うのかを思い浮かべるところまでが、この表現のひとまとまりです。
例文で覚える「wait a second」
wait a secondは、気づきの合図にも、待ってもらう依頼にも使えます。3つの例文で、場面ごとの使い方を確認していきましょう。
Wait a second. I think I left my keys inside.
(ちょっと待って。鍵を中に忘れたかも。)
何かを思い出して立ち止まる場面です。文頭に置いて、気づいた内容をあとに続けています。
Could you wait a second? I’ll be right back.
(少し待っていただけますか。すぐ戻ります。)
電話や窓口で、相手に少し待ってもらうビジネスの場面です。Could you…?の形にすると、依頼として丁寧に聞こえます。
A: The meeting starts at three.
B: Wait a second. I thought it started at four.
(A:会議は3時からだよ。)
(B:ちょっと待って。4時からだと思ってた。)
予定の食い違いに気づく会話です。「待って」のあとに、気づいた内容を続ける流れが、シーンのヘイリーと同じ形です。
あわせて覚えたい関連表現
wait a minute
(ちょっと待って、待てよ)
wait a minuteも、ほぼ同じ意味で、何かに気づいたときの「待てよ」にも使えます。wait a secondは、「1秒」と、待ってほしい時間の短さを言葉にした形です。
hold on
(ちょっと待って)
hold onは、電話や会話で「そのまま待って」と伝えるときに使う口語です。wait a secondは、待ってほしい時間の長さを、a secondという言葉で示す点が違います。
just a moment
(少々お待ちください)
just a momentは、momentという語を使った、やや改まった言い方です。wait a secondは、くだけた会話に向いた言い方です。
Note|wait a secondを文頭の合図、依頼文、省略形で使い分ける
wait a secondは、形を変えると、伝わる響きも変わります。文頭の合図、依頼文、省略形の三つを整理します。
一つ目は、文頭に置く合図の形です。Wait a second. That’s not what I said.(待って。私が言ったのはそうじゃないよ)のように、Wait a second.で止めてから、気づいた内容を続けます。シーンのヘイリーの言葉も、この形でした。
二つ目は、依頼の形です。Could you wait a second?のように、Could you…?を前に付けると、「少し待ってもらえますか」という依頼になります。命令の形のWait a second.より、丁寧に聞こえます。
三つ目は、省略した形です。Just a second.(ちょっと待って)のように、動詞のwaitを省いて言うこともできます。相手に間を置いてほしいだけのときに使える、短い言い方です。
言い換えとして、Give me a second.(少し時間をちょうだい)も使えます。こちらは、自分が少し時間を必要としているときに向いた形です。
wait for a secondのようにforを付けても、意味は変わりません。
シーンのWait a second.は、文頭の合図の形でした。形と響きの違いを押さえておくと、待ってもらいたいときも、気づきを伝えたいときも、迷わず選べます。
まとめ|空気がゆるんだところでの、気づきの一言
wait a secondは、「ちょっと待って」と間をおいて、相手や流れを止める口語表現です。a secondは実際の1秒ではなく、「少しの間」を表します。
待ってもらうときにも、何かに気づいた瞬間の合図としても使えます。文頭の合図、Could you…?の依頼、Just a second.の省略形と、形を使い分けると、響きを調整できます。
安堵の一言に続いて、「ちょっと待って」と立ち止まり、疑問を重ねていくヘイリーの姿は、短い合図ひとつで会話の向きが変わる場面でした。引っかかりを感じたときに口にできる一言として、表現の引き出しに加えてみてください。


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