上司とのテニスで「勝たせてあげよう」と頼むときと、試合のあとで言い合う英語|『フレンズ』S05E12で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 上司とのテニスで「勝たせてあげよう」と頼むときと、試合のあとで言い合う英語|『フレンズ』S05E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン5第12話では、チャンドラーとモニカが、チャンドラーの上司のダグと、その妻のカーラとテニスをします。点を取り続けるモニカに、チャンドラーは相手に勝たせようと持ちかけます。

上司との付き合いの場で、相棒に「手加減しよう」と頼む言い方と、それに皮肉や条件つきで返す言い方、そして試合のあとの言い合いまでを、場面の順に見ていきます。

目次

「Let them win one.」次のゲームは勝たせようと持ちかける

カフェのセントラルパークで、チャンドラーはモニカに職場での評判を伝えます。前の晩、二人はチャンドラーの職場のパーティーに出ていました。

Chandler: Hey, everybody at work loved you last night.
(なあ、昨日の夜、職場のみんなが君を気に入ってたよ。)
Monica: Really?
(本当?)
Chandler: And they like me more.. …just because I was with you. I think you repaired a lot of the damage from when they met Joey. And Doug wants us to play tennis with him. He’s never even talked to me outside of work.
(しかも、君と一緒にいたってだけで、俺のこともみんな前より気に入ってくれてさ。ジョーイに会ったときの痛手を、だいぶ取り戻してくれたと思う。それに、ダグが一緒にテニスをしたいって。仕事以外で俺に話しかけてきたことなんてないのに。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)

just because ~ は「〜というだけで」と理由の小ささを示す形で、outside of work は「仕事の外で」という意味です。職場の人との距離を話すときに組み合わせやすい言い方です。職場での評判の話からテニスの誘いへと話がつながり、この誘いが次の場面の舞台になります。

場面がテニスコートに移り、モニカの組がゲームを取ったあと、ダグとカーラは水を飲みにコートを離れます。そこでチャンドラーが切り出します。

Chandler: Listen, I think we should let them win the next game.
(なあ、次のゲームは向こうに勝たせたほうがいいと思う。)
Monica: I’m sorry, I don’t understand what you just said.
(ごめん、今なんて言ったのか分からないわ。)
Chandler: Let them win one.
(1ゲーム勝たせてやろうって。)
Monica: Are you crazy?
(正気?)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)

let + 人 + 動詞 は「〜させてあげる」で、win one の one は「1ゲーム」を指しています。モニカの I’m sorry, I don’t understand what you just said. は、丁寧な聞き返しの形をとっていますが、すぐ後に Are you crazy? と続くとおり、聞き取れなかったのではなく、受け入れられないという返しとして働いています。

チャンドラーが the next game、one とゲーム単位で頼んでいる点も見逃せません。試合全体ではなく1ゲームだけと範囲を区切ることで、頼みごとを控えめに見せる言い方になっています。

「That’s the best I can do」条件をつけて少しだけ譲る

チャンドラーはさらに食い下がり、モニカは皮肉で返します。

Chandler: You’re not even giving them a chance.
(相手にチャンスもあげてないじゃないか。)
Monica: They have rackets, don’t they?
(ラケットは持ってるでしょ?)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)

give + 人 + a chance は「〜に機会を与える」という言い方で、not even が付くと「〜すらしていない」と強まります。モニカの返事は付加疑問の形の皮肉で、ラケットを持っている以上条件は同じだと、手加減の頼みを突っぱねています。

ダグが戻って、これを最後のゲームにしようと声をかけたあと、チャンドラーはもう一度モニカに頼みます。

Chandler: Please let them win.
(頼むから勝たせてやってくれ。)
Monica: I’ll take it down to 95 percent but that’s the best I can do.
(95パーセントまでなら落としてあげる。でも、それが精一杯よ。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)

take it down to ~ は「〜まで下げる」、that’s the best I can do は「それが精一杯」という意味です。全面的には聞き入れず、譲れる範囲を数字で示して話を収める返し方になっています。100パーセントから5パーセントだけ落とすという言い方なので、譲歩がごくわずかであることも同時に伝わります。

最後のゲームでは、チャンドラーが球を空振りしたり、モニカが打とうとした球に割り込んで打ち、「Long!」と声を上げたりする様子が描かれます。

「If we hadn’t lost the game」試合のあとで言い返す

場面がモニカとレイチェルの部屋に移り、試合から帰ってきた二人の言い合いが始まります。チャンドラーはバッグから壊れたラケットを取り出します。

Monica: I can’t believe you let them win.
(勝たせちゃうなんて信じられない。)
Chandler: Yeah, well, at least you hid your feelings well about it.
(ああ、まあ、君はその気持ちをうまく隠してたけどね。)
Monica: I was frustrated.
(イライラしてたの。)
Chandler: It was my racket.
(それ、俺のラケットなんだけど。)
Monica: I was frustrated with you!
(あなたにイライラしてたのよ!)
Chandler: If we hadn’t lost the game they would never have invited us to dinner tomorrow night.
(負けてなかったら、明日の夜の食事には呼ばれなかったんだぞ。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)

I can’t believe ~ は、相手のしたことへの驚きや不満を表す言い方です。チャンドラーの at least you hid your feelings well は、壊れたラケットを前にした皮肉で、実際には気持ちを隠せていなかったことを指しています。

モニカの I was frustrated with you! は、with のあとに不満の向かう相手を置いた形です。「イライラしていた」だけでは試合への不満とも取れるところを、相手をはっきりさせて言い直しています。frustrated は、思いどおりにいかないことへのもどかしさを表すことが多い語で、angry とは重心が少し異なると言われます。

最後のチャンドラーの一文は、If + had + 過去分詞, would have + 過去分詞 の形で、「実際には負けたからこそ食事に招かれた」と、負けた結果の意味を言い返しています。過去の事実と逆のことを仮定して、その結果を述べるときの形です。試合の負けとダグ夫妻からの食事の招待を、チャンドラーがひと続きの出来事として結びつけて話している点が、この一文の中心です。

まとめ|手加減を頼むときと言い返すときの英語

let them win で手加減を持ちかけ、that’s the best I can do で譲れる範囲を示し、If we hadn’t lost ~ で結果を言い返す流れを見てきました。頼む側と断る側の言い方が、短いやりとりの中にそろっています。

ラケットを手にした二人の温度差に注目しながら観ると、言葉の選び方の違いがより分かりやすくなります。

同じエピソードの職場の場面は、ほかのコラムやフレーズ記事でも別の角度から扱っています。

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