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『フレンズ』シーズン5第19話では、モニカがフィービーに貸していたイヤリングが、さらにレイチェルの手に渡り、片方なくなってしまいます。同じ「なくした」という打ち明けに対して、モニカの返し方は相手によって大きく変わります。
貸した物をなくしたと言われたとき、どんな言葉で応じるのか。責めずになだめる返しと、きっぱり言い返す返しの両方を見ていきます。
「You lent me ~?」又貸しが分かったとき
モニカとレイチェルの部屋で、モニカはフィービーに、貸していたイヤリングを取ってきてほしいと頼みます。チャンドラーが、今夜そのイヤリングをつけてほしがっているからです。ところがフィービーはそのイヤリングをレイチェルに貸していて、レイチェルが渡したのは片方だけでした。フィービーに問い詰められ、レイチェルは I kind of lost it. となくしたことを打ち明けます。続いて、もう一つの事実が分かります。
Phoebe: These are her earrings.
(これ、モニカのイヤリングなのよ。)
Rachel: No! No! You lent me Monica’s earrings? I’m not allowed to borrow her stuff!
(うそ!うそでしょ!モニカのイヤリングを私に貸したの?私、モニカの物は借りちゃいけないことになってるのに!)
Phoebe: Why not?
(なんで?)
Rachel: Because I lose her stuff!
(なくしちゃうからよ!)
Friends Season5 Episode19(The One Where Ross Can’t Flirt)
lend は「貸す」、borrow は「借りる」で、物が動く向きが逆になります。You lent me ~ は「あなたが私に〜を貸した」で、レイチェルはフィービーから借りた物が、実はモニカの物だったと知って驚いています。I kind of lost it. の kind of は「ちょっと」「なんというか」と言い方をやわらげる語で、言いにくいことを切り出すときに添えられることがあります。
I’m not allowed to ~ は「〜してはいけないことになっている」と、決まりごとを説明する形です。stuff は「物」「持ち物」をまとめて指すくだけた語です。理由を聞かれたレイチェルは、Because I lose her stuff! と自分から答えています。又貸しの途中でなくなった物について、誰がどう謝るのかが、このあとの場面につながっていきます。
「What can you do?」責めずに受け止める返し
イヤリングは見つからず、フィービーは自分のせいだとモニカに話すと申し出ます。レイチェルもそれに乗り、フィービーはモニカに、イヤリングを片方なくしたと重ねて謝ります。lose one of ~ は「〜のうちの一つをなくす」で、一対の物の片方だけをなくしたときにそのまま使えます。モニカはこう応じます。
Monica: Alright, well, I mean, what can you do? If you’ve lost it, you lost it.
(そう、まあ、仕方ないわよね。なくしちゃったものは、なくしちゃったんだから。)
Phoebe: I’ll replace it. I promise.
(弁償する。約束する。)
Phoebe: I feel so terrible.
(本当に申し訳なくて。)
Monica: Alright, sweetie.
(いいのよ。)
Monica: That’s fine. You didn’t do it on purpose.
(大丈夫。わざとじゃないんだから。)
Friends Season5 Episode19(The One Where Ross Can’t Flirt)
モニカの What can you do? は文字どおりには「何ができるっていうの?」ですが、「どうしようもない」「仕方ない」とあきらめて受け入れる言い方です。If you’ve lost it, you lost it. は同じ語を繰り返して、起きたことは変えられないと区切りをつける返しです。
フィービーの I’ll replace it. は「代わりの物を用意する」「弁償する」という申し出です。モニカは That’s fine. と受け止めたうえで、You didn’t do it on purpose. と、わざとではないと相手の側に立つ一言を添えています。on purpose は「わざと」で、否定文にすると相手に悪気がなかったことを認める形になります。打ち明けた側を責めない返しが、ここでは順に重ねられています。
「That is exactly why I do not lend you stuff!」相手が変わると返しも変わる
モニカがフィービーをなだめたところで、レイチェルが「待って」と話を止め、続けてこう言います。
Rachel: Listen, honey, this is, it’s not Phoebe’s fault. She lent me the earrings.
(聞いて、これは、フィービーのせいじゃないの。フィービーが私にイヤリングを貸してくれたの。)
Rachel: I lost it. I’m so sorry, honey.
(なくしたのは私。本当にごめんね。)
Rachel: I feel terrible, too.
(私も申し訳ない気持ちなの。)
Monica: That is exactly why I do not lend you stuff!
(だからあなたには物を貸さないのよ!)
Friends Season5 Episode19(The One Where Ross Can’t Flirt)
it’s not ~’s fault は「〜のせいではない」で、レイチェルは、フィービーの申し出を取り消すように本当のことを話しています。ところがモニカの返事は、さきほどとはまったく違います。That is exactly why ~ は「まさにそれが〜の理由だ」で、起きたことを、これまでの判断が正しかった証拠として持ち出す言い方で、exactly が「まさに」と意味を強めています。stuff はここでも、持ち物全般をまとめて指しています。モニカはさらに前例を並べます。
Monica: I mean, first, it’s my jewelry, and if it’s not my jewelry it-it’s my blue sweater, and if it’s not my blue sweater it’s my sunglasses!
(つまりね、まず私のアクセサリーでしょ、それじゃなきゃ私の青いセーター、青いセーターじゃなきゃ私のサングラス!)
Rachel: Your sunglasses?
(あなたのサングラス?)
Monica: Yes!
(そうよ!)
Friends Season5 Episode19(The One Where Ross Can’t Flirt)
first ~, and if it’s not ~ it’s ~ は、前例を一つずつ積み上げていく形です。このあと、フィービーは Oh, right. と言って、手元のサングラスをモニカに返します。少し前には、レイチェルが自分の物だと思って見つけたサングラスを、フィービーが自分が貸した物だと言って受け取る場面がありました。
まとめ|なくしたと打ち明けられたときの返し
What can you do?、If you’ve lost it, you lost it.、You didn’t do it on purpose. と、That is exactly why I do not lend you stuff! を見てきました。同じ打ち明けでも、いきさつ次第で返し方が分かれます。
イヤリングとサングラスの行き来を追って観ると、貸し借りの英語が身近になります。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、同じエピソードの別の場面の英語を紹介しています。


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