海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第13話では、モニカのマッサージをめぐって、チャンドラーが本当のことを言えずにいる様子が描かれます。マッサージが痛いのを隠していたことがばれ、モニカから「正直に言って」と促される流れです。
本音を伝える場面の英語は、言い方ひとつで相手の受け止め方が変わります。本当のことを言えずにいる側、正直に言うよう促す側、言ったあとで言い直す側の表現を、場面の順に見ていきます。
「You should just tell her」本当のことを言えずにいるとき
チャンドラーはカフェのセントラルパークでジョーイに、モニカのマッサージがひどく痛かったと打ち明けます。ジョーイの助言に、チャンドラーはこう返します。
Joey: Look, Chandler, if it really hurts that bad you should just tell her.
(なあ、チャンドラー、そんなに痛いなら、彼女にそう言えばいいだけだろ。)
Chandler: Look. For the first time in my life I’m in a real relationship, okay? I’m not going to screw that up by, you know, telling the truth.
(いいか。俺は生まれて初めて、ちゃんと付き合ってるんだぞ。本当のことなんか言って、それを台なしにするつもりはないよ。)
Friends Season5 Episode13(The One with Joey’s Bag)
you should just tell her の just は「ただ〜すればいい」と、行動のハードルを下げる働きをしています。チャンドラーの返事にある screw ~ up は「〜を台なしにする」というくだけた言い方で、by ~ing を続けると「〜することで台なしにする」と手段を示せます。本当のことを言うのがまずいことのように聞こえる組み立てが、冗談の形を取っています。
その後、モニカとレイチェルの部屋に仲間が集まった場面で、モニカがチャンドラーにマッサージを始めます。マッサージ師のフィービーが「痛がっている」と指摘し、チャンドラー自身も Yes, he is. と認めると、モニカはこう問いかけます。
Monica: Have you been lying to me? I can’t believe you’d do that.
(ずっと嘘をついてたの?そんなことするなんて信じられない。)
Ross: Maybe he just didn’t want to hurt your feelings.
(傷つけたくなかっただけじゃないかな。)
Monica: But the minute we start to lie to each other…
(でも、お互いに嘘をつき始めたら……)
Monica: And by “we” I mean society…
(「お互い」っていうのは、社会のことよ……)
Friends Season5 Episode13(The One with Joey’s Bag)
Have you been lying to me? は現在完了進行形で、「これまでずっと〜していたのか」と続いてきたことを問う形です。ロスの hurt someone’s feelings は「〜の気持ちを傷つける」で、嘘の理由をかばう言い方として使われます。モニカが「we」を「society」と言い直すのは、ジョーイ以外の仲間に付き合っていることを伏せているためと読み取れます。
「We’re supposed to be honest with each other」と促されて
別の場面で、チャンドラーがモニカとレイチェルの部屋に顔を出し、レイチェルがいないのを確かめてからモニカに謝ります。モニカの返事は、本音を言うよう促すものでした。
Chandler: Listen, I just wanted to apologize about this afternoon and the whole massage thing, you know? I-I really like them.
(なあ、昼間のこととマッサージの件、とにかく謝りたくてさ。俺、本当に好きなんだよ。)
Monica: Please, stop. We’re supposed to be honest with each other. I just wish you could tell me. Just say it: “I don’t like your massages.”
(お願い、やめて。私たち、お互いに正直でいるはずでしょ。言ってくれたらいいのにって思うの。言ってみて。「君のマッサージは好きじゃない」って。)
Chandler: I don’t like your massages.
(君のマッサージは好きじゃない。)
Monica: See? It’s no big deal.
(ほらね?大したことじゃないでしょ。)
Friends Season5 Episode13(The One with Joey’s Bag)
I just wanted to apologize about ~ は、謝りに来た用件を最初に示す切り出し方です。過去形の wanted を使うことで、押しつけがましさが少し和らぐと言われることがあります。
モニカの be supposed to ~ は「本来〜するはず」で、二人の間の約束ごとを持ち出して本音を促しています。I just wish you could tell me. は wish のあとに could を置く仮定の形で、「言ってくれたらいいのに(実際は言ってくれない)」という気持ちを表します。
Just say it は「とにかく言ってみて」と背中を押す一言です。チャンドラーは言われたとおりの文をそのまま口にし、モニカは It’s no big deal.(大したことない)と返します。ところが、そう言いながらモニカは泣き出してしまいます。促されて言った本音が、そのまま受け止められるとは限らない場面です。
「You don’t know me at all!」言い直して立て直す
泣き出したモニカに、チャンドラーは慰めの言葉をかけますが、うまくいきません。
Monica: I’m crying about something that happened at work.
(職場であったことで泣いてるの。)
Chandler: What?
(何?)
Monica: My boyfriend said he didn’t like my massages!
(彼氏が、私のマッサージが好きじゃないって言ったの!)
Chandler: It’s okay. You don’t have to be the best at everything.
(いいんだよ。何でも一番じゃなくていいんだから。)
Monica: Oh, my God! You don’t know me at all!
(信じられない!私のこと、全然わかってない!)
Chandler: Okay. You give the worst massages in the world.
(わかった。君のマッサージは世界一ひどい。)
Monica: I’m crying here!
(泣いてるんだけど!)
Friends Season5 Episode13(The One with Joey’s Bag)
You don’t have to be the best at everything. は「何でも一番でなくていい」と相手の肩の荷を下ろそうとする言い方です。ただ、モニカは You don’t know me at all!(私のこと全然わかってない)と返します。慰めのつもりの一言が、相手の大事にしているものを否定する形になったと読み取れます。
チャンドラーは、このあと the best bad massage(いちばん上手な、下手なマッサージ)という言い方を持ち出します。賞があったら誰がもらうのかという話になると、こう続きます。
Chandler: Oh, it would be you. You, Monica and you’d get all the votes.
(ああ、君だよ。君、モニカが全票を取るさ。)
Monica: So, maybe they could, um, call the award “The Monica”?
(じゃあ、その賞の名前は「ザ・モニカ」とか?)
Chandler: Absolutely.
(もちろん。)
Friends Season5 Episode13(The One with Joey’s Bag)
it would be you の would は仮定の話を受けて「(もしあれば)君だろう」と答える形です。Absolutely. は「もちろん」と強く同意する一語で、ここでは話をまとめる返事になっています。
まとめ|本音を促されたときの英語
You should just tell her、Have you been lying to me?、We’re supposed to be honest with each other、You don’t know me at all! を見てきました。言えずにいる理由、促す言い方、言い直し方がひと続きで分かります。
本音を言ったあとのやりとりに注目して観ると、会話がより身近になります。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、ジョーイのバッグをめぐる英語も扱っています。


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