海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン4第9話には、元フットボール選手ドクの周辺にいる二人の人物が出てきます。肩書きはエージェントとマネージャーで、名乗りの場面から、役割の名前で呼び分けるやり取りまで、人の立場を言い表す英語がいくつも出てきます。
肩書きの名乗り方と、役割を表す名詞の言い分けを、作中の三つのやり取りで順に見ていきます。二つの肩書きが似ているようで違うことも、台詞から読み取れます。
「I’m the agent.」と「Manager.」肩書きを名乗る言い方
ドクの周辺で話を聞く場面で、二人の人物が自分の肩書きと名前を名乗ります。
— You’re the agent?
(あなたがエージェントですか。)
Steve: Manager. Steve Penn.
(マネージャーのスティーブ・ペンです。)
Alex: I’m the agent. I’m Alex Sodko.
(私がエージェントです。アレックス・ソドコです。)
The Mentalist Season4 Episode9 (The Redshirt)
最初の You’re the agent? は、語順を変えずに文末を上げて確かめる形の疑問文です。普通の文のまま確認に使えるので、会話では短く確かめたいときに便利です。agent は、芸能人やスポーツ選手などの代理として契約や仕事の話を進める人を指す語として、一般に使われます。
返事の Manager. Steve Penn. は、肩書きを一語で先に言い、そのあとで名前を添える短い名乗りです。manager は、一般には、本人の日々の活動を支える役を指すことの多い語です。続く I’m the agent. I’m Alex Sodko. は、I’m のあとに the agent と肩書きを置き、次の文で名前を言う、はっきりと区切った名乗りです。
二つの名乗りを並べると、肩書きを先に出す形と、I’m ~ の文で言う形の二通りが見えてきます。形は違っても、相手に「自分はどの立場の者か」を伝える働きは同じです。アレックスがドクのエージェントであることは、作中の別の場面でも、ドクのエージェントという言い方で触れられています。
「There’s a difference.」二つの肩書きを言い分ける
物語が進んだあとの場面では、この二つの肩書きを並べて、違いを言い当てるやり取りが出てきます。
— You’re the agent and you’re the manager. There’s a difference.
(あなたはエージェントで、あなたはマネージャーだ。違いがある。)
— You’re the enforcer and you, in your jeans and blazer, are the hand holder, the enabler.
(あなたはルールを守らせる役、そしてジーンズにブレザー姿のあなたは、寄り添う役、支える役だ。)
— The enabler. You’re pretty good.
(支える役か。なかなかやるね。)
— Managers are more one-on-one. I’ve been with Doc since the beginning.
(マネージャーのほうが一対一の関わりが多い。私は最初からドクと一緒にいる。)
The Mentalist Season4 Episode9 (The Redshirt)
There’s a difference. は、「違いがある」と言い切る短い一文です。You’re the agent and you’re the manager. と二つの肩書きを並べてから、この一言で、同じ種類の仕事に見えても区別があることを示しています。
続く enforcer は、決まりや約束を守らせる側を指して使われることの多い語です。hand holder は、直訳すると「手を握る人」で、気持ちの面で寄り添う役のことです。enabler は、相手を支えて物事を進められるようにする人を指しますが、文脈によっては、望ましくない行動を助長する人という意味でも使われる語です。この場面で、どちらの響きなのかは、台詞だけでは決めにくいところです。
You’re pretty good. の pretty は、「かなり」と程度を表す副詞です。相手の言い当てに感心したことを、軽く伝える言い方になっています。
最後の Managers are more one-on-one. は、一般論の形で役割の違いを述べています。one-on-one は「一対一の」という意味です。I’ve been with Doc since the beginning. は、現在完了形の have been with ~ に since the beginning を添えて、「最初から一緒にいる」と関わりの長さを伝える言い方です。
「I get things done.」役割を一言で言い切る
このやり取りは、もう一つの呼び名へと続きます。
— You’re the mercenary.
(あなたは、報酬で動く人だ。)
— I get things done.
(私は物事をきちんと片づける。)
— It’s been two years since Doc’s been out. It’s time for a comeback.
(ドクが表に出なくなって2年になる。そろそろカムバックの時期だ。)
The Mentalist Season4 Episode9 (The Redshirt)
mercenary は、本来は金銭のために戦う傭兵のことです。そこから、報酬を目当てに動く人を指す語として使われます。人に向けると、やや辛口の響きになることが多い語です。
返事の I get things done. は、get things done の形で「物事を片づける」と言い、自分の仕事ぶりを短く言い切っています。呼び名に反論するのではなく、自分の働き方を一言で説明する返し方です。
最後の It’s been two years since ~ は、「〜から2年になる」と経過を述べる形です。since のあとには、Doc’s been out と現在完了の形が続いています。ドクについては、別の場面で、引退して2年だという話が出ています。It’s time for a comeback. の time for ~ は「〜の時期だ」で、comeback は復帰を指します。
まとめ|肩書きと役割名詞で人を言い分ける
名乗りの I’m the agent. や Manager.、違いを言い切る There’s a difference.、役割を表す enforcer、hand holder、mercenary と、人の立場を言い表す英語が三つのやり取りに並んでいました。
肩書きと役割名詞の違いを意識して観ると、人を言い分ける英語が見えてきます。次回も『メンタリスト』と一緒に、場面ごとの英語を読み解いていきましょう。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面ごとの英語の違いが見えてきます。


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