「a disagreement」と「a fight」はどう違う?言い換えと、事実を認め直す英語|『メンタリスト』S04E11で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「a disagreement」と「a fight」はどう違う?言い換えと、事実を認め直す英語|『メンタリスト』S04E11で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『メンタリスト』シーズン4第11話には、同じ出来事を「fight」と呼ぶか「disagreement」と呼ぶかで、聞こえ方が変わる場面があります。CBI(カリフォルニア州捜査局)が、殺害された弁護士の共同経営者に話を聞く中で、言葉の選び方がどう動くのかを追います。

ケンカを穏やかに言い換える表現と、言い換えが通らなくなる場面を、順に見ていきます。

目次

「It was a disagreement. Not a fight.」ケンカを言い換える

被害者の共同経営者への聞き取りで、捜査側は「ケンカをしたのか」と尋ねます。

— You had a fight with your partner, Alton Creek?
(パートナーのアルトン・クリークと、ケンカをしたんですか?)
— A disagreement, Agent. Not a–
(意見の相違です、捜査官。ケンカじゃ——)
— I’d like to hear from him, Ms. Santori.
(本人から聞きたいんです、サントーリさん。)
— It was a disagreement. Not a fight.
(意見の相違でした。ケンカではありません。)
— About money?
(お金のことで?)
The Mentalist Season4 Episode11 (Always Bet on Red)

a fight は、言い争いにも殴り合いにも使える語で、尋ねる側はこの語をそのまま使っています。これに対して a disagreement は、意見の食い違いを指す語です。ケンカは感情のぶつかり合いまで含みうるのに対し、disagreement は意見の違いに範囲が絞られる、というのが一般的な語感です。言い換える側は、同じ出来事を穏やかに聞こえる語へ置き換えようとしている、と読めます。

言いかけで途切れる Not a– は、直後に言い直しを入れようとする形です。呼びかけの Agent も、相手の立場を意識した改まった響きを足しています。I’d like to hear from him, Ms. Santori. では、「Ms. Santori」と呼びかけたうえで、本人の口から聞きたいと伝えています。

そのあと It was a disagreement. Not a fight. と、同じ言い換えが文の形で繰り返されます。It was X. Not Y. の形は、Y という見方を先に打ち消す言い方です。最後の About money? は、話題を一語に絞って確かめる短い問いで、about ~? だけで質問が成り立つ点も、会話で参考になる形です。

「I told you. Money.」理由を言い張る

続くやりとりでは、言い争いの理由が語られます。

— Go ahead. You can answer.
(どうぞ。答えていいですよ。)
— Yes, we argued over money.
(ええ、お金のことで言い争いました。)
— Some of his clients were behind in paying their bills, and I told Al to get on them about it.
(彼の依頼人の何人かが支払いを滞らせていて、アルに催促するよう言ったんです。)
— Look, he was my partner for 15 years.
(いいですか、彼とは15年間パートナーでした。)
— I had nothing but love for the guy.
(あの男には、好意しか抱いていませんでした。)
The Mentalist Season4 Episode11 (Always Bet on Red)

Go ahead. You can answer. は、答えてよいと促す一言です。Go ahead. は、相手に先を進めるよう許可する定型的な言葉です。argue over ~ は、〜をめぐって言い争うときの形で、ここでは over money と続いています。be behind in paying は支払いが遅れている状態で、get on them about it は、その件で相手に催促する、という作中の使い方です。

nothing but ~ は「〜だけ」という意味で、nothing but love は愛情しかなかった、という強い言い方になります。

このあと、建物の外にある防犯カメラの映像が示されます。映像に何が映っているかは、台詞では語られません。

— Doesn’t look much like love. What were you really arguing about?
(愛情があるようには見えませんね。本当は何で言い争っていたんですか?)
— I told you. Money.
(言ったでしょう。お金です。)
The Mentalist Season4 Episode11 (Always Bet on Red)

Doesn’t look much like love. は、示された映像と先ほどの言葉が食い違うと伝えています。look like ~ は見た目の印象を述べる形で、断定を避けた指摘になります。really を添えて、本当の理由を尋ねています。返ってきた I told you. Money. は、すでに答えたと言い張る形で、理由の一語だけを投げ返しています。

「That’s what your fight was about last week, wasn’t it?」言い換えが通らなくなる

場面が移り、別の聞き取りでも、共同経営者への問いが続きます。

— Guess what we found out?
(何が分かったと思います?)
— California Bar was investigating your law partner,
(カリフォルニア州弁護士会が、あなたの共同経営者を調べていました、)
— over his gambling.
(賭け事の件で。)
— That’s what your fight was about last week, wasn’t it?
(先週のケンカの原因は、それでしたね?)
— Yes. Alton was out of control.
(ええ。アルトンは手に負えなくなっていました。)
The Mentalist Season4 Episode11 (Always Bet on Red)

今度は問う側が、your fight という語を自分で使っています。先に「disagreement」と言い換えられていた出来事を、元の語で呼び直す形になっています。

That’s what ~ was about, wasn’t it? は、「〜の原因はそれでしたね」と確認を迫る言い方で、文末の wasn’t it? が念押しになります。これに対する Yes. Alton was out of control. は、問いをそのまま認める答えです。out of control は、手に負えない状態を指します。be out of control は人にも物事にも使え、ここでは名前を挙げた人物の状態を述べています。

この場面では、示された映像を前に言い換えが続かなくなっています。a disagreement で和らげた言い方が、your fight という元の語に戻されるところが、この場面の流れです。

まとめ|言い換えと、言い直せなくなる流れ

a disagreement と a fight の語感の違い、I told you. Money. のように理由を言い張る形、your fight と元の語に戻す問いかけを見てきました。同じ出来事でも、選ぶ語しだいで受け取り方が変わります。

次回も『メンタリスト』と一緒に、英語表現を見ていきましょう。

同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語が立体的に見えてきます。

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