海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン5第18話には、戻ってきた人を迎える短いやりとりが二つ出てきます。どちらも「うれしい」と伝える英語ですが、うれしさの向く先が少し違います。短い台詞なので、そのまま耳に残しやすい表現です。
会えたことを喜ぶ言葉と、戻ってきた気持ちを伝える言葉。台詞を手がかりに、二つの言い方を順に見ていきます。似ているだけに、違いを押さえておくと聞き分けやすくなります。
「It’s so good to see you.」会えたことをそのまま言う
迎えの場面でまず取り上げるのは、会えたことを喜ぶ一言です。
— It’s so good to see you.
(会えてうれしい。)
The Mentalist Season5 Episode18 (Behind the Red Curtain)
good to see you は、直訳すれば「あなたに会えてよい」で、相手に会えたことを喜ぶ定番の挨拶です。ここでは so が加わり、うれしさが一段強まっています。主語の It は、会えたという事実そのものを指していて、「あなたが好きだ」と人を評価するのではなく、「こうして会えている状況がうれしい」と述べる形です。そのぶん、親しさを押しつけない、気軽な挨拶になります。
この発言のすぐあとに、Hi. と How was L.A.? が続きます。How was ~? は、すでに終わった出来事や過ごした場所の様子を尋ねる形で、「〜はどうでしたか」にあたります。L.A. はロサンゼルスの略です。会えた喜びのあとに、様子を尋ねる問いが来る。挨拶から世間話へ移る流れが、短い間にまとまっています。
会えたことを喜ぶ言い方は、good to see you だけではありません。nice to see you なども同じ働きをする、とされます。ただし、この場面で使われているのは good のほうです。次の節では、この話題に続く発言を見ていきます。
「I’m really happy to be home.」戻った自分の気持ちを言う
L.A. の話題が出たあと、次のような発言が続きます。
— I learned a lot of really great stuff, but I don’t know how anybody lives there.
(すごくいいことをたくさん学んだけど、あそこでみんなどうやって暮らしているのかは分からない。)
— I’m really happy to be home.
(家に帰ってこられて、本当にうれしい。)
The Mentalist Season5 Episode18 (Behind the Red Curtain)
最初の発言は、but を境に前半と後半で調子が変わります。前半で学んだことを肯定し、後半でその土地での暮らしには疑問を向けています。stuff は「こと」「もの」を指す、くだけた名詞で、a lot of ~ stuff の形は、中身を細かく言わずに量だけを伝えます。how anybody lives there は、「どうして人々があそこで暮らせるのか」というニュアンスで、anybody が「だれも彼も」という広がりを持たせています。
続く I’m really happy to be home. は、この場面の中心になる一言です。happy to ~ は「〜できてうれしい」という形で、to be home が「家にいること」を表します。ここでの home は、いる場所そのものを指す語として使われています。
really は、うれしさを強める副詞です。強める語を足す点は、先ほどの so good と同じ発想です。文の頭ではなく、形容詞の直前に置かれるので、「うれしい」という気持ちの度合いだけが強まります。「本当に」「心から」と訳せる幅があり、和訳では前後の流れに合わせて選ぶことになります。so good と同じく、気持ちの強さを一語で足しています。同じやりとりの少しあとにも be back という似た言い方が出てくるので、並べて比べてみます。
「It’s good to be back.」と「It’s good to see you.」向きの違い
その少しあと、ヴァン・ペルトを呼んで迎える声が加わります。
— Van Pelt! Welcome back.
(ヴァン・ペルト! おかえりなさい。)
— Thanks, boss. It’s good to be back.
(ありがとう、ボス。戻ってこられてうれしいよ。)
— It’s good to see you.
(会えてうれしいよ。)
The Mentalist Season5 Episode18 (Behind the Red Curtain)
Welcome back. は、戻ってきた人を迎えるときに使われる言い方で、back の一語が「戻って」を担っています。それに対する返事は、呼びかけを受けた形で返されます。boss はここでは呼びかけの語で、返事の中で相手を呼ぶのに使われています。It’s good to be back. は、戻ってきたことを喜ぶ言い方です。そのあとの It’s good to see you. は、会えたことを喜ぶ言い方になっています。
二つの違いは、うれしさが何に向いているかです。
| 表現 | うれしさの向き |
|---|---|
| good to see you | 目の前の相手に会えたこと |
| good to be back | 元の場所に戻ってこられたこと |
see you は相手が主役で、be back は戻った本人の居場所が主役です。会えた側も戻った側も、どちらも「うれしい」と言えるので、状況に合わせて言葉を選ぶことになります。I’m really happy to be home. も後者の仲間で、戻った場所を home と呼んでいます。同じ場面に両方が並ぶので、向きの違いを聞き分けやすいやりとりです。
まとめ|会えた喜びと、戻った喜び
good to see you は会えた相手に向けた喜び、good to be back や happy to be home は戻った場所に向けた喜びです。Welcome back. で迎えられたときは、be back で受けると、作中のやりとりと同じ形になります。
次回も『メンタリスト』と一緒に、場面の英語を味わっていきましょう。
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