「What, this old thing?」と「That’s amazing. Thank you.」はどう違う?|『メンタリスト』S06E04で学ぶ英会話

『The Mentalist』コラム: 「What, this old thing?」と「That's amazing. Thank you.」はどう違う?|『メンタリスト』S06E04で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『メンタリスト』シーズン6第4話の後半には、短い質問への軽い返しと、思いがけない用意を知らされたときの驚きと礼が、続けて出てくる短い会話があります。

話題にされたことを小さく扱う返し方と、驚きを述べて礼を言う返し方では、受け答えの向きが変わります。どちらも短い言葉ですが、働きは異なります。その二つの違いを、会話の流れに沿って順に見ていきます。

目次

「What, this old thing?」話題にされたことを軽く返す形

会話は、短い質問から始まります。

— Did you change?
(着替えた?)
— What, this old thing?
(え、こんな古いもの?)
The Mentalist Season6 Episode4 (Red Listed)

Did you change? は、change(変える・着替える)を使った過去の疑問文です。目的語がない形なので、日常では「着替えた?」の意味で使われることがあります。この台詞では何を変えたのかは示されません。

返しの What, this old thing? は、疑問文の形をしていますが、答えを求める質問というより、聞かれたことを受けて聞き返す一言です。冒頭の What, は、相手の言葉を受けて返すときの切り出しです。this old thing は、this(この)、old(古い)、thing(物)を重ねた言い方で、thing を使うと、具体的な名前を出さずに指すことができます。

話題にされた物を、たいしたものではないように言う場面でも、この形は使われます。ただし、ここでの返しが本心なのか冗談なのかは、台詞だけでは決まりません。Yes や No で答えず、聞き返す形で受けている点が、この返しの特徴です。

たとえば Yes と答えれば、変えたという事実がそのまま伝わります。What, this old thing? のように聞き返すと、話の焦点は「変えたかどうか」から「その物自体」へ移ります。対象を this で指すのは、目の前にあるものや、いま話題に出ているものを指す形です。前に old を置いているので、使い込まれた物という響きが加わります。

「That’s amazing. Thank you.」驚きと礼を続ける形

同じ会話の少しあとで、目の前に出てきた物をめぐるやりとりが続きます。

— Wait. What’s this?
(ちょっと待って。これ、なに?)
— It looks like a hotel room key.
(ホテルの部屋の鍵に見える。)
— Wait. You didn’t, did you?
(待って。まさか、やったんじゃないよね?)
The Mentalist Season6 Episode4 (Red Listed)

Wait. は、相手の言葉や目の前のものに反応して、いったん止まる一言で、この短い会話の中に2回出てきます。What’s this? は What is this? の縮約形で、目の前にあるものを尋ねる基本の形です。It looks like ~ は「〜のように見える」で、見た目から判断する形です。You didn’t, did you? は、否定文のあとに did you? を付けた付加疑問で、相手がそうしたのではないかと、驚きを含めて確かめる形になっています。

— I did. The honeymoon suite. Mrs. Capello is watching Ben.
(やった。ハネムーンスイート。カペロさんがベンを見てくれている。)
— That’s amazing. Thank you.
(すごい。ありがとう。)
The Mentalist Season6 Episode4 (Red Listed)

did you? という問いには、I did. と助動詞だけで答えるのが基本の形です。確かめられた側は、そう短く認めたあと、The honeymoon suite. と名詞だけで補います。is watching は、いま見ている最中の状態を表す進行形で、watch には「見守る」「面倒を見る」といった使い方があります。カペロさんは、子どもを見てくれる人として台詞に出てきます。

知らされた側は、That’s amazing. で驚きを述べ、Thank you. で礼を続けています。amazing は驚きや称賛を表す形容詞で、That’s は、直前に示された内容を指しています。形容詞の前に That’s を置く形は、目の前の事柄への感想を、短く言い切るときに使えます。

二つの返し方の違い

並べると、受け答えの向きの違いが見えてきます。

台詞 受けた内容 返しの向き
What, this old thing? 変えたかという問い 聞き返す形で、話題を軽く扱う
That’s amazing. Thank you. 用意されていたことを知らされた 驚きを述べ、礼を言って受け取る

前者は、問いに答えずに聞き返し、話題になった物を小さく扱う形です。後者は、amazing という評価の語で驚きを示し、Thank you. で受け取る形になっています。なお前者では、疑問符で終わりながら答えを返さないのに対し、後者では、驚きの語と礼の語が一つずつ並び、言いたいことが二つに分かれて示されます。

後者のように、驚きと礼を一息で続けると、相手の用意したことを受け取る気持ちが短い言葉で伝わります。前者は、相手の注目をかわす響きが出ます。二つの返しは、どちらも短く言い切る形ですが、受け取る側に伝わる内容は変わります。どちらが丁寧かを決めるのではなく、話題を小さくしたいのか、相手の用意を受け取りたいのかで選ぶと考えると、整理しやすくなります。

まとめ|返し方の向きで変わる二つの言い方

What, this old thing? は話題を軽く扱う返し、That’s amazing. Thank you. は驚きを述べて礼を言う返しです。同じ会話の中でも、受け答えの向きが分かれています。

次回も『メンタリスト』の場面と一緒に英語を学んでいきましょう。

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