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『フレンズ』シーズン6第22話では、ジョーイがクリーニング店に何度も足を運び、外されていた自分の写真をもう一度壁に飾ってほしいと頼む場面があります。ところが店主には、まず自分が誰なのかを思い出してもらうところから始める流れです。
久しぶりの相手に名乗り直す言い方、断られたときの食い下がり方、不在の相手への伝言の頼み方を、3回の来店に沿って見ていきます。
「Who are you?」覚えていない相手に、手がかりを添えて名乗る
クリーニング店の壁には、有名人の写真が並んでいます。ジョーイの写真も以前はそこに飾られていましたが、外されていました。フィービーと一緒に店を訪れたジョーイは、カウンターで店主に話しかけます。
Joey: Hey. So, I’m back.
(よう。また来たぜ。)
The Dry Cleaner: Who are you?
(どちらさん?)
Joey: Joey Tribbiani. From the wall?
(ジョーイ・トリビアーニだよ。壁の。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
So, I’m back. は「戻ってきたよ」と、相手が自分を覚えている前提で切り出す言い方です。ところが返ってきたのは Who are you? という、名前から尋ねる問いでした。店主はジョーイのことを覚えていません。
そこでジョーイは、名前に From the wall? と手がかりを足します。from ~ は「〜の」と、相手と自分をつなぐ場所や所属を示す使い方で、「ほら、あの壁の」と思い出してもらおうとします。久しぶりに会う相手に名乗るときは、名前だけでなく、どこで会ったかを添えると思い出してもらいやすくなります。
写真を見せて思い出してもらおうとしたあと、ジョーイは用件を切り出します。
Joey: Okay, anyway, I’m ready to go back up on the wall. I’m the star of a new TV show.
(まあいいや、とにかく、壁に戻る準備はできてる。新しいテレビ番組の主役なんだ。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
anyway は、うまくいかなかった話を切り上げて本題に移るときの言葉です。I’m ready to ~ は「〜する準備ができている」という意味で、頼みごとを自分の側の準備が整ったという言い方で伝えます。続けて新しい番組の主役だと理由を添える順番です。
「Then it’s not on the wall yet.」相手の言葉の形で言い返す
番組のことを聞かれたジョーイは、こう答えます。
Joey: Well, it’s not on TV yet.
(いや、まだテレビではやってないんだ。)
The Dry Cleaner: Well, then it’s not on the wall yet.
(なら、まだ壁にも飾らない。)
Joey: Okay, fine. I will bring you a tape, huh?
(わかったよ。じゃあテープを持ってくるからな。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
店主の返しは、ジョーイの it’s not on TV yet の形をそのまま借りて、TV を the wall に置き換えたものです。then は「それなら」と、相手の言ったことを条件にして結論を出す言葉で、短いながら筋の通った断り方と言えます。ジョーイは I will bring you ~. と、証拠を持ってくると約束してその場を収めます。
次に店を訪れたジョーイは、テープを見たかどうかから確かめます。
Joey: Hey. So, did you watch the tape of my show?
(よう。で、俺の番組のテープ、見てくれた?)
The Dry Cleaner: I did.
(見た。)
Joey: All right. Let’s get me back up there.
(よし。じゃあ俺をあそこに戻してくれよ。)
The Dry Cleaner: No, you don’t go up on the wall.
(いや、壁には飾らない。)
Joey: But you saw the show.
(でも番組は見たんだろ。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
Did you ~? と聞かれて I did. と返すのは、動詞を繰り返さずに肯定する短い答え方です。店主はそれ以上何も足さず、ひと言で答えています。ジョーイの Let’s get me back up there. は、Let’s に me を続けて「俺を戻そう」と相手を巻き込む言い方で、頼むというより話が決まったかのように進める言い方です。断られたあとの But you saw ~. は、相手がした行動を持ち出して「それなら」と食い下がる形です。
「Make sure you tell him」不在の相手に伝言を頼む
3回目、ジョーイはたくさんの服を抱えて店に来ます。ところがカウンターにいたのは店主ではなく、女性の店員でした。
Female Clerk: He’s not here right now.
(今はおりません。)
Joey: Oh, you’re kidding me.
(おいおい、うそだろ。)
Joey: All right, make sure you tell him that Joey Tribbiani stopped by to drop off all these clothes. I’m an actor.
(わかった、ジョーイ・トリビアーニがこの服を全部預けに寄ったって、ちゃんと伝えといてくれ。俺は俳優なんだ。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
He’s not here right now. は、目当ての人が不在だと伝える決まった言い方で、right now を付けると「今は」と一時的な不在であることが伝わります。ジョーイの You’re kidding me. は「冗談だろ」と、期待が外れたときに思わず出る反応です。
伝言の頼み方は make sure you tell him that ~ の形です。make sure ~ は「忘れずに〜して」と念を押す形で、tell him that ~ の後ろに伝えてほしい内容を文で続けます。ジョーイは自分のことを名前で呼び、第三者の立場から伝言の文を組み立てています。
stop by は「立ち寄る」、drop off は「(物を)預ける、置いていく」という句動詞で、stopped by to drop off ~ とつなぐと「〜を預けに寄った」になります。最後の I’m an actor. は、写真を飾ってほしい理由を一言で添えたものです。服を預けて客として来たことを伝え、店主に伝言を残すところまでが、この3回目の来店の流れです。
まとめ|名乗り直しから伝言までの英語
From the wall? で名乗り直し、Then it’s not on the wall yet. と言い返され、But you saw ~. で食い下がり、Make sure you tell him that ~ で伝言を残すまでを見てきました。頼みごとの運び方が来店ごとに変わります。
ジョーイの来店の場面を続けて観ると、同じ頼みごとの言い回しの違いが見えてきます。
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