海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第4話では、ロスの部屋へ移ることになったレイチェルが、モニカと暮らしてきた部屋で荷造りをしています。台所の道具や燭台がどちらのものかをめぐって、二人の間で短いやり取りが何度か交わされます。
一緒に暮らした相手と持ち物を分けるとき、どう確かめて、どう返すか。言い張る言い方と引き下がる言い方の両方を、場面の順に見ていきます。
「And it’s a magnet.」名詞ひとつで答えて、ひと言付け足す
最初の場面は台所です。荷造りの途中で、台所の物のうちどれが自分のものかと聞かれたモニカは、こう答えます。
Monica: This bottle opener.
(この栓抜き。)
Rachel: And…?
(それと……?)
Monica: And it’s a magnet.
(それに、磁石付き。)
Rachel: Look at that.
(あら、ほんと。)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
問いかけは Which of ~ is mine? の形で、「〜のうち、どれが自分のものか」をたずねています。それに対するモニカの答えは This bottle opener. だけです。文の形にせず、指し示す物の名前だけで答えても、英語の会話では十分に通じます。
レイチェルの And…? は、「それで?」「ほかには?」と続きを促す短い返しです。語尾を上げて言えば、相手にもう一つ答えを出してほしいという合図になります。ところが、モニカが続けたのは別の物ではなく、同じ栓抜きについての And it’s a magnet. という付け足しでした。台所の物でレイチェルのものとして挙がったのは、この栓抜き1つです。
最後の Look at that. は、直訳すると「あれを見て」ですが、ここでは目の前の物に軽く感心したり驚いたりするときの言い方として使われています。物の持ち主を確かめる場面でも、答えは名詞ひとつ、相づちもひと言で済み、会話のテンポが崩れないことが分かります。
「Aren’t these candlesticks mine?」否定疑問で確かめ、いったん引き下がる
続いて居間では、箱詰めを手伝っていたモニカが燭台を手に取ってたずねます。
Monica: Hey, Rach, aren’t these candlesticks mine?
(ねえ、レイチ、この燭台って私のじゃない?)
Rachel: No, no, I bought those.
(ううん、それは私が買ったの。)
Monica: Oh, right. I forgot…
(あ、そうだった。忘れてた……)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
Aren’t these ~ mine? は否定疑問文で、「これって私のだよね?」と、自分のものだと思っている前提でたずねる形です。Are these mine? と聞くより、答えに「はい」を期待している響きが強くなります。レイチェルは I bought those. と、誰が買ったかを根拠にして返しています。モニカの Oh, right. I forgot… は、相手の言い分を受けていったん引き下がる言い方です。
そのあとモニカは燭台を引き出しにしまい、場面が移ると、レイチェルがその引き出しから燭台を見つけます。
Rachel: Monica…
(モニカ……)
Rachel: Did-did you take these back?
(これ、取り返したでしょ?)
Monica: No, no. I just… I liked them so much that I went out and bought some for myself.
(ううん、違うの。私はただ……すごく気に入ったから、自分用に同じのを買ってきたの。)
Rachel: Oh. Yeah, they’re really great, aren’t they?
(へえ。そうね、ほんとに素敵よね?)
Monica: I love them.
(大好き。)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
take ~ back は「〜を取り戻す」という意味です。Did you ~? の過去形でたずねているので、「もう取り返したよね」と、すでに起きたことを確かめる形になっています。モニカの返事は so ~ that … の形で、「とても気に入ったので、自分用に買ってきた」と理由を添えています。レイチェルの they’re really great, aren’t they? は付加疑問で、相手の言い分にいったん話を合わせる形になっています。
「That seems fair.」1つずつ分けて、決着をつける
燭台の件は、最後にモニカの提案で落ち着きます。
Monica: You just want to each take one?
(じゃあ、1本ずつ持つことにする?)
Rachel: Yeah, that seems fair— we never use them.
(うん、それが公平ね。どうせ使わないし。)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
You just want to each take one? は、平叙文の語順のまま語尾を上げてたずねる形です。each take one で「それぞれが1つずつ取る」を表し、2つある物を二人で分ける案をそのまま言葉にしています。文頭近くの just には「いっそ」「もう」と、これで話を終わらせようという気持ちがにじみます。
レイチェルの That seems fair. は、「それなら公平だと思う」と提案を受け入れる返事です。fair は「公平な」で、言い合いのあとに折り合いをつけるときに使われることの多い語です。seems を挟むことで、言い切るより少し柔らかく同意しています。続く we never use them は、「どうせ使わないし」と、分けても困らない理由を付け足した一言です。
この回のやり取りで使われた言い方を整理すると、次のようになります。
| 場面 | 英語 | 働き |
|---|---|---|
| 自分のものだと確かめる | Aren’t these ~ mine? | 「私のでしょ?」と前提を込めてたずねる |
| 持ち主を示す | I bought those. | 誰が買ったかを根拠に返す |
| 引き下がる | Oh, right. I forgot… | 相手の言い分をいったん受け入れる |
| 分けて決める | each take one / That seems fair. | 1つずつ分け、公平だと同意する |
持ち物を分ける話し合いは、主張と同意が短い文で行き来します。理由を一言添えるだけで、言い分の伝わり方が変わることが分かります。
まとめ|持ち物を分けるときの英語
Which of ~ is mine? への短い答え方、Aren’t these ~ mine? で確かめる言い方、I bought those. と根拠を返す言い方、each take one と That seems fair. で折り合う言い方を見てきました。言い張る・引き下がる・分け合う言い方がそろうと、話し合いの流れが追いやすくなります。
荷造りの場面の短いやり取りにも、英語の工夫が詰まっています。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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