海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第5話では、カフェのセントラルパークでジョーイが誰かの置き忘れた車の鍵を拾います。持ち主を探すはずが、ジョーイはその高級車のそばで持ち主のように振る舞い始め、やがて本当の持ち主が現れます。
拾った物について「これ、誰の?」と尋ねる言い方から、「自分のです」「自分のじゃない」と答える言い方、持ち主が名乗り出たときのやり取りまで、場面の順にたどっていきます。
「These yours?」拾った鍵の持ち主を探して声をかける
鍵を拾ったジョーイは、まず店のスタッフのガンターに声をかけます。
Joey: Hey, Gunther, these yours?
(なあ、ガンター、これお前の?)
Gunther: Yeah, that’s what I drive.
(ああ、それが僕の乗ってる車さ。)
Gunther: I make four bucks an hour. I saved up for 350 years.
(時給4ドルでね。350年かけて貯めたんだ。)
Friends Season6 Episode5(The One with Joey’s Porsche)
These yours? は Are these yours? の主語と動詞を省いた形で、物を見せながら聞くときのくだけた言い方です。鍵は複数形の keys なので、指す語にも these が使われます。ガンターの That’s what I drive. は「それが僕の乗っている車だ」という意味ですが、続けて時給4ドルで350年貯めたと言っているので、冗談として返していることが分かります。
ガンターの物ではないと分かると、ジョーイは店にいる人全員に向けて聞き直します。
Joey: Hey, did anybody lose their keys?
(なあ、誰か鍵なくしてない?)
Monica: Joey, why don’t you put them in the lost and found?
(ジョーイ、落とし物箱に入れておいたら?)
Joey: My shoe!
(俺の靴!)
Chandler: You left a shoe here?
(靴を置き忘れてたのか?)
Friends Season6 Episode5(The One with Joey’s Porsche)
Did anybody lose ~? は、持ち主が分からない物について周りにまとめて尋ねる形です。anybody で受けているので、続く所有格は their になっています。モニカの Why don’t you ~? は「〜したらどう?」と軽く勧める言い方で、the lost and found は店や施設に置かれていることの多い落とし物の保管場所を指します。その箱から、ジョーイは自分が置き忘れていた靴を見つけ出します。
このあとジョーイは、持ち主の車を探して leave a note on the windshield(フロントガラスにメモを残す)と言って店を出ていきます。
「It’s… mine」持ち主ではないのに言い直してしまう
店の先の通りで車にメモを書いていると、通りがかりの男性に車をほめられ、続いて女性が声をかけてきます。
Joey: Yeah. It’s, uh… it’s not mine.
(ああ。それ、えっと……俺のじゃないんだ。)
Woman: I love your car.
(あなたの車、すてき。)
Joey: Yeah. It’s… mine.
(うん。それは……俺のだ。)
Woman: I’ll bet it’s fast.
(きっと速いんでしょうね。)
Joey: Me, too. Yeah.
(俺もそう思う。うん。)
Friends Season6 Episode5(The One with Joey’s Porsche)
It’s not mine. と It’s mine. は、所有代名詞 mine を使って持ち主かどうかを言う短い形です。男性には正直に「自分のではない」と答えていたジョーイが、女性に your car と言われると、同じ It’s から始めて言葉を詰まらせ、mine と言い直します。一語の違いで話の向きが逆になる流れが、短い会話の中に収まっているのが分かります。mine は my car を一語で言い換えた形です。
女性の I’ll bet ~ は「きっと〜だろう」と推測を言う口語表現です。ジョーイの Me, too. は本来、相手と同じ気持ちだと伝える返事ですが、ここでは自分の車ではないので速さを知らない、というずれがそのまま出ています。
翌日、ジョーイは車のそばにいると人が親しげに話しかけてくると仲間に話し、モニカに道具を借りて車を洗いに出かけます。
「Yeah, but it’s my wax」本当の持ち主が現れたとき
ジョーイが車を磨き終えるころ、車の持ち主が現れ、That’s my car.(それは私の車です)と声をかけます。何をしているのかと聞かれたジョーイは、こう答えます。
Joey: Oh, I… I found the keys and now I’m just polishing her up.
(ああ、俺……鍵を見つけてさ、今はちょっと磨いてるところ。)
— But it’s my car.
(でも、僕の車なんだけど。)
Joey: Yeah, but it’s my wax.
(うん、でもワックスは俺のだから。)
Friends Season6 Episode5(The One with Joey’s Porsche)
But it’s my car. の But は、相手の説明を受けたうえで「それでも」と自分の言い分を出す働きをしています。ジョーイは同じ Yeah, but it’s my ~ の形をそのまま使い、車ではなくワックスの持ち主だと言い返します。所有を言い合う形を借りた冗談で、言い分としてはかみ合っていません。
持ち主に鍵を返したあと、ジョーイはこう続けます。
Joey: I’ll save you a parking spot.
(駐車スペース、取っておくよ。)
— I’m not coming back.
(もう来ないよ。)
Friends Season6 Episode5(The One with Joey’s Porsche)
save ~ a spot は「〜のために場所を取っておく」という言い方で、また来る相手への申し出として使えます。持ち主の I’m not coming back. は現在進行形で、戻ってくる予定がないことをはっきり伝える返事です。Why not? と理由を聞くジョーイに、持ち主は北部に住んでいると答えます。少し前、車のそばで話した男性に、ジョーイは北部に家があるかのように話を合わせていました。そのため最後の Yeah, so did I.(俺もそうだった)が、作り話の終わりを告げるオチとして響きます。
まとめ|持ち主を探す・名乗る英語
These yours? と Did anybody lose their keys? で持ち主を探し、It’s not mine. と It’s mine. で持ち主かどうかを伝え、That’s my car. で名乗る流れを見てきました。どれも短い文なので、場面ごとに覚えておくと使いやすくなります。
鍵一つから話が広がっていく回を、所有の言い方に耳を傾けながら観ると、また違った面白さが見えてきます。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で取り上げています。


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