海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第24話では、慈善イベントのオークションでヨットを落札したものの代金を払えないジョーイのために、レイチェルが別の入札者にヨットを買ってもらおうとする場面があります。乗り気でない相手に、レイチェルは言葉を変えながら売り込みます。
断られたあとにどう話をつなぐかは、英語でも迷いやすいところです。話の切り出し方、角の立たない断り方、楽しみを並べる売り込み方を順に見ていきます。
「This is your lucky day」良い知らせとして話を切り出す
ジョーイは入札を「予想」だと思い込み、2万ドルでヨットを落札してしまいました。そこでレイチェルは、2番目に高い額を付けた人に買ってもらい、差額をジョーイが払うという案を出します。その入札者がボウモントさんです。ジョーイがテーブルを訪ねてボウモントさんを見つけると、話を切り出すのはレイチェルです。
Rachel: Well, hello.
(あら、こんにちは。)
Rachel: This is your lucky day, Mr. Bowmont.
(今日はついてますよ、ボウモントさん。)
Friends Season6 Episode24(The One with the Proposal, Part 1)
This is your lucky day. は「あなたにとって運のいい日ですよ」と、これから良い知らせを伝えると予告する言い方です。相手がまだ事情を知らない段階で使うと、話を聞く気になってもらうための前置きとして働きます。直前の Well, hello. は、見知らぬ相手に愛想よく声をかけるひと言です。
レイチェルは続けて、ヨットがまた空いたことを伝え、I believe that you made a bid of $18,000. と相手の入札額を持ち出します。I believe (that) ~ は「〜だったと思いますが」と、相手の側の事実を断定せずに確かめる言い方です。ジョーイも It’s not just a guess. と口を挟み、入札は予想ではないと念を押します。入札を予想だと思っていたのはジョーイ自身なので、この一言には自分の勘違いがそのまま裏返って入っています。
ところが返ってきたのは、ヨットを落札できなくてほっとしていた、という返事でした。ここから、乗り気でない相手への売り込みが始まります。
「I don’t think so, dear」断られても、提案を変えて続ける
レイチェルは相手の妻の名前を聞き出し、その名前をヨットに付ける案を出します。
Mr. Bowmont: It’s Pam.
(パムだよ。)
Rachel: Pam. Oh, God. Just imagine this, the Pam.
(パム!まあ。想像してみてください、「ザ・パム」号。)
Friends Season6 Episode24(The One with the Proposal, Part 1)
Just imagine this は「ちょっと想像してみて」と、相手の頭に場面を思い浮かべさせる命令文です。just が付くことで、気軽に考えてほしいという調子が加わります。
ボウモントさんの I don’t think she’d like that.(妻は気に入らないと思うね)は、I don’t think で否定を前に出し、would で控えめに推量する形です。「気に入らない」と言い切らず、断りの角を丸めています。レイチェルは妻の名前がだめなら本人の名前で、と案を変えて食い下がります。
Mr. Bowmont: I don’t think so, dear.
(やめておくよ、お嬢さん。)
Rachel: Okay, look, let me paint you a little picture.
(わかりました、じゃあ、ちょっと場面を描いてみせますね。)
Friends Season6 Episode24(The One with the Proposal, Part 1)
I don’t think so. は、提案や誘いを断るときに使われることの多い短い返事です。dear は親しみを込めた呼びかけで、年上の人が年下の相手に使うことがあります。レイチェルの Okay, look, は「わかった、じゃあ聞いて」と、断りを受け止めたうえで話を仕切り直す切り出しです。ここで提案の中身を変え、名前ではなく、ヨットのある暮らしそのものを描く方向に切り替えています。
「You can go fishing」手に入れたあとの楽しみを並べる
レイチェルはボウモントさんの隣に座り、ヨットに乗る場面を次々に挙げていきます。
Rachel: You get back to nature. You can go fishing.
(自然に帰れるんです。釣りにも行けますよ。)
Rachel: You c-can get one of those little hats and have people call you “captain.”
(あの小さな帽子をかぶって、みんなに「キャプテン」って呼んでもらえるんです。)
Rachel: And then, when you’re old, “cappy.”
(それで、年を取ったら「キャッピー」って。)
Friends Season6 Episode24(The One with the Proposal, Part 1)
You get ~. You can ~. と主語を you にそろえ、相手自身の体験として楽しみを並べています。品物の説明ではなく、持ち主になったあとの暮らしを語る形です。have people call you “captain” は「have+人+動詞の原形」で「人に〜してもらう」という使役の形になります。when you’re old で、先の楽しみまで話を広げています。
Joey: All that stuff you just said, I want that!
(今言ったこと全部、俺が欲しいんだよ!)
Rachel: Joey, you don’t have $20,000.
(ジョーイ、2万ドルなんて持ってないでしょ。)
Joey: Who cares? I’ll make payments. Whatever it takes. I want the Mr. Bowmont.
(知るかよ。分割で払う。何としてでもだ。「ミスター・ボウモント」号が欲しいんだ。)
Friends Season6 Episode24(The One with the Proposal, Part 1)
ボウモントさんは It’s for a good cause. と、慈善のためという理由を添えて承諾します。ところが横で聞いていたジョーイが No way. と止めに入ります。All that stuff you just said を文頭に出して「今言ったこと全部」を強調し、I want that! と続けています。売り込みの言葉が、売る側にいたはずのジョーイに効いてしまうという落ちです。Whatever it takes. は「どんなことをしてでも」と、決意を短く示すひと言として使われます。
まとめ|断られたあとの売り込みの英語
This is your lucky day で話を切り出し、I don’t think so の断りを Okay, look, で受け止め、You can ~ で楽しみを並べる流れを見てきました。提案の中身を変えながら話をつなぐ言い回しが、場面ごとに使われています。
断る側と売り込む側の言葉の違いに注目しながら観ると、同じ場面がまた違って見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、別の場面の英語を紹介しています。


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