海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第23話では、レイチェルが、自分のことをあまり話さない交際相手のポールに、気持ちを話してほしいと働きかけます。問いかけを重ねるうちに、ポールは子どものころの話を始めます。
「心を開く」「気持ちを分かち合う」は、英語では open up と share で表せますが、二つの働きは少し違います。違いの整理に加えて、話を引き出す問いかけと、話してくれた相手へのひと言も見ていきます。
「I wish I could get him to open up」open up と share の違い
カフェのセントラルパークで、フィービーにポールとの様子を聞かれたレイチェルは、ポールは自分のことを話さない人だと打ち明けます。続けて、こう相談します。
Rachel: You know, I wish I could get him to open up a bit. Share some feelings.
(ねえ、彼にもう少し心を開いてほしいの。気持ちを話してほしいのよ。)
Phoebe: That’s easy. You just have to think of him as a jar of pickles that won’t open.
(簡単よ。ふたの開かないピクルスの瓶だと思えばいいの。)
Friends Season6 Episode23(The One with the Ring)
open up は、閉じていたものが開くイメージから「心を開いて話し出す」という意味で使われます。主語は話す本人で、その人の変化を表します。get him to open up は「彼が心を開くようにする」で、get + 人 + to ~ で相手に働きかける形になっています。
一方の share は「分け合う」が中心の意味で、share some feelings なら「気持ちを相手と分け合う」、つまり気持ちを言葉にして伝える行為を指します。二つを並べると、次のように整理できます。
| 表現 | 中心の意味 | 作中での使われ方 |
|---|---|---|
| open up | 心を開いて話し出す(人の変化) | 彼に心を開いてほしい |
| share feelings | 気持ちを分け合う(伝える行為) | 気持ちを話してほしい・話してくれた |
| share food | 食べ物を分け合う | 一緒に食べに行こう |
フィービーの返事は、開かない瓶にたとえた冗談めかした助言です。won’t open の won’t は、物が「どうしても〜しない」と言うときにも使われ、ここではなかなか開かない様子を表しています。
「Tell me about your day」話を引き出す問いかけ
場面がジョーイとレイチェルの部屋に移り、二人が出かける支度をしています。ポールが店を予約したと伝えると、レイチェルはその前に話をしようと持ちかけます。
Rachel: Yeah, that’s great.
(うん、いいわね。)
Rachel: But first, wait, talk to me, talk to me. Tell me about your day.
(でもその前に、待って、話して、話して。今日のことを聞かせて。)
Paul: It was fine.
(普通だった。)
Rachel: Hey, what are you thinking? What are you thinking right now?
(ねえ、何を考えてるの?今、何を考えてる?)
Friends Season6 Episode23(The One with the Ring)
Tell me about your day. は、相手の一日の出来事を聞くときの声かけです。How was your day? と比べると「話を聞かせて」と促す響きが出ることがあり、相手に話してもらいたいときに使えます。ポールの It was fine. は「問題なかった」と一言で済ませる答えで、話が広がりません。そこでレイチェルは What are you thinking right now? と、今の考えを尋ねる問いに切り替えます。
このあとレイチェルは、ポールの strong, silent exterior(強くて寡黙な外見)の内側を知りたいと言い、さらに子どものころについて尋ねます。
Rachel: I don’t know anything about you. You know, like your childhood. Tell me about your childhood.
(私、あなたのこと何も知らないの。ほら、子どものころのこととか。子どものころの話を聞かせて。)
Paul: Normal.
(普通。)
Friends Season6 Episode23(The One with the Ring)
Tell me about ~ の後ろに your childhood を入れると、話題を具体的に指定して促す形になります。それでも答えは Normal. の一語です。レイチェルは最後に I’m not asking for a lot here.(多くを求めているわけじゃない)と前置きし、Just give me something.(何か一つでいいから話して)と頼みます。求めるものを小さくして、話す入り口を作る言い方です。
「you’ve shared your feelings」話してくれた相手へのひと言
頼まれたポールは、6歳のころに欲しかったおもちゃの代わりに別のものを買ってもらい、からかわれた話をします。レイチェルは I already feel like I know you a little better.(もう少しあなたのことがわかった気がする)と礼を言い、食事に出かけようとします。
時間がたっても、ポールは泣きながら話を続けています。レイチェルはこう声をかけます。
Rachel: Listen, Paul, I think this is really great that… …you know, you’ve shared your feelings. It’s really…. It’s beautiful.
(ねえ、ポール、本当にすてきだと思うの……その、気持ちを話してくれたことが。本当に……すばらしいわ。)
Rachel: But, um, what do you say we go share some food?
(でも、ねえ、そろそろ一緒に何か食べに行かない?)
Friends Season6 Episode23(The One with the Ring)
you’ve shared your feelings は現在完了で、「気持ちを話してくれた」ことを今につながる出来事として受け止めています。直後の share some food は、同じ share を食べ物に使った言い方で、話から食事へ話題を移す言葉遊びになっています。what do you say we ~? は「〜しない?」と提案するくだけた形です。
場面がモニカたちの部屋に移り、まだ泣いているのかとモニカに聞かれたレイチェルは、こう答えます。
Rachel: I know, I know, I know. This is all my fault. I wanted him to open up.
(わかってる、わかってる。全部私のせいなの。彼に心を開いてほしかったのよ。)
Friends Season6 Episode23(The One with the Ring)
I wanted him to open up. は、最初の相談で使った open up を過去形で振り返る形です。want + 人 + to ~ で「人に〜してほしい」と、相手に望んでいたことを表しています。最初の相談では I wish I could ~ で今の願いとして口にしていたのに対し、ここでは wanted と過去形になり、すでに起きたことを振り返る言い方に変わっています。
まとめ|open up と share の使い分け
open up は心を開いて話し出す本人の変化、share は気持ちや物を分け合う行為を表します。Tell me about your day. や Just give me something. のような促し方とセットにしておくと、相手に話してもらいたい場面で言葉を選びやすくなります。
レイチェルとポールのやりとりを観ながら、相手の話を引き出す英語にも耳を傾けていきましょう。
open up と share のほかにも、この回の英語は同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で取り上げています。


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