海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第4話で、ロスは大学の古生物学科から客員講師を頼まれます。初めての講義の日、ロスは仲間の集まるカフェのセントラルパークに来て、本番の前に、話す内容をまず仲間に聞いてほしいと頼みます。
英語の発表やスピーチにもそのまま生かせる場面です。人前で話す前に練習を聞いてもらう頼み方、助言の出し方と退け方、終わってからの報告と応援の言葉を、場面の順に見ていきます。
「Do you mind?」練習台になってほしいと頼む
客員講師の話は、前の場面の電話で決まったものです。ロスは仲間に、一時的な仕事だが気に入られれば常勤の仕事につながるかもしれない、と説明していました。講義の当日、カフェにやって来たロスはこう切り出します。
Ross: Hey, uh, well, today’s my first lecture and I kind of wanted to try it out on you guys. Do you mind?
(やあ、えっと、今日が最初の講義なんだけど、ちょっとみんなで試させてもらいたくてさ。いいかな?)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
Today’s my first ~. は「今日が初めての〜だ」と、その日が本番であることを伝える言い方です。続く try it out on you guys の try ~ out on 人 は、「〜を人に試してみる」という意味です。ここでは講義の内容を、仲間を聞き手にして一度やってみたいという頼みです。
I kind of wanted to ~ は、I want to ~ をやわらげた形です。kind of を挟み、過去形の wanted を使うことで、「できれば〜したいんだけど」と控えめに切り出す響きが加わります。
最後の Do you mind? は「構わないかな?」とたずねる一言です。直訳は「気にする?」なので、引き受ける側は No や Not at all で「気にしないよ」と返すのが基本の形とされています。この場面では、仲間がそろって「いいよ」と応じ、ロスは用意したカードを読み上げ始めます。
「Why don’t you open with a joke?」助言と、それを退ける言い方
カードを読み上げるロスに向かって、チャンドラーが一つの案を出します。
Chandler: Why don’t you open with a joke?
(ジョークで始めたらどうだ?)
Ross: Open with a joke? It’s a university, not a comedy club.
(ジョークで始める?大学だぞ、コメディクラブじゃない。)
Chandler: Well, wait a minute. Hold the phone. You’re not talking about Chuckles University?
(おっと、ちょっと待った。待て待て。まさか、チャックルズ大学の話じゃないよな?)
Ross: Okay.
(わかったよ。)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
Why don’t you ~? は「〜したらどう?」と提案するときの形の一つで、命令より柔らかく響きます。open with ~ は「〜で始める」という意味で、スピーチや発表の出だしを話すときに使われることの多い言い方です。
ロスの It’s a university, not a comedy club. は、A, not B の形で「Aであって、Bではない」と言い切り、提案を退けています。場の性格を言い直すことで、ジョークは場違いだと伝えている返しです。
チャンドラーの Wait a minute. Hold the phone. は、どちらも「ちょっと待って」にあたります。二つ重ねることで、わざと大げさに驚いてみせる言い方になっています。続く Chuckles University は、chuckle(くすくす笑う)をもじった架空の大学名で、ロスの言葉を逆手に取った冗談です。仲間はこのあと冗談だと言い、レイチェルからは見せる資料を使ってはどうかという案も出ます。それでもロスは、自分ひとりでやると言います。
「I’m sorry we weren’t more supportive before.」終わってからの報告と応援の言葉
場面がモニカとレイチェルの部屋に移り、やって来たロスは講義がどうだったかと聞かれて、うまくいったと答えます。それを聞いたレイチェルとロスのやり取りがこちらです。
Rachel: Wow. That’s great, Ross. I’m sorry we weren’t more supportive before.
(へえ、よかったじゃない、ロス。前はもっと応援すればよかったね。)
Ross: I knew all I had to do was let the material speak for itself, huh?
(中身に語らせればいいだけだって、分かってたんだよ。な?)
Friends Season6 Episode4(The One Where Joey Loses His Health Insurance)
レイチェルはまず That’s great と、相手の報告をそのまま喜ぶ言葉で受け止めています。そのうえで続く I’m sorry we weren’t more supportive before. は、I’m sorry のあとに文を続けて、何を申し訳なく思っているかを示す形です。more supportive と比較級を使うので、「まったく応援しなかった」ではなく「もっと応援できたのに」という言い方になります。
ロスの all I had to do was ~ は「〜しさえすればよかった」という意味です。let the material speak for itself の speak for itself は「それ自体が物語る」で、余計な工夫をしなくても講義の中身だけで伝わる、という考えを表しています。文末の huh? は、「だろ?」と相手の同意を求めるくだけた添え方です。
ここまでの流れを、場面ごとに並べると次のようになります。
| 場面 | 英語 | 働き |
|---|---|---|
| 練習を頼む | try it out on you guys / Do you mind? | 聞き手になってほしいと控えめに頼む |
| 助言する | Why don’t you open with ~? | 出だしの案を柔らかく出す |
| 助言を退ける | It’s A, not B. | 場の性格を言い直して断る |
| 報告を受ける | I’m sorry we weren’t more supportive. | 応援が足りなかったと伝える |
まとめ|本番前に練習を聞いてもらう英語
Do you mind? で練習を頼む言い方、Why don’t you open with ~? の助言と It’s A, not B. で退ける返し、講義のあとの I’m sorry we weren’t more supportive. を見てきました。頼む・助言する・報告する英語がひと続きで見えてきます。
講義の前と後の会話を比べると、仲間同士の距離感が言い回しからも伝わってきます。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で扱っています。


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