海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第10話では、ジョーイとロスとモニカが、ジャニーンに誘われて年越しのテレビ番組の収録に参加し、ダンサーとして踊ります。現場に入るときやカメラが近づいたとき、仲間同士で短い言葉をかけ合う場面があります。
「落ち着いて」と「力を抜いて」は、英語にすると形がよく似ています。「大したことない」の二つの言い方、stay を使った言い方、昔の出し物をやるかどうかを相談する英語を順に見ていきます。
「It’s no big deal」現場に入る仲間に「大したことない」と伝える
収録の現場に入るとき、ジョーイは「現場に出たことがあるから少し助言する」と前置きして、一緒に来た仲間にこう話します。
Joey: It’s a show, but we’re just dancing. It’s no big deal.
(番組っていっても、俺たちは踊るだけだ。大したことじゃない。)
Joey: The important thing to remember: stay cool.
(覚えておくべき大事なことは、落ち着いていることだ。)
Ross: Got it.
(了解。)
Ross: Oh, my God, it’s just like I dreamed it!
(うわ、夢で見たとおりだ!)
Friends Season6 Episode10(The One with the Routine)
It’s no big deal. は「大したことではない」という意味で、相手が構えすぎないように声をかけるときに使える言い方です。直前の It’s a show, but ~ では、「番組ではある」と相手が緊張しそうな点を先に認めてから、but で「踊るだけ」と話を軽くしています。気になる点を否定せずに受け止めたうえで和らげる順番になっています。
The important thing to remember: は「覚えておくべき大事なことは」と前置きし、コロンのあとに要点を一つだけ置く形です。助言の中でいちばん伝えたいことを最後に短く言うので、聞き手の印象に残りやすくなります。ここでは要点が stay cool のひと言です。
ロスの Got it. は「わかった」「了解」という短い返事で、説明や指示を受け取ったことを伝えます。ところが、メインのステージに着いたロスは、すぐに「夢で見たとおりだ」と声を上げます。助言を受けた直後の一言として、二つのせりふが並ぶ流れになっています。
「No biggie; stay loose」くだけた形と、stay で状態を保つ言い方
踊っている最中、カメラが近づくと、モニカの言葉にロスがこう返します。
Monica: Okay, here comes another camera.
(ほら、またカメラが来たわよ。)
Ross: Right. No biggie; stay loose.
(よし。大したことない。力を抜いていこう。)
Ross: Why do they keep doing that?
(なんでああなるんだよ?)
Friends Season6 Episode10(The One with the Routine)
No biggie. は no big deal をくだけて縮めた形で、意味はほぼ同じです。big に -ie を付けた話し言葉なので、親しい相手との会話で使われることが多い形です。カメラは結局、二人のいないほうを向いたまま通り過ぎ、ロスの Why do they keep doing that? につながります。keep doing は「何度も〜する」で、同じことが繰り返されている不満を表しています。
ジョーイの stay cool とロスの stay loose は、どちらも stay のあとに形容詞を置き、「その状態のままでいる」ことを表します。違いは形容詞の意味にあります。
| 言い方 | 意味 | 作中で言った人 |
|---|---|---|
| stay cool | 慌てず落ち着いている | ジョーイ |
| stay loose | 体や気持ちをこわばらせない | ロス |
| no big deal | 大したことではない | ジョーイ |
| no biggie | 同じ意味のくだけた形 | ロス |
ここでの cool は「かっこいい」ではなく「冷静な」という意味で、気持ちの落ち着きを指します。loose は「ゆるい」から転じて、力が入りすぎていない状態を指します。スポーツや発表の前など、体を硬くしないでと言いたい場面で使われることもあります。
「Do we really have any other choice?」昔の出し物をやろうと背中を押す英語
映るには台の上に上がる必要があると分かったものの、次に選ばれたのは別の人たちでした。そこでロスが「台に上がれる方法がある」と言い出します。
Ross: The routine.
(あの振り付けだよ。)
Monica: Ross, we haven’t done the routine since middle school.
(ロス、あれは中学からやってないのよ。)
Ross: Hey, when the snippy guy sees the routine he’ll want to build us our own platform.
(なあ、あの感じの悪い人があれを見たら、俺たち専用の台を作りたくなるさ。)
Monica: Was it really that good?
(そんなによかったっけ?)
Ross: We got honorable mention in the brother/sister dance category.
(きょうだいダンス部門で佳作をもらったんだぞ。)
Ross: Look, it’s almost fake midnight. Do we really have any other choice?
(いいか、もうすぐ偽の真夜中だ。ほかに手があるか?)
Monica: Okay, let’s do it.
(わかった、やりましょう。)
Friends Season6 Episode10(The One with the Routine)
We haven’t done ~ since middle school. は、現在完了の否定と since で「中学以来やっていない」と期間の長さを伝える形です。Was it really that good? の that は「そんなに」という意味で、相手の自信に軽く疑問を返しています。honorable mention は「佳作」「選外の入賞」にあたる言葉です。
Do we really have any other choice? は疑問の形ですが、「ほかに手はないだろう」と相手の背中を押す言い方です。収録は前もって行われるため、ロスは収録の中で迎える年越しの瞬間を fake midnight と呼んでいます。
台の上に上がったあと、二人はこんなやりとりをします。
Ross: Hey, when the music starts up again I was thinking about maybe going into the robot, you know.
(なあ、音楽がまた始まったら、ロボットの動きを入れようかと思ってたんだけど。)
Monica: Ross, I think we should stick to the routine. We don’t want to look stupid.
(ロス、振り付けどおりにやるべきよ。ばかみたいに見られたくないでしょ。)
Friends Season6 Episode10(The One with the Routine)
stick to ~ は「決めたものから外れない」という意味で、予定や計画をそのまま守りたいときに使えます。We don’t want to ~ は「私たちは〜したくない」と、we で二人のことにして相手を止める形になっています。ロボットの動きを入れたいというロスの提案に、モニカは振り付けから外れないほうがいいと返しています。
まとめ|本番前に声をかけ合う英語
It’s no big deal と No biggie で緊張をほぐし、stay cool と stay loose で保ちたい状態を伝え、Do we really have any other choice? と stick to ~ で出し物の相談をまとめる流れを見てきました。似た形の違いを押さえると、短い声かけも使い分けやすくなります。
本番前の仲間同士のやりとりに注目しながら観ると、この回の現場の英語がより身近に感じられます。
この回の別の場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事で取り上げています。


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