海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第16話から、「言えない」を表す2つの言い方を取り上げます。ウィル・ウィートンが開くダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)の会に加わったスチュアートとレナードが、口止めされた中身を周りから聞かれる場面が起点です。
同じ「言えない」でも、tell と talk about では閉ざしている範囲が違います。口が滑ったときの言い方とあわせて見ていきます。
「I can’t talk about it」は話題ごと閉じる
仲間に問い詰められたスチュアートは、やがてこう答えます。
Stuart: I can’t talk about it or they won’t invite me back next week.
(その話はできないんだ。じゃないと来週また呼んでもらえなくなる。)Raj: So there’s another game next week.
(じゃあ、来週もゲームがあるんだ。)Stuart: I didn’t mean to say that.
(今のは言うつもりじゃなかった。)Howard: Who’s in it?
(誰が参加してんだよ?)Stuart: I can’t tell you!
(言えないよ!)TBBT Season12 Episode16
talk about it の it は「その件」全体を指します。I can’t talk about it は、中身の一部ではなく話題そのものに触れられないと伝える言い方です。後ろの or ~ は「さもないと〜」で、話せない理由を短く添えています。
一方、「誰が参加しているのか」と具体的に聞かれると、答えは I can’t tell you! に変わります。tell は「(情報を)伝える」で、相手が知りたい中身を渡せないという響きになります。理由を添えたせいで「来週もある」と相手に拾われ、I didn’t mean to say that.(言うつもりじゃなかった)と取り繕う流れも、秘密を守る難しさがよく分かる場面です。
「I can’t tell you that / who」で中身を絞る
別の場面で、レナードはペニーに会の様子を聞かれます。
Penny: Oh, fun. Were there famous people there?
(へえ、楽しそう。有名人はいた?)Leonard: Ah, sorry, I-I-I can’t tell you that. Okay, well, yes, but I-I-I-I can’t tell you who. Well, no, I-I can tell you Shatner, but that’s only because you already knew that one.
(あー、ごめん、それは言えないんだ。わかった、まあ、いたけど、誰かは言えない。いや、シャトナーなら言える。でもそれは君がもう知ってたからってだけだよ。)TBBT Season12 Episode16
tell you that で「その質問の答え」を、tell you who で「誰なのか」を言えないと、tell の後ろで閉ざす範囲を細かく調整しているのが分かります。逆に I can tell you ~ と言えば、言える部分だけを差し出せます。
Leonard: Yeah. Ugh, I wish I could tell you who else was there. I can’t, I promised.
(うん。ああ、ほかに誰がいたか言えたらいいのに。無理なんだ、約束したから。)TBBT Season12 Episode16
I wish I could tell you ~ は「言えたらいいのに」と、言えない残念さを先に示す言い方です。I can’t, I promised. は約束を理由に短く断る形です。後の場面でも、レナードは made me promise not to(言わないと約束させられた)と、同じ理由を挙げています。ただ、この会話のレナードは there’s no harm in telling you(君に話しても害はない)と理屈をつけて、結局話し始めます。
口が滑ったときの「said too much」
スチュアートがウィル・ウィートンと電話で話す場面には、口が滑ったと気づいたときの言い方が出てきます。
Stuart: I’ve-I’ve said too much.
(し、しゃべりすぎた。)Wheaton: You haven’t said anything.
(何も言ってないじゃないか。)Stuart: Not to you, to them.
(君にじゃない、あいつらにだよ。)Wheaton: Who’s them?
(あいつらって?)Stuart: Ah! Now I have said too much!
(ああ!今度こそしゃべりすぎた!)TBBT Season12 Episode16
I’ve said too much. は「しゃべりすぎた・余計なことを言った」で、言ってはいけないことに触れたと気づいたときに使えます。今回はその一言自体が新しい情報を漏らすことになり、Now を足して重ねるところに笑いがあります。
まとめ|「言えない」の範囲を言い分ける
I can’t talk about it は話題ごと閉じ、I can’t tell you (that / who) は中身を絞って閉じるという違いです。I wish I could tell you、I can’t, I promised、I’ve said too much まで押さえておくと、口止めされた場面でも返し方を選べます。
秘密に振り回されるスチュアートとレナードを観ていると、「言えない」の言い分けが耳に残ります。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事を読むと、この話の英語がさらに立体的に見えてきます。


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