海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン12 第10話から、あきらめた夢をもう一度勧めるときの英語を取り上げます。ハワードの昔の手品の練習テープが見つかり、バーナデットがオーディションを受けるよう勧める筋に、押す側と引く側の言い回しがそろっています。
「もういい」と言う相手の本音をどう引き出すのか。あきらめた側の言い方と、背中を押す側の返しを対にして見ていきます。
「I never went through with it」と言う側の英語
ハワードとバーナデットの場面で、ハワードはエイミーに頼まれた古いビデオデッキが動くか確かめています。再生されたのは、ハワードが Magic Castle の会員を目指していた頃の練習テープでした。
Bernadette: I didn’t know you auditioned there.
(あそこのオーディションを受けたなんて知らなかった。)Howard: Oh, I never went through with it. I watched the tape and realized I wasn’t good enough.
(いや、結局受けなかったんだ。テープを見て、俺じゃ力不足だって気づいてさ。)TBBT Season12 Episode10
go through with ~ は、予定していたことを最後までやり通すという意味です。never と組むと「計画はしたが実行しなかった」となり、受けて落ちたのではなく、受ける前に引いたことが分かります。I wasn’t good enough は、あきらめた理由を自分の力不足に置く言い方です。
バーナデットが腕のいいマジシャンだと言うと、ハワードは、手品はくだらないと言っていたはずだと返します。そこからのやり取りがこちらです。
Bernadette: You can be good at something dumb. You know what, you should audition now.
(くだらないことが上手だっていいじゃない。そうだ、今からオーディションを受けなさいよ。)Howard: It’s fine. I don’t need to be a member of the most elite magical society on the face of the earth.
(いいんだよ。地球上で一番エリートな魔術師の団体の会員になんて、ならなくていいって。)Bernadette: Sounds like you still want it. And I don’t want our kids to watch this tape one day and think their dad is a quitter.
(まだやりたいように聞こえるけど。それに、子どもたちがいつかこのテープを見て、パパは途中で投げ出す人だって思うのは嫌なの。)TBBT Season12 Episode10
You can be good at something dumb. は、相手の「くだらない」という前提を否定せずに、上手であること自体は認める切り返しです。続く You know what, you should ~ now. は、思いついた提案を勢いよく差し出す形と言えます。
ハワードの I don’t need to ~ は、欲しくないと言い張るときの典型的な強がりです。それに対する Sounds like you still want it. は「まだやりたそうに聞こえる」と、相手の言葉の奥にある気持ちを指摘する返しです。Sounds like で始めることで、断定を少し和らげて伝えられます。
「I’ve outgrown it」に「Have you?」で返す
別の場面で、バーナデットはガレージにあった手品の道具をリビングに並べます。なぜここにあるのかと尋ねるハワードに、バーナデットが答えます。
Bernadette: Because I think The Great Howdini deserves to be a member of the Magic Castle.
(グレート・ハウディーニはマジック・キャッスルの会員にふさわしいと思うからよ。)Howard: That’s sweet, but I’m not that guy anymore. I’ve outgrown it.
(うれしいけど、俺はもうそういうやつじゃないんだ。卒業したんだよ。)Bernadette: Have you? Look, I know you still want this, and I can help you.
(本当に?ねえ、まだやりたいのは分かってる。私が手伝えるわ。)TBBT Season12 Episode10
outgrow は「成長して〜に合わなくなる」で、I’ve outgrown it は「もう卒業した」に近い言い方です。Have you? は、相手の現在完了をそのまま助動詞で受けた短い問い返しで、「本当にそう?」と疑いを示します。そのあと気持ちを代弁し、手伝いを申し出る流れになっています。
| 場面 | あきらめた側 | 背中を押す側 |
|---|---|---|
| 実行しなかった過去 | I never went through with it. | You can be good at something dumb. |
| 強がり | I don’t need to ~. | Sounds like you still want it. |
| 卒業宣言 | I’ve outgrown it. | Have you? |
押す側の返しは、どれも相手の言葉を正面から否定していません。前提を受け止める、聞こえ方を伝える、短く問い返すといった形で、相手が本音を口にする余地を残しているのが見どころです。
まとめ|引く言葉に、短く問い返す
今回は、I never went through with it や I’ve outgrown it といったあきらめた側の言い方と、Sounds like you still want it や Have you? といった背中を押す側の返しを見てきました。対で覚えると、遠慮する相手に英語で寄り添いやすくなります。
夢をめぐる夫婦のやり取りを観ながら、『ビッグバン★セオリー』の英語を楽しんでいきましょう。
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