豪華すぎる贈り物を断りたいとき、英語でどう切り出す?|『モダンファミリー』S11E12で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 豪華すぎる贈り物を断りたいとき、英語でどう切り出す?|『モダンファミリー』S11E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン11第12話で、フィルはケネスから思いもよらない贈り物を受け取ります。それは宇宙旅行でした。うれしいはずの贈り物なのに、フィルは素直に喜べません。

相手の好意が大きいほど、断る言葉は出にくくなるものです。断れない理由を口にする英語、引っ込みがつかなくなったときの英語、形を変えて感謝を伝える英語を、場面ごとに見ていきます。

目次

「it’ll crush him」断れない理由を言葉にする

宇宙旅行の話を聞いたあと、フィルはクレアにこう打ち明けます。

Phil: I don’t want to go to space, Claire! I’m terrified!
(宇宙なんか行きたくないよ、クレア! 怖くてたまらないんだ!)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

I don’t want to ~ は気持ちをそのまま言う一番シンプルな形で、I’m terrified は I’m scared よりも強い「心底怖い」を表します。クレアの答えも、同じくらいまっすぐです。

Claire: Just tell him you don’t want to go.
(行きたくないって、彼に言えばいいじゃない。)
Phil: This is such an amazing gift, it’ll crush him.
(こんなにすごい贈り物なんだぞ、断ったらあいつ立ち直れないよ。)
Phil: Plus, I’ll look like a coward in that documentary.
(それに、あのドキュメンタリーで俺が臆病者に見えちゃう。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

Just tell him ~ の just は「ただ〜すればいい」と、難しく考えなくていいことを示す働きをしています。本音を伝えるよう背中を押す、短くて実用的な助言です。

フィルの返しには、断れない理由が2つ並んでいます。1つ目の crush は「押しつぶす」から転じて、「人の気持ちを打ちのめす」という意味で使われます。It’ll crush him. は「彼がひどく傷つく」と、相手への気づかいを理由にする言い方です。

2つ目の I’ll look like a coward は、自分の体面を理由にした一言です。look like ~ は「〜のように見える」で、ドキュメンタリーに臆病な姿が残るのを避けたい、という気持ちが表れています。Plus, は「それに」と理由を追加するくだけたつなぎの語です。

相手を傷つけたくない気持ちと、自分がどう見られるかという気持ち。断れない理由を英語で説明するとき、この2つの型はそのまま応用できます。

「get out of this」引っ込みがつかない贈る側

一方、贈った側のケネスも、実は同じ悩みを抱えていました。ヘイリーとの会話で、ケネスはこう明かします。

Kenneth: What did I get us into? I didn’t even want to go.
(僕、なんてことに巻き込んじゃったんだ? 僕だって本当は行きたくなかったのに。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

get into ~ は「(面倒な状況に)入り込む」を表し、What did I get us into? は「自分のせいでとんでもないことに巻き込んでしまった」という後悔の言い方です。I didn’t even want to go. の even は「〜すら」と強める語で、自分自身も乗り気ではなかったことを強調しています。

続けて、ケネスは抜け出す方法を探します。

Kenneth: How am I going to get out of this?
(どうやったらこの状況から抜け出せるんだ?)
Haley: Well, if you’re trying to look cool, just throw some splashy event and auction off the space trip to charity.
(かっこよく見られたいなら、派手なイベントを開いて、宇宙旅行をチャリティーオークションに出せばいいじゃん。)
Kenneth: That could work.
(それならいけるかも。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

get out of ~ は get into の反対で、「(約束や状況から)抜け出す」という意味です。How am I going to ~? は「いったいどうやって〜すればいいんだ」と、困り果てた気持ちを表す形として使えます。

ヘイリーの auction off ~ to charity は「〜を慈善のために競売にかける」で、off には「手放す」の響きがあります。贈り物そのものを断るのではなく、別の形に変えることで、誰の顔もつぶさない案になっています。ケネスの That could work. は「それならうまくいくかも」と、提案に乗るときの気軽な一言です。

「a fitting honor」形を変えて感謝を伝える

宇宙旅行の代わりに、ケネスはフィルへ新しい贈り物を伝えます。

Kenneth: And, Phil, while it’s not a trip to space, I hope that the Phil Dunphy Center for Wolves will be a fitting honor for the man who changed my life.
(それとフィル、宇宙旅行じゃないけど、「フィル・ダンフィー・センター・フォー・ウルブズ」が、僕の人生を変えてくれた人にふさわしい栄誉になればうれしいよ。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

while it’s not ~ は「〜ではないけれど」と、前の話との違いを認めてから本題に入る前置きです。予定していたものとは違う形になったことを、先に自分から言ってしまう組み立てになっています。

fitting は「ふさわしい」「ぴったりの」という形容詞で、a fitting honor は「その人にふさわしい栄誉」です。the man who changed my life と合わせると、贈り物の中身が変わっても、感謝の気持ちは変わらないことが伝わってきます。

この場面の流れから、大きすぎる贈り物をめぐる英語は3段階に整理できます。受け取る側の本音(I don’t want to ~)、断れない理由(It’ll crush him. / I’ll look like a coward)、そして形を変える代案(auction off ~ to charity / while it’s not ~, I hope ~)です。

実際に高価な贈り物を断る場面では、I’m so touched, but this is too much.(とてもうれしいけど、これはさすがに受け取れない)のように、感謝を先に言ってから理由を添えると、角が立ちにくくなります。フィルとケネスのやりとりは、その「感謝」と「理由」の伝え方を考える手がかりになります。

まとめ|断る理由と、顔を立てる代案

大きすぎる贈り物には、I don’t want to ~ という本音、It’ll crush him. のような断れない理由、get out of this という困惑、auction off ~ to charity のような代案が絡み合います。理由と代案をセットで言えると、角を立てずに断りやすくなります。

フィルとケネスのやりとりを観ながら、好意を受け止める英語と断る英語の両方に注目すると、同じ場面がまた違って見えてきます。

この回のほかのコラムでは、家族の軽口の言い分けや、長年の仕事仲間を送り出す英語も紹介しています。

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