「in the rearview mirror」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E21で学ぶ英会話

「in the rearview mirror」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

つらかった時期や気まずい出来事を、「もう、あれは過去のこと」と振り返って区切りをつけたくなる瞬間が、誰にでもあるはずです。

そんな気持ちを表す「in the rearview mirror」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン6第21話、ハワードがラージの家に防犯カメラを設置し、その流れでラージの行動を皮肉まじりに茶化すシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「in the rearview mirror」の意味とニュアンス

in the rearview mirror
意味:過去のものとして、とっくに通り過ぎて、後ろに置いてきて

車を運転して前に進むと、通り過ぎた景色はバックミラー(rearview mirror)に映って遠ざかっていきます。そのイメージから、「もう過去のこと」「とっくに過ぎ去ったこと」を表す比喩表現として使われます。

単に「過去のこと」と言うのではなく、「自分が前に進んで、それを後ろに置いてきた」という前進の感覚を伴うのが特徴です。put something in the rearview mirror のように put と組み合わせて、「〜を過去のものにする」という動詞表現としてもよく使われます。

つらい時期や失敗を「もう過ぎたこと」と振り返って区切りをつける場面のほか、本作のように「ある基準をとっくに超えてしまった」という意味で使われることもあります。前向きに先へ進もうとするトーンと相性のよい表現です。

【ここがポイント!】

  • バックミラーに遠ざかる景色=「過ぎ去った過去」というドライブのイメージが核
  • 単なる「過去」ではなく、「前に進んで後ろに置いてきた」という前進の感覚がにじむ
  • put 〜 in the rearview mirror で「〜を過去にする」という動詞表現にもなるのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S06E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ハワードがラージの飼い犬を見守るための防犯カメラを設置したあと、ラージが交際相手のブログを盗み見ようとして「これは不気味(creepy)だ」とためらいます。それに対してハワードが、「不気味さの基準なんてとっくに超えている」と皮肉で切り返す場面です。

Raj: No, this is creepy.
(いや、これは不気味だよ。)

Howard: Oh, I think we were looking at creepy in the rearview mirror when I put up that camera.
(いやいや、不気味さなんて、あのカメラを設置した時点でとっくに通り過ぎてたと思うけどね。)

The Big Bang Theory Season6 Episode21(The Closure Alternative)

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シーン解説と心理考察

ラージが「ブログを盗み見るのは不気味だ」とためらうのに対し、ハワードは「監視カメラを付けた時点で、不気味さの基準なんてとっくに後ろに過ぎ去っている」と返します。この一言で、二人の行動がいかに常軌を逸しているかが、皮肉とともにくっきりと表れています。

ここでの in the rearview mirror は、「不気味さという地点を、自分たちはとっくに車で通り過ぎてしまった」という映像的な比喩として響きます。相手のためらいを正面から否定するのではなく、ウィットに富んだ言い回しでやんわり受け流すあたりに、ハワードらしい軽妙さがにじむ場面です。深刻にならずに事実を突きつける——そのバランス感覚が会話の温度を変えています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

運転中、前に進めば進むほど、通り過ぎた建物や景色はバックミラーの中で小さくなり、やがて見えなくなります。その「後方に遠ざかっていく景色」=「過ぎ去った過去」というイメージです。ハワードが「creepy(不気味さ)はもうバックミラーの中だ」=「不気味さの基準なんてとっくに後ろに置いてきた」と皮肉まじりに言う場面を思い浮かべると、この比喩の感覚がつかめます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「in the rearview mirror」

つらい過去への区切りから、ある基準を超えてしまった状況まで、「もう後ろに過ぎ去った」と表したいときに使える表現です。3つの例文で見ていきましょう。

That difficult year is finally in the rearview mirror.
(あのつらい一年も、やっと過去のものになった。)
苦しい時期を乗り越えたと振り返る場面です。「ようやく後ろに置いてこられた」という、ほっとした安堵のニュアンスが出ています。

Once we sign the contract, all this uncertainty will be in the rearview mirror.
(契約にサインすれば、この不確かさもすべて過去のものになる。)
プロジェクトの不安定な局面を抜け出そうとする、ビジネス寄りの場面です。前向きに先へ進もうとするトーンと相性のよい使い方です。

A: Are you still upset about that argument last week?
B: No, that’s in the rearview mirror now. Let’s move on.
(A:先週の口論、まだ気にしてる?)
(B:ううん、もう過去のことだよ。先に進もう。)
仲直りして前を向こうとする会話です。move on と組み合わせると、「区切りをつけて前進する」という気持ちがいっそう伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

put something behind one
(〜を過去のものにする、乗り越える)
put it behind you も「過去にする」という意味ですが、in the rearview mirror のほうが車の比喩のぶんだけ映像的で、前進している感覚が強く出ます。

water under the bridge
(もう済んだこと、水に流したこと)
こちらは特に「もう気にしていない過去のいざこざ」を指します。in the rearview mirror は出来事全般を「過ぎ去った」と表せる点で、守備範囲がやや広い表現です。

a thing of the past
(過去のもの、もはや見られないもの)
a thing of the past は「もはや存在しない・廃れた」という客観的な響きです。in the rearview mirror は「自分が前に進んで置いてきた」という主観的な前進感を伴う点が異なります。

Note|自動車文化が生んだ「過去を振り返る」比喩

ハワードの「in the rearview mirror」という一言には、アメリカという自動車社会ならではの発想が透けて見えます。

rearview mirror、つまり車のバックミラーは、運転手が後方を確認するための鏡です。前進する車のなかで、通り過ぎた景色はこのミラーの中でみるみる小さくなり、やがて消えていきます。この「前に進めば、過ぎたものは後ろに遠ざかる」という日常的な体験が、そのまま「過ぎ去った過去」を表す比喩として定着していったと言われています。自動車が生活の隅々まで浸透したアメリカでは、こうした運転にまつわる比喩が数多く生まれてきました。in the fast lane(忙しく刺激的な生活)、hit the brakes(急に止める)、take the wheel(主導権を握る)など、ハンドルを握る感覚から来た表現は枚挙にいとまがありません。in the rearview mirror もその一つで、ニュースやスポーツのインタビューでも「あの敗戦はもうバックミラーの中だ」のように、前を向く姿勢を示す言い回しとして頻繁に登場します。

ハワードが「不気味さはもうバックミラーの中」と言うとき、その背景には、こうした「車で前進し、過去を後ろに置いていく」という共通の身体感覚があるわけです。

ハンドルを握る日常が、言葉の中にそっと刻まれている表現です。

まとめ|ハワードの皮肉から学ぶ「もう過去のこと」

in the rearview mirror は、つらい出来事やある基準を「もう後ろに過ぎ去ったもの」として振り返る、前進の感覚を伴う比喩表現です。

バックミラーに遠ざかる景色というイメージを思い浮かべれば、「ただの過去」ではなく「自分が前に進んで置いてきた過去」という、この表現ならではのニュアンスが見えてきます。ハワードのように皮肉として使うこともできますし、つらい時期に区切りをつける前向きな場面にもよくなじみます。

過ぎたことを引きずるのではなく、後ろに置いて先へ進む——そんな気持ちを表す言い回しとして、会話のレパートリーに加えてみてくださいね。

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