「be past that」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S10E20で学ぶ英会話

「be past that」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

昔はいちいち気にしていたことが、いつの間にか気にならなくなっている——ふとそんな自分の変化に気づく瞬間が、誰にでもあるはずです。

そんな心境にぴったりの「be past that」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン10第20話の中盤、ランドリールームで顔を合わせたペニーが、シェルドンの奇妙な言動に慣れた今の自分を振り返るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「be past that」の意味とニュアンス

be past that
意味:もうその段階は過ぎた、それはとっくに卒業した

past は「〜を通り過ぎて」という前置詞で、be past that で「私たちはもう that(そのこと)を通り過ぎたところにいる」という状態を表します。that の中身は、文脈が示す「以前の状態・習慣・こだわり」です。

このフレーズの核は、過去のある状態を「もう通り過ぎた」と示すところにあります。単に「終わった」ではなく、成長・変化・関係の進展といった、前に進んだ感覚を含むことが多いのが特徴です。たとえば昔のこだわりを脱したとき、関係性が次の段階に進んだとき、もめ事に区切りをつけたいときなどに使われます。that の中身をいちいち説明せず文脈に委ねられるので、口語で軽やかに使える便利な表現です。

【ここがポイント!】

  • 核は「ある地点(that)を通り過ぎて、後ろに置いてきた」という空間のイメージ
  • 単なる終了ではなく、成長・変化で前に進んだ感覚を含むのが持ち味
  • that の中身は言わずに文脈に預けられる、口語で軽やかに使える一言

『ビッグバン★セオリー』S10E20のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ランドリールームで洗濯をするシェルドンが、「スープ袋の上に転んだ」と突拍子もないことを言い出します。昔のペニーなら一つ一つ聞き返していたところですが、長い付き合いを経た今の彼女の反応に、このフレーズが顔を出します。

Sheldon: Oh, I had an accident at work, I slipped and fell on my soup sack.
(ああ、職場で事故があってね。滑ってスープ袋の上に転んだんだ)

Penny: You know, there was a time I would say what’s a soup sack? But I’m glad we’re past that.
(昔だったら「スープ袋って何?」って聞いてたところよ。でも、もうそういう段階は卒業できてよかった)

Sheldon: Well, we have had some fun, haven’t we?
(まあ、僕たちもいろいろ楽しんできたよね?)

The Big Bang Theory Season10 Episode20(The Recollection Reduction)

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シーン解説と心理考察

ここでの that が指しているのは、「シェルドンの奇妙な発言にいちいち驚いて聞き返していた、昔の自分たちの関係の段階」です。ペニーはその段階を「もう通り過ぎた」と表現することで、長年の付き合いを経て、彼の突飛さをいちいち問い返さずに受け流せるようになった今を、さらりと言い表しています。

短い一言ですが、二人が積み重ねてきた時間と、互いへの慣れがにじむ場面です。軽い諦めとも、深い親しみともとれる絶妙な距離感が、この「we’re past that」に重なっています。続くシェルドンの「いろいろ楽しんできたよね」という返しも、その関係の変化を二人が穏やかに肯定していることを伝えています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

past は「〜を通り過ぎて」という前置詞です。道を歩いていて、ある地点をすでに後ろに置いてきた、という空間のイメージで捉えると、意味がすっと入ってきます。

その「地点」にあたるのが that、つまり昔の自分や、かつてのこだわりです。ペニーで言えば、「いちいち質問していた過去の自分」という看板を、今は背中の後ろに見送っている。そんな絵を思い浮かべてみてください。通り過ぎた標識が後方に遠ざかっていく——この「もう通過済み」の感覚が、be past that の「卒業した・もう済んだ」というニュアンスを体で覚える手がかりになります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「be past that」

過去のある段階を「もう通り過ぎた」と言いたいとき、軽やかに使えるフレーズです。3つの場面で見ていきましょう。

I used to get nervous before presentations, but I’m past that now.
(昔はプレゼン前に緊張したけど、もうそれは卒業したよ)
人前で話すのが苦手だった頃を振り返る場面です。「以前はそうだったが、今はもう違う」という成長を、さらりと示せます。

We’re past the stage of arguing over little things.
(私たちは些細なことで言い争う段階はもう過ぎたの)
長く連れ添った関係の成熟を表す場面です。past the stage of -ing の形にすると、「〜する段階を過ぎた」とより具体的に言えます。

A: Are you still upset about what happened last year?
B: No, honestly, I’m way past that.
(A:去年のこと、まだ気にしてる?)
(B:ううん、正直、とっくに吹っ切れてるよ)
過去のもめ事を蒸し返されそうになる場面です。way past that とすると、「とっくに」と乗り越えた度合いを強調できます。

あわせて覚えたい関連表現

get over
(〜を乗り越える、立ち直る)
get over は困難や失恋などを「克服する」動作に焦点があります。be past that は克服した後の「もう過ぎた状態」に焦点を置く点が違いです。

move on
(次に進む、気持ちを切り替える)
move on は前を向いて進んでいく動きを表します。be past that は過去を後ろに置いた現在地を示すので、move on した結果 be past that になる、という関係で覚えられます。

outgrow
(成長して〜から卒業する)
outgrow は成長によって合わなくなることを一語で表します。be past that はより口語的で、that の中身を文脈に委ねられる柔軟さがあるのが違いです。

Note|past が動詞 pass から生まれた「通り過ぎる」の感覚

be past that の past には、「通り過ぎる」という動きのイメージが染み込んでいます。これは past という語の成り立ちと深く関わっているとされます。

past は、もともと動詞 pass(通り過ぎる)の過去分詞 passed から生まれた語だと言われています。「通り過ぎてしまった」という完了の感覚が、やがて前置詞・形容詞としての past に受け継がれ、「〜を過ぎて」「過ぎ去った」という意味を担うようになった、とされています。だからこそ past には、時間や空間を「通過してしまった」というニュアンスが常につきまといます。half past three(3時を過ぎて30分=3時半)の past が「〜を過ぎた」を表すのも、walk past the store(店を通り過ぎて歩く)の past が空間的な通過を表すのも、すべて同じ「通り過ぎる」感覚から来ています。

be past that の that を「通り過ぎた」と言うとき、ペニーはまさにこの語源どおりのイメージを使っていることになります。昔の関係の段階を、文字どおり後ろに「通り過ぎてきた」——そう捉えると、このフレーズの持つ前進の感覚がより鮮明になります。

過ぎ去ったものは、もう振り返らない。past という一語には、そんな潔さが宿っています。

まとめ|通り過ぎてきた、という静かな肯定

be past that は、過去のある状態や段階を「もう通り過ぎた」と示すフレーズです。単に終わったというより、成長や変化を経て前に進んだ、という肯定的な響きを持っています。

このフレーズが使えると、「昔は〇〇だったけど、今はもう違う」という自分や関係の変化を、ひとことで軽やかに言い表せるようになります。克服した弱点にも、成熟した人間関係にも、吹っ切れた気持ちにも、同じ「通り過ぎた」感覚で触れられます。

シェルドンの突飛な一言を、もう聞き返さなくなったペニー。その小さな変化の中に、長い時間をかけて育った関係の手ざわりが、ふと透けて見える場面でした。

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