「couldn’t hit water if he was standing on a boat」の意味と使い方|『フレンズ』S01E23で学ぶ英会話

「couldn't hit water if he was standing on a boat」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

スポーツ観戦で仲間と「あいつ全然だめだな!」と大げさにけなし合って、盛り上がった経験はありませんか。

そんな「とんでもなく下手」を笑いに変える「couldn’t hit water if he was standing on a boat」を、『フレンズ』シーズン1第23話、病院の待合室で出産を控えたリディアとバスケ談議になるジョーイのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「couldn’t hit water if he was standing on a boat」の意味とニュアンス

couldn’t hit water if he was standing on a boat
意味:とんでもなく下手だ、まるで狙いが当たらない(=船の上に立っていても水に当てられない)

このフレーズは、「外しようのない的すら外す」というありえない状況を持ち出して、下手さを大げさに表現する誇張表現です。船の上に立てば足元は一面の水で、絶対に外れようがありません。それなのに「水にすら当てられない」と言うことで、「信じられないくらい狙いが下手」という意味になります。

本気の侮辱というより、掛け合いを盛り上げるためのジョークとして使われるのが特徴です。スポーツ、射撃、ダーツなど「狙って当てる」文脈で特によく登場する、口語ならではの言い回しと言えます。

【ここがポイント!】

  • 「絶対に外せない的すら外す」という、ありえない状況で下手さを表す誇張表現
  • 本気のけなしではなく、掛け合いを楽しむジョークとして機能する一言
  • hit water if he fell out of a boat など、細部を変えた言い回しもよく使われる

『フレンズ』S01E23のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

出産を待つ待合室で、ジョーイが隣に座った妊婦のリディアとニックスファンかどうかで軽い言い合いになります。リディアは名選手ユーイングを引き合いに出し、大げさにこき下ろしてみせます。

Lydia: Look at your man, Ewing. Nice shot. You know what, he couldn’t hit water if he was standing on a boat.
(見なよ、あんたご贔屓のユーイングを。ナイスシュートだねえ。いいか、あいつは船の上に立ってても水に当てられないくらいのヘタクソだ。)

Joey: Oh, yeah? And who do you like?
(へえ、そう言うキミは誰推しなんだ?)

Friends Season1 Episode23(The One with the Birth)

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シーン解説と心理考察

この場面は、スポーツファン同士の他愛ないディスり合いの空気があります。リディアは名選手を「船の上でも水に当てられない」と大げさにけなしますが、その誇張ぶり自体が笑いどころで、本気で侮辱しているわけではありません。

ジョーイがすかさず「じゃあキミは誰推しなんだ?」と切り返すことで、けんか腰の言い合いが軽妙な掛け合いへと会話の温度を変えています。緊張した出産待ちの待合室に、こうしたくだらないやりとりが挟まることで、場がほぐれていく様子が伝わってきます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

ボートの上に立っている自分を想像してみてください。足元は見渡すかぎりの水。的として、これほど外しようのないものはありません。それなのに水に当てられない――この漫画のようなありえなさが、フレーズ全体の笑いのツボです。

「外しようがないものすら外す=救いようがないほど下手」という絵を頭に描いておくと、待合室でユーイングをこき下ろすリディアのニヤけ顔とともに、誇張ジョークの温度感ごと覚えられます。

例文で覚える「couldn’t hit water if he was standing on a boat」

「まるで下手」を笑いながら言う場面で活躍します。3つの例文で使い方を見ていきましょう。

Don’t let him take the penalty — he couldn’t hit water if he was standing on a boat.
(あいつにPKを蹴らせるな。船に立ってても水に当てられないくらいのヘタクソだ。)
スポーツ観戦で仲間とヤジる場面です。劇中と同じスポーツ文脈で、いちばん使いやすい形です。

My darts game is a disaster. I couldn’t hit water if I was standing on a boat.
(私のダーツはひどいもんだよ。船の上からでも水に当てられない。)
自分の下手さを自虐する場面です。一人称にすると、笑いを取る自虐ジョークになります。

A: Is he really a good shot?
B: Him? Please. He couldn’t hit water if he was standing on a boat.
(A:彼って本当に射撃うまいの?)
(B:あいつが?よしてくれ、船の上でも水に当てられないレベルだよ。)
誰かの腕前を皮肉る場面です。Please. で軽くあきれてみせると、けなしの誇張がより効いてきます。

あわせて覚えたい関連表現

couldn’t hit the broad side of a barn
(納屋の壁すら撃ち当てられない=ものすごく狙いが下手)
同じ「狙いが下手」を表す定番の誇張表現です。barn(納屋)版のほうが古くからある王道で、boat 版はその変奏にあたります。どちらも「巨大で外しようのない的」がオチになっています。

all thumbs
(不器用きわまりない)
all thumbs は手先の不器用さ全般を表します。boat 版は「狙って当てる精度」に限った下手さで、スポーツや射撃の場面に向いている点が違います。

couldn’t do something to save one’s life
(命がかかっていてもできないほど下手)
save one’s life 版は動作全般に使える万能の誇張です。boat 版は「的に当てる」場面に特化していて、より絵が具体的になります。

Note|英語の「誇張ジョーク」で悪口を笑いに変える

couldn’t hit water if he was standing on a boat のおもしろさは、英語圏に根づいた「誇張ジョーク」の文化にあります。

英語では、ありえない状況を持ち出して下手さや愚かさを大げさに言う悪口ジョークが数多く使われます。「船の上でも水に当てられない」のほかにも、「納屋の壁すら撃てない(couldn’t hit the broad side of a barn)」「命がかかっていてもできない(couldn’t do it to save his life)」など、外しようのない的や不可能な状況を引き合いに出すのが定番のパターンです。これらは相手を本気で傷つけるための言葉ではなく、掛け合いを盛り上げ、笑いを生むための装置として機能します。劇中でリディアが名選手をこき下ろすのも、ジョーイとの軽妙なやりとりを生むための一手でした。

このように、悪口を額面どおりに受け取らず「大げさなジョーク」として楽しむ感覚が、英語の会話には息づいています。

けなしているようで、実は場を和ませている――そんな一言です。

まとめ|待合室のディスり合いから学ぶ誇張表現

couldn’t hit water if he was standing on a boat は、「絶対に外せない的すら外す」というありえない状況を使って、とんでもない下手さを笑いながら言い表す誇張表現です。

この言い回しを知っておくと、スポーツや腕前をめぐる英語の掛け合いで、けなしの言葉が本気なのかジョークなのかを読み取れるようになります。自分で使えば、場を和ませる軽口としても役立ちます。

けなしを笑いに変えるこの発想を、英語の表現の引き出しに加えてみてください。

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