海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
何かに詳しくなろうとして、あるいは自分の立場を正当化しようとして、関連する情報を一気に読み込んで「にわか知識」を仕入れた経験はありませんか。
そんなときに使えるのが「read up」で、あるテーマについて集中的に読んで調べることを表します。『フレンズ』シーズン5第6話の中盤、動物愛護派だったはずのフィービーが、毛皮のコートを着る言い訳として持ち出すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「read up」の意味とニュアンス
read up
意味:(あるテーマについて)詳しく読んで調べる、読み込んで知識を仕入れる
read up は、特定の話題について本や資料を読み込み、知識を蓄えることを表します。単に「読む」の read と違い、up が加わることで「必要な情報をしっかり集める」「調べ尽くす」という目的意識のある読み方になります。
多くの場合、後ろに on を伴って read up on the subject(そのテーマについて調べる)のように使われます。試験前の予習、旅行前の下調べ、新しい趣味を始める前の情報収集など、「何かに備えて詳しくなっておく」場面にぴったりの表現です。
漫然とした読書ではなく、はっきりした目的をもって集中的に読む、という能動性が持ち味です。
【ここがポイント!】
- read に up が加わって「調べ尽くす・読み込む」の意味になる一言
- 多くは read up on … の形で、調べる対象を on の後ろに置く
- 予習・下調べなど「何かに備えて詳しくなる」場面で活きる表現
『フレンズ』S05E06のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
もともと毛皮に強く反対していたフィービーですが、祖母譲りのコートを羽織ってみると、その魅力に抗えなくなってしまいます。それでも信条を曲げたとは認めたくない彼女は、チャンドラーのツッコミに苦しい言い訳を返します。
Chandler: Pheebs, what are you doing with the coat? How about the whole animal rights thing?
(フィーブス、そのコートどうしたんだよ?動物愛護がどうこうって話はどうなった?)Phoebe: Well, I’ve been reading up, and for your information, minks are not very nice.
(あのね、私、色々調べたのよ。言っておくけど、ミンクってそんなにいい動物じゃないの。)Friends Season5 Episode6(The One With The Yeti)
シーン解説と心理考察
I’ve been reading up という一言に、フィービーの必死の自己弁護がにじんでいます。信条を曲げてコートを着ているという後ろめたさを、「ちゃんと調べた上での判断だ」という体裁で覆い隠そうとしているのです。
read up の「目的をもって集中的に調べる」というニュアンスが、この言い訳を成立させる鍵になっています。もし単に I read something(何か読んだ)であれば説得力に欠けますが、reading up と言うことで「私はこの件についてしっかり研究したのよ」という権威づけができるわけです。for your information(言っておくけど)という前置きも、その居直りを補強しています。
そして続く「ミンクはそんなにいい動物じゃない」という結論の飛躍っぷりが、フィービーの真骨頂です。もっともらしい調査の体裁から、いきなり感情的な決めつけへと着地する。その落差に、彼女らしいユーモアが詰まっているのが見どころです。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
read up は、机の上に資料をどんどん積み上げていって、知識を上へ上へと築いていくイメージで覚えると定着しやすくなります。up が持つ「積み上がる」「満ちていく」感覚が、情報を蓄えて詳しくなる過程にぴったり重なります。
このシーンのフィービーが、コートを着る言い訳のために、頭の中で必死に「調べた知識」を積み上げようとしている姿を思い浮かべてください。にわか知識でも、とにかく上へ積んで武装しようとする、あの勢いと read up の「読み込む」イメージを結びつければ、意味がしっかり残ります。
例文で覚える「read up」
read up は、あるテーマについて詳しく調べておく場面で活躍します。3つの使い方を見ていきましょう。
I need to read up on the company before my interview tomorrow.
(明日の面接の前に、その会社について調べておかないと。)
面接準備の一場面です。read up on … の形で、調べる対象を明確に示しています。
She read up on Japanese customs before her trip.
(彼女は旅行の前に日本の習慣について調べておいた。)
旅行前の下調べを表す場面です。過去の「調べておいた」行動を read up on で自然に言い表せます。
A: You seem to know a lot about wine now.
B: Yeah, I’ve been reading up on it lately.
(A:最近ワインにずいぶん詳しくなったね。)
(B:うん、最近ちょっと調べててさ。)
知識の増えた理由を説明する往復会話です。現在完了進行形で「最近ずっと調べている」継続を表しています。
あわせて覚えたい関連表現
brush up on
(〜を復習する、学び直す)
かつて身につけた知識や技能を、もう一度磨き直すことを表します。read up が「新しく調べる」寄りなのに対し、brush up on は「錆びついたものを磨く」点が違います。
look into
(〜を調査する、詳しく調べる)
問題や案件の中身を掘り下げて調べることを表します。read up が「読んで知識を得る」に限るのに対し、look into は聞き込みや実地調査なども含む、より広い調べ方を指します。
bone up on
(〜を集中的に勉強する、詰め込む)
試験前などに、短期間で一気に知識を詰め込むことを表すくだけた表現です。read up と近いですが、bone up on はより「急いで詰め込む」切迫感が強めです。
Note|句動詞の up が加える「しっかり・徹底的に」の感覚
read up を覚えると、句動詞につく up が持つ独特の働きが見えてきます。up は「上へ」という方向だけでなく、動詞に「徹底的に・すっかり・完了まで」というニュアンスを添える役割を持っているのです。
たとえば eat(食べる)に up がつくと eat up(食べ尽くす、完食する)になります。fill(満たす)が fill up(いっぱいに満たす)になり、finish(終える)が finish up(すっかり終わらせる)になる。どれも up が加わることで「中途半端ではなく、しっかり最後まで」という完了・徹底の色合いが濃くなります。read up もこの仲間で、ただ read(読む)のではなく「必要な知識を満たすまで読み込む」という徹底のニュアンスを up が担っています。言語学では、この種の up を「完結を表す働き」として説明することがあり、動作が一定の到達点まで行き着くことを示す目印として機能します。同じ「読む」でも、read a book が単に本を読む行為を指すのに対し、read up on a topic は「そのトピックについて詳しくなるまで読み込む」という到達点を含んでいるわけです。
このシーンのフィービーが reading up と言ったのも、「ちょっと読んだ」ではなく「しっかり調べ込んだのよ」と主張したかったからです。up 一つで、にわか知識に権威づけをしようとする――その一語の選び方に、彼女の自己弁護の必死さがにじんでいます。
小さな up の働きを知ると、句動詞全体の見通しがよくなります。
まとめ|フィービーの言い訳から学ぶ「詳しく調べる」
read up は、あるテーマについて集中的に読み込み、詳しくなることを表す表現です。read に up が加わることで、目的をもって「調べ尽くす」という能動的な色合いが生まれます。
この表現があると、面接や旅行、新しい趣味の前に「下調べしておく」という行動を、英語で自然に言い表せるようになります。read up on … の形をセットで覚えておくと、すぐに使えます。
コートを着る言い訳のために知識を積み上げるフィービーのように、read up を表現の引き出しに加えてみてください。


コメント