海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン11エピソード6では、「その人を知っているの?」という問いに、同じ動詞を2回重ねて答える場面があります。今回はこのひと言を入り口に、人を「知っている」と言うときの度合いの言い分けを読み解きます。
日本語の「知っている」は、親しい友人にも、ニュースで名前を見ただけの人にも使えます。英語ではその距離感を言葉で分けることが多く、知っておくと会話の誤解が減ります。
「know know」は「本当の意味で知っている」
捜査に向かう場面で、こんなやり取りがあります。
— Sorry. You know him?
(ごめん、知り合いなの?)— I don’t know him know him,
(知り合いってほどじゃないけど、)— but I follow the news.
(ニュースは追ってるから。)BONES Season11 Episode6 (The Senator in the Street Sweeper)
I don’t know him know him は、know him を2回重ねて「ちゃんとした意味で知っている」の部分だけを打ち消す言い方です。名前や顔は知っているけれど、直接の知り合いではない、という線引きが一度に伝わります。
言語学では、この重ね方は「対比焦点の重複(contrastive focus reduplication)」と呼ばれ、重ねた語を「本物の」「典型的な」意味に絞る働きがあると説明されています。1語目を強く読むのが一般的で、動詞は目的語ごと重ねられることが多いとされています。
| 言い方 | 意味 |
|---|---|
| I like him, but I don’t like-like him. | 好きだけど、恋愛の意味の好きではない |
| Is it cold, or cold-cold? | 寒いの?それとも本格的に寒いの? |
| I’m not hungry-hungry. | すごくお腹が空いているわけではない |
くだけた会話向けの言い方なので、改まった場では I don’t know him personally.(個人的には知らない)と言い換えると無難です。
recognize と sound familiar で「見覚え」「聞き覚え」を言う
映像に映った人物について、キャロラインはこう言い切ります。
Caroline: No need. I’d recognize that man in the dark with my pretty little eyes blindfolded.
(必要ないわ。あの男なら、暗がりでこのかわいい目に目隠しをしていても見分けがつくわよ。)BONES Season11 Episode6 (The Senator in the Street Sweeper)
recognize は「見て(聞いて)それと分かる」という意味で、知り合いかどうかとは別に、識別できることを表します。目隠しをしていても分かる、という大げさな言い方が、キャロラインのよく知る相手であることを強調しています。
その人物の名前が出たあとには、次の反応も続きます。
— Wait, why does that sound familiar?
(待って、なんだか聞き覚えがあるんだけど。)BONES Season11 Episode6 (The Senator in the Street Sweeper)
sound familiar は名前や話に「聞き覚えがある」、見た目なら look familiar です。知り合いの度合いを整理すると次のようになります。
| 表現 | 距離感 |
|---|---|
| know someone | 直接の知り合い |
| know of someone | 存在や評判を知っている |
| recognize someone | 見れば分かる |
| sound / look familiar | 聞き覚え・見覚えがある |
「知っているから大丈夫」と伝える know
know には、相手の人柄や力を分かっているという意味もあります。研究所のインターンのジェシカについて調べるよう頼まれる場面では、次の言葉が出てきます。
— I’m on it, but don’t worry. I know Jessica. I’m not gonna find anything.
(やっておくよ。でも心配いらない。ジェシカのことは分かってるから。何も出てこないよ。)BONES Season11 Episode6 (The Senator in the Street Sweeper)
ここでの I know Jessica. は「顔見知り」ではなく、「彼女がどんな人か分かっている」という信頼の言葉です。
終盤近くには、オーブリーへの呼びかけで始まる、こんな言葉もあります。
— All right, look, Aubrey, I know you know what to do.
(よし、聞いて、オーブリー。何をすべきか分かっているのは知ってる。)BONES Season11 Episode6 (The Senator in the Street Sweeper)
I know you know ~ と know を2段に重ねると、「君が分かっていることは承知のうえで」という前置きになり、念押しの注意を角を立てずに切り出せます。
まとめ|「知っている」の距離を言葉で分ける
今回は『BONES』シーズン11エピソード6から、know him know him のように同じ語を重ねる言い方、recognize や sound familiar で見覚え・聞き覚えを伝える言い方、信頼を表す I know ~ を読み解きました。
一語の「知っている」にも、英語ではさまざまな距離があります。次回も『BONES』と一緒に、言葉の手ざわりを確かめていきましょう。
同じエピソードの英語は、ほかのコラムやフレーズ記事でも場面ごとに取り上げています。


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