海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
大事なことを自分だけ後回しで知らされて、「どうして黙ってたの?」ともやもやした経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「keep someone in the dark」を、『チャック』シーズン4第24話の前半、地下基地キャッスルで作戦を練る場面、計画の中身をなかなか明かさないチャックを母メアリーが問いただすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「keep someone in the dark」の意味とニュアンス
keep someone in the dark
意味:(人に)必要な情報を知らせず、事情から締め出しておく
dark(暗闇)は、光=情報や知識が届かない場所のイメージです。誰かを「暗がりに置いておく」と言うことで、その人に事情を知らせないまま置いておく、という意味になります。単にうっかり伝えそびれた、というより、あえて伏せているという含みが出やすく、「隠している」という不満や非難のトーンを伴うことが多い表現です。about を続けて「keep someone in the dark about ~」とすれば、何について知らせていないのかを示せます。受け身の「be kept in the dark(蚊帳の外に置かれる)」の形でもよく使われます。
【ここがポイント!】
- 核は「情報の光が届かない暗がりに人を置く」というイメージ
- あえて伏せている含みが強く、不満・非難のトーンが出やすい表現
- about で「何を伏せているか」、受け身で「置かれる側」を示せるのがコツ
『チャック』S04E24のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
大切な人を救う手立てを巡って、チームが地下基地で作戦を練っています。チャックはある計画を進めようとしますが、その中身をなかなか仲間に明かしません。焦る母メアリーが、真意を伏せたままの息子に思わず問いかける——そんな緊張の一言に、このフレーズが登場します。
Casey: So what’s the bright idea, Chuck?
(で、その名案ってのは何だ?)Mary: And why are you keeping us in the dark?
(それに、どうして私たちに黙っているの?)Chuck Season4 Episode24(Chuck Versus the Cliffhanger)
シーン解説と心理考察
危険な計画を胸に秘めたまま突き進もうとするチャックと、それを心配する母メアリーの温度差が、この短いやりとりににじむ場面です。ケイシーの「で、名案とは?」という促しに続けて、メアリーが「どうして黙っているの」と問い返すことで、彼が仲間にすら情報を伏せている状況が浮かび上がります。メアリーの一言は、責めているようでいて、その奥にあるのはむしろ息子を信じきれない不安と心配だと言えます。チャックが口を閉ざすのは、危険すぎる計画に家族を巻き込みたくないという思いの裏返しでもあり、「keep us in the dark」という表現が、伏せる側と伏せられる側の心の距離をそのまま映し出しています。
『チャック』流・覚え方のコツ
真っ暗な部屋にひとり取り残され、ドアの外で何が起きているのか見えない——その手探りの心細さを思い浮かべてみてください。情報という「光」を分けてもらえないまま、暗がりに置かれている状態が、このフレーズの核です。劇中では、母メアリーが「なぜ私たちを暗闇に置くの?」と、光を差し向けてもらえないもどかしさを訴えます。dark=情報の光が届かない場所、と結びつけると、「知らせない・締め出す」という含みが自然に身体に残ります。
例文で覚える「keep someone in the dark」
情報を伏せる・伏せられる、どちらの側からも使えるのがこのフレーズの便利なところです。場面ごとに三つの例文で見ていきましょう。
My manager kept me in the dark about the layoffs until the last minute.
(上司は解雇のことを直前まで私に知らせないでいた。)
社内の重要な決定を後から知らされた場面です。about のあとに「伏せられていた事柄」を置く、もっとも基本のパターンです。
The company kept its investors in the dark about the financial risks.
(その会社は財務リスクについて投資家を蚊帳の外に置いていた。)
情報開示の不備を説明するような、少し硬い文脈で使えます。報道やレポート調にもなじむ言い方です。
A: You knew about the schedule change and didn’t tell me?
B: Sorry, I didn’t mean to keep you in the dark—it just slipped my mind.
(A:予定変更を知ってたのに、教えてくれなかったの?)
(B:ごめん、蚊帳の外にするつもりはなかったんだ。うっかりしてただけで。)
身近な相手とのやりとりで、伏せる意図はなかったと弁解する場面です。keep you in the dark を否定して「わざとじゃない」と示すと、角が立ちにくくなります。
あわせて覚えたい関連表現
leave someone out of the loop
(人を情報の輪から外す)
loop は「情報共有の輪」。keep someone in the dark より中立的で、悪意なく「うっかり共有し忘れた」ときにも使えます。
hold out on someone
(人に情報や本音を出し惜しみする)
相手が知りたがっている情報を、あえて渡さない含みがあります。より口語的で、個人どうしのやりとりに向いています。
keep something under wraps
(物事を秘密にしておく)
主語が「事柄」側になる点が違います。人を締め出すというより、情報そのものを伏せておくことに焦点があります。
Note|「暗闇=情報がない状態」という英語の発想
「keep someone in the dark」を見ていると、英語が「知らない」という状態をしばしば dark(暗闇)で表すことに気づきます。
考えてみると、英語には情報や知識を「光」に、その欠如を「暗がり」に重ねる言い回しが数多くあります。in the dark(事情を知らないで)、a shot in the dark(当てずっぽう)、shed light on(〜を明らかにする)、bring to light(明るみに出す)——いずれも、見える=わかる、見えない=わからない、という身体的な感覚が根っこにあります。人間にとって、暗闇の中では文字どおり物事が見えず、状況を把握できません。その素朴な体験が、そのまま「情報がない・事情を知らない」という比喩へと広がったと考えられます。
日本語の「蚊帳の外」も、輪の外に置かれて中の様子がうかがえない、という空間的な発想を共有しています。ただ、英語の in the dark が「見える/見えない」という視覚に軸足を置くのに対し、日本語は「内/外」という位置関係で捉えている点に、それぞれの言語の見え方の違いがにじみます。
こうして眺めると、keep someone in the dark の「暗がりに置く」という言い回しが、単なる決まり文句ではなく、光と闇をめぐる英語の一貫した発想の一部だとわかります。
同じ「知らせない」でも、どの比喩に乗せるかで表現の手触りは変わります。
まとめ|黙っていることを、光と闇で言い表す
keep someone in the dark は、誰かに事情を知らせないまま置いておくことを、「暗がりに置く」という視覚的なイメージで言い表す表現です。
about で何を伏せているかを添えたり、受け身にして置かれる側を主語にしたりと、伝える・伝えられるの両方向から柔軟に使えます。情報を共有する・しないという日常のやりとりを、一言でくっきり描けるようになる表現だと言えます。
職場でも、家族のあいだでも、「知らせる/知らせない」の機微をひとことで言い当てる言葉として、表現の引き出しに加えてみてください。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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