海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
探し物や調べ物で、思いつく方法を片っ端から試して、「もうやれることは全部やった」と言いたくなる瞬間は、誰にでもありますよね。
今回学ぶのは 「leave no stone unturned」。あらゆる手を尽くして徹底的に探す・調べる、という表現です。『CHUCK/チャック』シーズン4第21話で、結婚式の資金を持ち逃げされたチャックとサラが、犯人の捜索に行き詰まる場面に登場します。「全部やった」と言うチャックに、サラが返す一言まで、一緒に見ていきましょう。
「leave no stone unturned」の意味とニュアンス
leave no stone unturned
意味:あらゆる手を尽くす/徹底的に探し尽くす
leave no stone unturned は文字どおりには「ひっくり返していない石を一つも残さない」。地面の石を一つひとつめくって探すように、考えられる手段をすべて試す、という意味の慣用句です。
ニュアンスとしては、「ちょっと頑張った」ではなく「これ以上できることはない、というところまでやり尽くした」という徹底ぶりを強調します。捜査や調査、問題解決、就職活動など、「手段を選ばず全力で当たる」場面で使われ、ややあらたまった響きを持ちます。do everything possible(できることは全部やる)とほぼ同じ意味ですが、leave no stone unturned のほうが比喩が効いていて、「一つも見逃さない」という執念めいた徹底感が伝わります。ビジネスの報告やニュース記事でも見かける、格のある言い回しです。
【ここがポイント!】
- 核は「石を残らずひっくり返して探す」という徹底的なイメージ
- 「頑張った」ではなく「やり尽くした」という執念を伝える一言
- do everything possible より比喩が効いた、ややあらたまった表現
『CHUCK/チャック』S04E21のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
結婚式のプランナーに大金を持ち逃げされたチャックとサラが、あらゆる手段で犯人を追うものの、手がかりをつかめず行き詰まっている場面です。「できることは全部やった」と言うチャックに、サラが意味ありげに返します。この短いやりとりが、物語を次の展開へ動かす布石になっています。
Chuck: We’ve done everything to make it right. We’ve left no stone unturned.
(埋め合わせのためにできることは全部やった。あらゆる手を尽くしたよ。)Sarah: Not every stone.
(まだ全部じゃない。)Chuck Season4 Episode21(Chuck Versus the Wedding Planner)
シーン解説と心理考察
チャックの「left no stone unturned」には、あらゆる手を試して疲れ切った二人の徒労感がにじみます。彼にとってこれは「もう打つ手がない」という降参に近い一言です。ところが、それを受けたサラの「Not every stone.」が会話の温度を一気に変えています。
「まだひっくり返していない石が一つある」と言い返すことで、サラは自分がずっと避けてきた最後の手段——詐欺師である父ジャックを頼ること——を暗にほのめかしています。チャックの決まり文句を逆手にとり、「石」の比喩をそのまま拾って切り返すこの返答は、機知に富むと同時に、彼女の覚悟が透ける場面と言えます。決まり文句を一語だけずらして返す、英語ならではの言葉遊びが効いたやりとりです。
『CHUCK/チャック』流・覚え方のコツ
leave no stone unturned は、河原にしゃがんで石を一つずつ手でめくっていく動作を思い浮かべると覚えやすい表現です。大きな石も小さな石も、一つ残らずひっくり返して、その下まで確かめる——その地道な手つきが、そのまま「やり尽くす」という意味になっています。
サラが「まだ全部の石はめくってない」と返す場面を、河原に残った最後の一個の石に重ねてみてください。「石=試すべき手段」というイメージを持っておけば、「あらゆる手を尽くす」という意味が指先の感覚とともに記憶に残ります。
例文で覚える「leave no stone unturned」
「(徹底的に)〜し尽くす」という強い決意を込めたいときに映える表現です。3つの例文で使いどころをつかんでみましょう。
The detectives promised to leave no stone unturned in the investigation.
(刑事たちは、捜査であらゆる手を尽くすと約束した。)
事件捜査の場面です。in 〜 と続けると「どの分野で手を尽くすのか」を具体的に示せます。
We will leave no stone unturned to find the best candidate for the role.
(その職にふさわしい最良の候補者を見つけるため、あらゆる手を尽くします。)
採用やプロジェクトの場面で、決意を伝える一言です。to 不定詞で目的を続けると、ビジネスの宣言らしく引き締まります。
A: Did you check everywhere for the lost ring?
B: Believe me, I left no stone unturned. It’s just gone.
(A:なくした指輪、あちこち探した?)
(B:信じてよ、あらゆる手を尽くしたって。もう見つからないんだ。)
日常の探し物をめぐる会話です。過去形 left にすると「やり尽くした結果」を振り返るニュアンスになります。
あわせて覚えたい関連表現
go the extra mile
(一歩踏み込んで努力する)
「求められた以上のことをする」という前向きな努力を表します。leave no stone unturned が「手段を残らず尽くす」なら、こちらは「期待を超えて頑張る」に力点があります。
move heaven and earth
(できる限りのことをすべてやる)
「天と地を動かす」という大げさな比喩で、目的のために全力を尽くすさまを表します。leave no stone unturned と近い意味ですが、より劇的で、強い決意を演出したいときに向きます。
try every trick in the book
(あらゆる手を試す)
「本に載っている手をすべて使う」という言い回しで、知っている方法を片っ端から試す様子を表します。ややくだけた響きで、日常会話で使いやすい表現です。
Note|「ひっくり返していない石はない」——古代の神託に宿る由来
leave no stone unturned は、石をめくるという素朴な動作の比喩ですが、その背後には古代ギリシャにさかのぼるとされる物語が伝わっています。
伝承によれば、この表現は古代ギリシャの神託にまつわる逸話に由来するとされています。ある人物が、敗走した敵将が戦場に大量の財宝を隠していったと聞き、どうすれば見つかるかとデルフォイの神託にうかがいを立てたところ、「すべての石をひっくり返せ(turn every stone)」という答えが返ってきた——という筋書きです。この「隠されたものを見つけるには、一つ残らず石をめくれ」という助言が、やがて「探索や努力を一切残さず尽くす」という比喩へと広がり、英語では leave no stone unturned という否定形の慣用句として定着したと考えられています。実際にこの言い回しは19世紀以降、法廷や報道の文章で「徹底的に調べ上げる」の意で頻繁に使われるようになり、格式のある表現として今に至ります。
こうした来歴を知ると、チャックの「left no stone unturned」も、単なる決まり文句以上の重みを帯びて聞こえてきます。そして「まだ全部の石はめくっていない」と返すサラの一言が、いかに古い比喩を巧みに拾ったものかも見えてきます。
一つの石の下に、思わぬ答えが隠れている——そんな古い知恵が息づく表現です。
まとめ|「まだ全部じゃない」から学ぶこと
leave no stone unturned は、考えられる手段を一つ残らず試す、その徹底ぶりを表す表現です。「頑張った」ではなく「やり尽くした」という執念を込められるのが、この言い回しの持ち味だと言えます。
仕事の調査でも、探し物でも、「これ以上できることはない」というところまで力を尽くしたと伝えたい場面は少なくありません。そんなとき、この一言を思い出せば、努力の徹底ぶりを英語でも印象的に表せます。
「まだ全部の石はめくっていない」と切り返したサラの機知とともに、この表現を会話のレパートリーに加えてみてくださいね。
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※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)


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