海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
別れたかと思えばまたよりを戻し、周りをやきもきさせるカップル——そんな関係を、ドラマや身近な人間関係で見かけることがありますよね。
その関係をぴたりと言い表すのが「on again, off again」、くっついたり別れたりを繰り返す、断続的な、という表現です。『CHUCK』シーズン3第8話の後半、偽名を演じるチャックが、思わず本心を漏らしてしまうシーンから、一緒に見ていきましょう。
「on again, off again」の意味とニュアンス
on again, off again
意味:くっついたり別れたりの、断続的な
スイッチを「カチッ、カチッ」とオン・オフ繰り返すイメージが、この表現の出発点です。恋愛関係について使うと、「別れてはよりを戻す」を繰り返す不安定な関係を指します。on-again, off-again relationship のように、ハイフンでつないで名詞を修飾する形が定番です。面白いのは、恋愛以外でも幅広く使えること。断続的に進んだり止まったりする計画や交渉、降ったりやんだりする雨、続いたり途切れたりする習慣など、「安定せずオンとオフを繰り返す物事」全般に応用できます。点いたり消えたりが落ち着かない——その不安定さこそが、このフレーズの核にあるニュアンスです。
【ここがポイント!】
- スイッチのオン・オフを繰り返すイメージが核——安定しない断続感
- 恋愛の「別れてはよりを戻す」関係を表す定番表現
- 計画・交渉・天気・習慣など、物事一般にも応用できるのがコツ
『CHUCK』S03E08のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
暗殺対象が実は仲間のショウで、その相手の女性が「サム」と呼ばれる人物——実はサラの本名——だと気づいたチャック。動揺を押し殺し、任務を装ったまま、マフィアたちに向かってサラへの本心を「ラフェの惚れ話」として語り出します。偽りの仮面の下で、初めて自分の本当の気持ちが言葉になってしまう場面です。
Matty: So, who the hell is Sam?
(で、サムってのは一体誰なんだ?)Chuck: Sam’s the girl. My girl. Sort of. Me and Sam are on again, off again. Driving everyone in my life a little crazy.
(サムは…俺の女だ。まあ、そんなとこさ。俺とサムは、くっついたり別れたり。周りのみんなを、ちょっと振り回してる。)Chuck Season3 Episode8(Chuck Versus the Fake Name)
シーン解説と心理考察
このシーンの妙は、チャックが「ラフェの恋愛話」を装いながら、その実、サラへの偽らざる本心を吐き出しているところにあります。「on again, off again」という軽い口語で関係をさらりと要約しつつ、「周りをみんな振り回している」という自嘲の裏には、決着のつかない想いの切実さがにじみます。偽名(fake name)を演じる中で、かえって本音がこぼれ落ちる——本エピソードのタイトルとテーマが、この一言にぎゅっと凝縮されています。マフィアたちが「さっさと決めろよ」と茶々を入れるコミカルな空気の下で、チャック自身も気づかないうちに、自分の心の本当の置き場所を口にしてしまっている。軽さと重さが同居する構図が、この場面の見どころとして響きます。
『CHUCK』流・覚え方のコツ
照明のスイッチを「カチッ、カチッ」と、点けたり消したりを繰り返している様子を思い浮かべてみてください。on(点く)と off(消える)が交互に来て、どちらにも安定して落ち着かない——その不安定さこそが、別れてはよりを戻すカップルの関係そのものです。ラフェを演じるチャックが、スイッチのように切り替わる自分とサラの関係を「on again, off again」と要約しながら、ぽろりと本音をこぼす姿を重ねてみましょう。表現の軽やかさと、その奥にある心情の重さ——そのギャップごと、スイッチの音とともに記憶に残ります。
例文で覚える「on again, off again」
恋愛から物事一般まで使える、便利なフレーズです。さまざまな「断続」の場面を、3つの例文で見ていきましょう。
They’ve had an on-again, off-again relationship for years.
(彼らは何年も、くっついたり別れたりの関係を続けている。)
友人カップルの関係を説明する場面です。ハイフンでつないで relationship を修飾する、チャックの用法に近い定番の形です。
Our merger talks have been on again, off again since last spring.
(合併の交渉は去年の春からずっと、進んだり止まったりだ。)
断続的に続く交渉の状況を報告する場面です。恋愛以外でも、止まったり再開したりを繰り返す物事に自然に使えます。
A: Are Mia and Tom back together again?
B: Who knows—they’ve always been on again, off again.
(A:ミアとトム、またよりを戻したの?)
(B:さあね。あの二人、昔からくっついたり別れたりだから。)
うわさ話のカジュアルな会話で使えます。安定しない二人の関係を、肩をすくめるように軽く言い表す形です。
あわせて覚えたい関連表現
hot and cold
(態度がコロコロ変わる)
相手の「気持ちや態度」が、好意的だったり冷たかったり揺れ動くことを指す表現です。on again, off again が「関係そのもの」の継続と中断を指すのに対し、hot and cold は一人の人物の態度の変動に焦点があります。
break up and make up
(別れたり仲直りしたり)
具体的な「別れ→和解」の反復を描写する表現です。on again, off again がその状態を一語で要約する形容であるのに対し、こちらは別れと仲直りという出来事の繰り返しそのものを言い表します。
come and go
(現れては消える、行ったり来たり)
物事の出入り全般を指す表現です。恋愛関係の継続・中断という含意は薄く、人や物、感覚などが現れたり消えたりする様子に広く使われます。
Note|ゴシップ英語の定番——「あの不安定なカップル」を即座に喚起する一語
on again, off again は、日常会話でも使われますが、とりわけある特定の場所で繰り返し用いられてきた表現です。それは、芸能ゴシップの報道です。
英語圏のエンタメ報道では、別れたりよりを戻したりを繰り返す有名人カップルを指して、on-again, off-again couple という決まり文句が頻繁に登場します。見出しにこの言葉が並ぶと、読者は説明を読まなくても「ああ、あの安定しない二人ね」と即座に状況を思い描きます。つまりこのフレーズは、長年の報道での反復を通じて、ネイティブの頭の中に「別れてはよりを戻す関係」という像をすばやく呼び起こす、一種のショートカットとして定着しているのです。スイッチのオン・オフという物理的なイメージに、ゴシップ文化が積み重ねた「あの手のカップル」という含みが乗っているからこそ、たった数語で関係の質感まで伝わります。言葉が文化的な手垢をまとうことで、表現力が増した好例と言えます。
チャックが「on again, off again」と口にした瞬間、マフィアたちがすぐに「ああ、その手のやつか」と反応したのも、この定型句が持つ即時の喚起力ゆえでした。
たった数語に、これだけの含みが宿るのですね。
まとめ|偽名の下でこぼれた本音
「on again, off again」は、スイッチのオン・オフのように、くっついたり別れたりを繰り返す——そんな断続的で不安定な関係を表す表現です。恋愛だけでなく、進んだり止まったりする計画や交渉、降ったりやんだりする天気にも幅広く使えます。
ハイフンでつないで名詞を修飾すれば、「あの不安定な二人」をたった数語で言い表せます。長年のゴシップ報道が育てた喚起力のおかげで、関係の質感までさらりと伝わる一語です。
偽名を演じるチャックが、その仮面の下でこぼした「on again, off again」という一言には、軽やかな言葉の奥に、決着のつかない想いの重さが静かに沈んでいたのですね。
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