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『フレンズ』シーズン4第22話では、結婚を控えたロスの花婿の付添人(ベストマン)を、チャンドラーとジョーイのどちらが務めるかをめぐって、3人の言い合いが始まります。
このやりとりには「can」と「get to」が何度も出てきます。どちらも「〜できる」と訳せる言葉ですが、同じ場面の中で並べてみると、許可や約束を表す can と、機会が回ってくることを表す get to の違いが見えてきます。
「He got to do it」get to は「やる機会が回ってくる」
チャンドラーとジョーイの部屋で、ロスが結婚指輪を見せてバチェラーパーティーの相談を始めると、ジョーイが「その前に付添人をだれにするか決めるべきじゃないか」と口をはさみます。そのあとの会話です。
Ross: I sort of already asked Chandler.
(もうチャンドラーに頼んだようなもんなんだ。)
Joey: What? He got to do it at your first wedding.
(何だよ? 最初の結婚式のときもこいつがやったじゃないか。)
Ross: Joey, I figured you’d understand. I mean, I-I’ve known him a lot longer.
(ジョーイ、お前ならわかってくれると思ったんだ。だって、こいつとの付き合いのほうがずっと長いし。)
Joey: Come on, Ross! Look, I-I don’t have any brothers. I’m never gonna get to be a best man!
(頼むよ、ロス! いいか、俺には兄弟がいないんだ。俺は一生付添人になれないじゃないか!)
Chandler: You can be the best man when I get married.
(俺が結婚するときに付添人をやればいいよ。)
Friends Season4 Episode22(The One with the Worst Best Man Ever)
get to do は、「〜する機会がある」「〜させてもらえる」という意味で使われます。ジョーイの He got to do it at your first wedding. は、ロスの最初の結婚式でもチャンドラーが付添人を務めた、という言い分です。単に「やった」なら did it で足りますが、got to を使うことで、その役をやる機会がチャンドラーに回ってきた、という捉え方になります。
ロスは I figured you’d understand.(お前ならわかってくれると思った)と前置きし、I’ve known him a lot longer. と理由を添えます。figure はくだけた会話で「〜だろうと思う」の意味で使われることの多い動詞で、現在完了の I’ve known は、知り合ってからの期間の長さを比べる形です。
ジョーイの I’m never gonna get to be a best man! も get to の形です。兄弟がいない自分には付添人をやる機会が来ない、と訴えていると読み取れます。can’t be なら「なれない」という可能の話に寄りますが、never gonna get to be は、その機会がこの先一度も回ってこないという言い方です。
「You can be the best man」can の約束と get to の不満
チャンドラーの You can be the best man when I get married. は、能力を表す can ではなく、「〜していいよ」と許可や提案を伝える can です。自分の結婚式で付添人をやればいい、という申し出ですが、ジョーイは同じ言葉を繰り返し、そこへロスも加わります。
Joey: I’m never gonna get to be a best man!
(俺は一生付添人になれないじゃないか!)
Ross: Wait-wait, so, you get to be my best man twice and I don’t get to be yours at all?
(待て待て、じゃあお前は俺の付添人を2回やって、俺はお前のを一度もやれないってこと?)
Friends Season4 Episode22(The One with the Worst Best Man Ever)
ロスがチャンドラーに向けたこの一言では、get to が2回並んでいます。チャンドラーには付添人を務める機会が2回あるのに、自分には一度も回ってこない、という対比です。このあと、ジョーイがチャンドラーに言い返します。
Joey: What about me? You-you just said I could!
(俺はどうなるんだよ? さっき俺にやっていいって言ったじゃないか!)
Chandler: I’m not even getting married!
(俺は結婚の予定すらないんだぞ!)
Chandler: Okay, this is a question for science fiction writers.
(いいか、これはSF作家に聞くような話だ。)
Friends Season4 Episode22(The One with the Worst Best Man Ever)
You just said I could! の could は、さきほどの You can be the best man を受けたものです。「やっていいとさっき言った」と、許可の can を過去の発言として持ち出しています。チャンドラーの I’m not even getting married! は、結婚の予定もないのに付添人の取り合いになっている、という返しです。続く a question for science fiction writers は、まだ起きてもいない先の話を、SF作家に聞くような質問だと例えたものです。
「I get to choose my best man」決める立場を示す get to
言い合いはさらに続き、ロスが結論を出します。
Joey: I can’t believe you’re not picking me.
(俺を選ばないなんて信じられない。)
Ross: Hey, how could it not be me?
(おい、俺じゃないなんてありえないだろ?)
Chandler: I’m not even.. I’m not even..
(俺はそもそも……そもそも……)
Ross: Alright, you know what, that’s it.
(わかった、もういい。)
Ross: From now on, Joey, I want you to be my best man.
(今からは、ジョーイ、お前に俺の付添人をやってほしい。)
Friends Season4 Episode22(The One with the Worst Best Man Ever)
pick は「選ぶ」のくだけた言い方で、ロスの How could it not be me? は「自分でないなんてありえない」と、疑問の形で強く言い切る一言です。チャンドラーは I’m not even.. と言いかけたまま、言葉が続きません。ロスは that’s it(もういい)と区切り、from now on(これからは)を使ってジョーイを付添人に指名し直します。
話の終盤、指輪が見つかったあと、ジョーイは付添人をチャンドラーがやるべきだと言い、チャンドラーは「いや、君がやるべきだ」と返します。そこでロスが口にしたのがこちらです。
Ross: Hey! Hey! Hey! I get to choose my best man.
(おい! おい! おい! 付添人を決めるのは俺だろ。)
Ross: I want both you guys.
(お前たち2人ともにやってほしい。)
Friends Season4 Episode22(The One with the Worst Best Man Ever)
この I get to choose は、「選ぶことが自分に許されている」という意味の get to です。冒頭の get to が「機会が回ってくる」側の言い方だったのに対し、ここでは自分が決める立場にあることを示す使い方です。そのうえでロスは、I want both you guys. と2人とも選びます。
まとめ|「can」と「get to」の違い
can は「〜していいよ」と許可や約束を伝える言い方、get to は「〜する機会が回ってくる」「〜させてもらえる」という言い方として、付添人をめぐる言い合いの中で使い分けられていました。同じ「できる」でも、どちらを選ぶかで伝わる意味が変わります。
3人の言い合いを観ながら can と get to を聞き比べると、二つの響きの違いが聞き分けやすくなります。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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